老化と痴呆の間にある精神面の変化
正常な老化と痴呆の中間に「軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)」がある。
1010名のMCI症例を対象に,ベースライン時(測定開始時)の精神神経症状を調べたところ,59%には少なくとも1項目以上の症状がみられた。多く見られたのは,抑うつ,不安,焦燥感,イライラ/攻撃的,無気力(アパシー)/無関心であった(これらの項目は,アルツハイマー型痴呆(AD)においてもみられるが,その頻度や程度はAD>MCI)。妄想,幻覚,多幸感,脱抑制,運動症状(不随意的な動作など)は少なかった。
さらに,こういった精神神経症状を示す人々は,そうでない人々に比べて認知的機能障害(記憶力の低下など)の程度が高かった。
中間にMCIと呼ばれる状態があることをご存じでしょうか。痴呆 or notではなく,グレーゾーンがあるのです。そしてその状態において精神面の変化があると,知的機能低下の度合いが高くなると予測されます。
Neurology 62: 1199-1201, April 2004.
Feldman H et al.
Behavioral symptoms in mild cognitive impairment.
Neuropsychiatry; Survey
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