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26 mai 2004

PTSD者の脳内コネクティビティ

PTSDというコトバはマスコミでも取り上げられ,ひろく知られるようになりました。
同じような外傷的出来事を経験しても,PTSD症状を示す人と,示さない人がいます。
PTSD症状のある人は,PTSD症状のない人と,どのように脳活動が異なるのでしょうか。

繰り返して外傷的出来事を想起してもらい,想起中の脳活動をPETにより計測しました。

多くのPETやfMRI研究では,最も活動が変化した(増加でも,減少でも)脳部位を特定することを目指しているわけですが,この研究ではそうではなく,脳部位間の機能的連絡(functional connectivity)を特定するために,構造方程式モデリングを用いています。
# 地図的に考えると,Aポイント,Bポイントを特定するようなのがふつうの研究で,この研究では,AポイントとBポイントをつなぐルートの有無や交通量,ネットワークを調べるような感じです。

視覚皮質,運動前野,梁下回,帯状回,扁桃体,前頭前野という6ポイント間のネットワークが検討されました。

その結果,PTSD症状のある群とない群にネットワークの違いが認められ,
PTSD者では扁桃体が,視覚皮質・梁下回・帯状回前部にダイレクトな影響を与えていることが明らかとなりました。

扁桃体の過度な影響
 → a) 視覚皮質の活動を上昇
    → フラッシュバック
 → b) 梁下回の活動を上昇
    → 覚醒亢進症状
といった関係が考察されています。

Biological Psychiatry 55: 263-272, 2004.
Gilboa A et al.
Functional connectivity of the prefrontal cortex and the amygdala in posttraumatic stress disorder.
Posttraumatic stress disorder; functional connectivity; amygdala; prefrontal; cingulate


Journal's abstract

Neuroimaging, Neuropsychiatry, PET;
symptom provocation(script presentation)

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