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09 juin 2004

ヒトの動作とイヌの動作

飛び跳ねる,座る,飲み込むといった動作はヒトでもイヌでもできる。
それらの動詞が提示されたとき,
ヒトの動作だと思う場合とイヌの動作だと思う場合で,脳の活動は異なるのか。

そういった動作動詞と,発酵する,溶解する,さざ波が立つ,のような非動作動詞がランダムな順にひとつずつ単語として視覚提示され,「ヒト」や「イヌ」がそれをできるかどうかを判断する,という課題が行われた。

ヒトの動作の場合 → 右前頭葉の活動が(これは「心の理論」領域と重なる)
イヌの動作の場合 → 後頭側頭領域の活動が(視覚イメージ関連領域)みられた。

ヒトの動作だと思うと,自動的に「心の理論」関連の脳領域が活動するようです。

#同じ「単語」を見ても,被験者の持っている知識や考え方・見方によって
#脳活動領域は異なる,という結果です。
#言語の脳活動を計測しているような人々はこの結果をどうみるのでしょうか。

#会議中に(こっそりdual tasking=内職)読みました。

Cerebral Cortex 14(2): 209-214, 2004.
Mason MF et al.
Thinking about actions: the neural substrates of person knowledge.
action knowledge, fMRI, mentalizing, social cognition, theory of mind

Journal's abstract

neuroimaging, fMRI;


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01. BRAIN 【脳】」カテゴリの記事

Commentaires

教えてください!
こちらで紹介されている
「ヒトの動作とイヌの動作」という記事に興味を持って
原文の論文を読んでいる高校生です。
なかなか難しくて意味を把握できません。
文中に出てくる
person-related information
person-knowledge
とはどのような意味なのでしょうか。
教えていただけないでしょうか。

Rédigé par: 小林孝至 | le 22 oct. 2004 à 00:15

小林孝至さん,はじめまして。
記事に興味を持ってもらえたようでこちらもうれしいです。
そしてオリジナル論文を読んでいらっしゃるとは!!
その辺の大学生に聞かせてあげたいくらいです。

さてお訊ねの件ですが,
person-related information/knowledgeとは,ひろく「ヒト」に関わる知識一般を指しています。
意訳的に説明しますね,長いけど。

①「知識」をテーマにするとき,従来はどうしても「モノ」に関すること(たとえば,道具の知識,食品の知識,動物の知識などなど)を取り上げる傾向が強い(意味記憶とか,カテゴリー知識の研究と呼ばれます)。文中でも対義的に,object-related knowledgeが取り上げられていますね。
 そういったカテゴリーの知識が脳のなかでどのように構成されているのか,といったことが多くの研究者によって考えられ,生物/非生物とか,視覚/機能といった区分による,などの仮説が登場しました。しかしここでいう「生物」とは,いわゆる動物・野菜・果物など,「ヒト」以外のことがもっぱら扱われてきたのです。いわば「脳におけるヒト以外の世界の構築方法」を探していたのです。

②でも私たちはふだん「ヒト」に囲まれて生活しており,他人の思っていることや感情をあれこれ推測したり,他人の行動を予測したりしています。それは人間社会の中で生きていく上で必要なことだから。
 そして脳には,そのような時に利用する「データベース」があるはずだと考えられます。それがなければ,推測も予測もできないはずだから。
※ついでに,theory of mind(ToM)=「心の理論」とは,そういうことができる能力を指している,と考えてよい。

③そこで,この研究では,①には登場せず,でも②から存在すると考えられる「ヒト」に関する知識を研究しよう,ということになりました。その,ヒトに関するデータベースが,person-related knowledge/informationです。

おわかりいただけましたか?
また,いつでもどうぞ。

Rédigé par: mochi | le 22 oct. 2004 à 14:42

くわしく説明して頂いてありがとうございました。
やっと読め進めることができます。
これまでされてきた研究の背景がわからないと理解するのが難しいですね…。
でも脳の話は本当におもしろいです。
もっと勉強して、英語の論文をすらすら読めるようになったら、おもしろい文献にたくさん出会えるのでしょうね。
がんばります!
ありがとうございました!!

Rédigé par: 小林孝至 | le 22 oct. 2004 à 22:39

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