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20 juil. 2004

私の左脳と私

なかなかふるったタイトルの論文。「右脳」ばかり鍛えていると,「私」がわかりにくくなりますよ。
(...という論文ではないけれど。)

顔は,おおまかには左右対称になっていますが,微視的には違いがあり,左右非対称になっている。
顔写真を処理して,「左半分の顔画像」+「左半分の顔の左右反転画像」から,
ひとつの顔画像をつくることができる。
図式的には,
LR顔  (^_~ ) ←もとの顔
LL顔  (^_^)
RR顔  ( ~_~ )  のようになる。

そのようにして作られた,左右対称な顔写真(LL,RR)を各被験者の自分の顔と親友の顔で作成し,
それぞれをたてにふたつ提示して,
「どちらが自分っぽく見えるか(自分の顔写真ペア)」と
「どちらが親友っぽく見えるか(親友の顔写真ペア)」を判断してもらった。

その結果,
自分の顔らしさを判断する時は,右視野に提示される顔(鏡で見るときに右側に見える,本人の右顔)から作られた画像を自分らしいと評定する傾向があり,
知人の顔らしさを判断する時には,左視野に提示される顔(自分から見て左側に見える,親友の右顔)から作られた画像を親友らしいと評定する傾向がみられた。

この結果から,
1)自分や親友といった「よく知っている」顔の知覚的記憶には左右非対称性が存在する,
  (つまり横顔のどちらかの側を,より覚えているということ),
2)右視野→左半球は自己の認知に,左視野→右半球は他者の認知に
  優位(=相対的に得意)である,
と考えられる。

#この実験では「好き嫌い」については何も言っていないけれど,それって影響しないのかな,
 「こっちからのアングルじゃないと写真撮られたくない」みたいなことって,あるでしょう。


Neuropsychologia 42: 1156-1161, 2004.
Brady N et al.
My left brain and me: a dissociation in the perception of self and others.
Faces; Lateralization; Hemisphere; Self-perception; Mirror-reversed; Familiar

Journal's abstract

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