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25 août 2004

頭が大きいと賢い?の科学

頭が大きいと賢いのか,というフツーな疑問に科学的に答える。

上の疑問が正しいのなら,
賢い人は頭が大きい傾向がある,または,頭の大きい人は賢い傾向がある,
みたいなことになり,かなり偽科学的な感じ。
そこで,もう少し科学的な検証に耐えうるリサーチ・クエスチョン,
→「脳の部位別体積と知能指数の相関関係を検討する」にして検討された。

2つのサンプル,総計47名(男性27名,女性20名)の,
個々人の脳MRI画像から,脳部位の体積を測定し(voxel-based morphometry),
WAISの総合IQ(FSIQ)との相関を求めた。

有意な正の相関がみられた(脳部位体積が大きいとIQが高い傾向にある)部位は,
前頭葉(Brodmann:BA10, 46, 9),側頭葉(BA21, 37, 22, 42),頭頂葉(BA43, 3),
および後頭葉(BA19)の灰白質(神経細胞体の存在している部位;脳表付近),
頭頂葉BA39に近い白質(神経細胞体の存在しない大脳のより深部)であった。
これらの領域のデータで,IQのばらつきを73%の説明率で予測することができた。
また,有意な負の相関(大きいとIQが低い)部位はみられなかった。


##
従来の研究で,前頭葉の活動とIQの関係を検討したものはあったが,脳部位の体積,
前頭葉以外の関与,さらに白質と呼ばれる部分にも注目している点は面白い。


結局のところ,小ネタとして使える(かもしれない)解答は,

「頭が大きいと賢い,というのはあいまいです。
脳の特定部分の体積と知能指数には正の相関がある,
つまり
賢いとその部分が大きい
または
その部分が大きければ賢い
ってこと」
といったところでしょうか。

Brodmannの脳地図は,自分で本とかネットで調べてください。
BA43ってのは,レアな感じ。


NeuroImage 23(1): 425-433, 2004.
Haier RJ et al.
Structural brain variation and general intelligence.
IQ; Brain volume; Morphometry

Journal's abstract

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01. BRAIN 【脳】」カテゴリの記事

Commentaires

ついでのコメントを。

言語に関係する脳領域の一部である側頭平面という場所の(たしか上面)左右の面積を比較すると左の方が大きい,というデータを,かつて,だいぶ前に出した人たちがいました。
だから
言語は左半球優位なんだ
という論旨展開。

なんか似てるなと思って。
その研究を知った当時大学院生だった私には,「大きければ優位」という論理がさっぱりわからなかった(今でも疑問だ;大きい=神経細胞数が多い=情報処理量が多いということらしいのだが,何か正しくない気がしてならない)

そう考えると,あまりみるべき論文ではないのかもしれない,
と思えてきた。

Rédigé par: mochi(セルフコメント) | 26 août 2004 16:25

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