臨床心理学演習I(学類)2-2
秘密を秘密にしておくこと,が心に与える影響。
今日は栗山さんの担当で,
Behav Res Ther 41(2003): 959-968.
Bouman T.
Intra- and interpersonal consequences of experimentally induced concealment.
でした。
秘密を秘密にしておくことは,思考抑制などの研究で研究されている。
しかしふつう,秘密を秘密にしておくことは個人内でというよりは,
個人間社会的になされるもの (なのにそういう研究はない)
そこで実験。
インタビューする人とされる人のペアを,中性条件・隠匿条件にわけて実験(実験1)。
中性→隠匿,隠匿→中性の順番で両条件を経験するとしたバリエーション実験(実験2)。
中性条件ではある都市を観光でまわる
隠匿条件では動物園をまわる(が,象についてだけは話題としてはならない)
1.インタビューされる人は,その秘密が頭に浮かんできてしまい抑制しようとし,注意を払い,興奮するだろう
2.インタビューする人は,される人のそのような試みに気づかないだろう
という仮説。
結果は,両実験とも上のふたつの仮説を支持していた。
インタビューされる側は,不快感や緊張感を感じ,また
象のことが頭に浮かんできてしまいそれを抑制しようと試みていた。
インタビューする側はその内容に気づかなかった。
#実験の根拠として「個人間」を持ち出したのは理解できたが,結果に新しさはどれほどあったのだろう
#面白いなと思ったのは,「どうやって隠し通そうとしていたか」の質問で,
「会話の主導権を握る」と「他の話題にずらす」が多く,
「口数少なくする」とか「アイコンタクトを減らす」とかそういう方略は少ない。
#あくまでも,実験的に誘導された,短期間の「秘密」。
もっと慢性的なのは,どうなんでしょうか。
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