« 浅間山噴火 | Accueil | 臨床心理学演習(MC)2-1 »

02 sept. 2004

字読めない「失読症」、英語圏と漢字圏で原因部位に差

という記事が読売新聞のオンライン版に掲載されてました。
ついでに,私のこのblog,「中前頭回」で検索してやってこられた方もいました
(最初にこちらを知ったので,なんで中前頭回で検索してるんだろうと思いました)

Natureに掲載された論文です。
Biological abnormality of impaired reading is constrained by culture.という題目で,
それはそれでややセンセーショナルな響き。

しかし,
英語圏と漢字圏(この言い方は正確ではなく,アルファベットと漢字とでも言うべきか)の違いはすでに知られている
(さらに言えば,かなと漢字の違いも知られている)。僕でさえ知っている。
この論文の著者らは中国の方々だが,日本の研究にまったく触れていないのはなぜだろう。

獲得性失読と,発達性失読を同一視してよいか,という点も考えよう。

おそらく重要なのは,「なぜ左中前頭回(BA9)なのか」という点につきる。
というか,僕が最初に考えたのは,そこだけだったので;
その部分は新聞の記事には書いてなかったので読んでみた。

著者らの解釈では,漢字を読む際には,アルファベットを読む際以上に,音韻性および視空間性のワーキングメモリを使用するからだ,という。この部位の機能低下で失読になる。ふーん。
ちなみに,発達性失読群は,この機能低下を補うように,「左下前頭回(BA45)」の活動が上昇していたという。
わかったような,わからないような。

論文に引用されていてちょっと私の興味をひいたのは,
「中国語を話すアジア人は,英語を話す白人にくらべて,左中前頭回のサイズが大きい」という論文が既にある,とのこと
(漢字を読む→左中前頭回を使う→左中前頭回が大きくなる,ということ)。

|

« 浅間山噴火 | Accueil | 臨床心理学演習(MC)2-1 »

01. BRAIN 【脳】」カテゴリの記事

Commentaires

なるほど。
「文化に合わせた治療法の必要性」というくだりは,まあそうなんだろうな,という気がしますが。
日本人は漢字とひらがな使いますから,音韻性と視覚性の使う比率が中間くらいだったりするんですかね。

ところで,先天的に失読症「だから」,ワーキングメモリに関する部位の活動が弱い,という論理は成立しないんですかね。なんだか書いてて混乱してますが。

Rédigé par: kob@kyoto | le 02 sept. 2004 à 17:02

>先天的に失読症「だから」,ワーキングメモリに関する部位の活動が弱い,という論理は成立しないんですかね。

漢字という特殊な読みと,普遍的な感のあるワーキングメモリ,という力関係で,論理的にはワーキングメモリ→失読,という方向性が決められているのかな。

そういった発達性失読(難読)の方々において,音韻性やら視空間性のワーキングメモリ課題の成績が低下している,というデータがあれば,kob氏の論理は解決されるのではないかと(あるのかないのかは知らない)


それから,少し応用的にずらすと,

漢字使用圏の人々は左中前頭回よく使う=大きい
 → ワーキングメモリに秀でている (?)
とかいうことになるんじゃん。
非漢字使用圏で漢字ドリルによって能力(ワーキングメモリ)アップ!!みたいな商売できるかもね...もちろん,冗談ですけど。

Rédigé par: mochi(言語苦手) | le 02 sept. 2004 à 17:15

>発達性失読(難読)の方々において,音韻性やら視空間性のワーキングメモリ課題の成績が低下している,というデータがあれば

それです、それ。そういうことが書きたかったんです(違うかもしれませんが)。
読めない→ある部位を使わない(情報がいかない)→低活性。
勝手に溜飲を下げさせてもらいました。

以下雑多なコメント
・何かワーキングメモリって,鍛えたら強くなりそうな感じありませんか。
・音韻性のWMが低下してるとしたら,話し言葉にも影響でそうですよね。

Rédigé par: kob@kyoto | le 02 sept. 2004 à 18:25

>何かワーキングメモリって,鍛えたら強くなりそうな感じありませんか。

たしかに。僕は視空間性のは弱そう(神経衰弱とか全然ダメ)だから,ドリルが出たら買っちゃうかもしれない。
計算問題のは,買いませんでしたが...


>音韻性のWMが低下してるとしたら,話し言葉にも影響でそうですよね。

お,そうですね。伝導失語の発現機序として提唱されている方々もおられますし(復唱困難とか,接近現象conduite d'approcheとか,その目で見れば,いや,聞けば,そんな風にも考えられるね)。


まったく関係ないけど先日O研の方つくばでお見かけしました。
嫁の迎えに研究所に行ったら被験者で来てらしたとかで。
娘とも遊んでもらえたようで←もうすぐ5歳です

Rédigé par: mochi(鍛えたい,visuospatial) | le 02 sept. 2004 à 19:18

Poster un commentaire



(Ne sera pas visible avec le commentaire.)


Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.



TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27740/1338360

Voici les sites qui parlent de 字読めない「失読症」、英語圏と漢字圏で原因部位に差:

« 浅間山噴火 | Accueil | 臨床心理学演習(MC)2-1 »