« 性格心理学II-2 | Accueil | PC-98noteNS/R »

04 oct. 2004

総合科目心を考える2-5

記憶(続)-意味記憶,手続き記憶,健忘。
言語-失語,失読(のさわり)。

今日も雨で,徒歩で通勤(といった風情;D棟から2学まで)。
皆様も雨の中,お疲れさまです。

意味記憶は単に「引き出しにしまわれている」わけではないこと,
生物/非生物,または視覚/機能といったカテゴリー化が考えられていること,
身体で覚える記憶(手続き記憶)もあり,健忘症でも保たれること,
忘れているときは,実際脳の活動量が十分に上昇しないことと関連があること(+忘れないためには...),

失語の,例の図式。

今日も最後の15分,調査にご協力願いました。


###

出席票は182枚,17枚のコメントでした。

テクニカルな2題。

>出席票をできれば一枚一枚くばってください。一人で何枚も取っている人がいます。

#前者については「できません」。
 後者については,代返(代筆か)の可能性を示唆されているのだろうと思います。
 (それを推奨しているわけではありませんけど)別に構いません。
 大学生ともなったらそれぐらいの知恵,というか狡さはある程度は必要だと感じます。
 漫然と出席している人(がいるとしたら)と,ほとんど違いはありません。
 テストは,出席していないと答えるのが困難であろう「思考問題」を出しますから,
 出席点ばかり良くてテストがはちゃめちゃであったら,代返で出席点をかせいだんだろうな
 ということはだいたいわかります。そういう意味では,ご安心を。


>実験に参加したら10点加算とか,なんかズルイかんじがします。

#そうですね。そう思うのも無理はない。
 でも,「敗者復活的」な要素が欲しい人も中にはいるでしょう。
 「心を考える」を授業以外でもしてみたくありませんか?

 心理の実験で大学生を被験者にする場合は,「受講生は義務(参加することが単位認定の前提)」,
 「受講生の点数の一部として」,「現金でいくら」といった形式で被験者を募集します。
 なんらの見返りもなく,自発的に参加してくれる方々だけに参加していただくこともできるかもしれませんが,
 そのように高邁な精神をお持ちの方ばかりでは,ないのでね。
 今日募集した実験は,かなり「エキストラな時間」を求めるので,その見返りとしての点数だと思ってください。
 大事なことを言い忘れていたのですが,「最後まで参加した方」に,です。
 次回忘れずにアナウンスします。


以下,内容に関するもの。


>なんとなく,意味記憶よりも手続き記憶の方が忘れにくそうなイメージがあります。
 五感をより使うからでしょうか。

#そうかもしれないし,そうでないかもしれない。あまり研究が多くない。
 意味記憶の場合,「意図的に」思い出そうとしてうまくできない,という経験はしやすいでしょうが,
 手続き記憶の場合,うまくいかないとそこで何度か試してみたりするのでは,「調子悪いなあ」とか言いながら。
 「失敗の経験」が意識されやすいのだろうと思います,意味記憶の場合。

 手続き記憶の「障害」は,研究自体も多くありません。
 また,どうしても何かを,比較的短期間に学習してもらう実験が多く,
 その記憶が「長期」的に残るかどうかの検討はきわめて少ない。
 多いのは,「健忘症だけど,これは保たれている」という文脈です。
 つまり,専門的に研究している人々も,暗黙のうちに,そう思っているフシがあります。


>ブローカ失語やウェルニッケ失語はどのようにして発症するのかを話してほしかった。

#たしかに,話していないですね。脳血管性障害(脳出血・脳梗塞),脳腫瘍などでおこることが多いです。
 病気の原因によって,病巣の範囲が変わってきます。


>精神的なストレスで一時的に声が出せないケースを聞きますが,その場合は脳に問題が出たのではなく,
 声を出すことを拒絶しているのでしょうか?

#まず,声が出ないことと失語症は異なります。失声は,精神疾患の診断基準DSMで,「身体表現性障害-転換性 障害」というものに相当します。失語症はいわゆる「精神疾患」ではありません。

 ストレスなどの「心因性」の障害と,脳のダメージによる「器質性」の障害は別物と考えるのが一般的ですが,
 実態はまだまだ解明すべき点が残されています。以前は心因性と言われていた疾患も,脳の形態や活動を
 調べてみると,多少異なる点があったりすることはよく報告されています。
 でも,こういった問題,ストレスが先か,脳が先か,決めにくい(決められない)です。
   ストレス→脳にダメージ,かもしれないし,
   脳に微細な異常→ストレスの影響を受けやすい,かもしれないからです。


>失語症や失認症など,リハビリで治療できたり,良くなったりするのでしょうか?
 本人は失語症であることによって,どのように精神的影響を受けるのですか?

#まず,ある程度自然回復することが知られています。
 そのペース以上に,機能を回復する目的で,リハビリテーションが行われます。
 特に,失語に関しては「言語聴覚士」という国家資格を持った方々が中心に携わっています。
 リハビリと一口に言ってもさまざまな理念・さまざまな手法があります。

 精神的影響は,もちろん大きくあります。これまで何気なくできていたことができないことに対する,
 挫折感・意欲低下や焦燥感,怒りなど。未来に対する不安感など。さらに言えば,ご本人だけでなく,
 ご家族への影響もあります。心理療法的なケアが求められる場合もあります。


>すごいl興味があります。私言語治療士になりたかったんですよね-。●●(学群)だけど。

#ぜひなってください。大学を出てから,3年ほど(大卒以上の方しか入れない)
 専門学校に通っていただけますと。最近は,いろいろな地域に学校が出来てきています。


>統合失調症患者の言語障害(新語開発とか独自の定義づけとか)は,今回の失語症などとは
 全く別のものなのですか?それらは統合失調症特有のものなのですか?言語に関わる脳部位
 に異常はみられないのですか?

#こちらが勉強しないと答えられないような,専門的な質問ですね。
 まずこれらは,「言語」の問題としてではなく,「思考」の問題としてとらえることが一般的です。
 -あるいは「意味記憶ネットワーク」の問題とも考えられるでしょうか。
 たしかに,現象的に,失語症者の語りと,統合失調症者の語りが似ている,という側面もある
 (そういう論文もあります)が,
 失語症などに生じる言語障害は,言語を「道具として」用いることの困難であり,
 統合失調症のそれらの症状は,「道具として言語を用いること」には問題がない(だろう)。

 これは,「失語症の人は統合失調症ではない」という観点から考えても,別物であることは理解できるでしょう。

 新語開発neologism現象自体は,たしかに失語症者の一部でもみられます。
 正しく言いたいけど,正しく言えない→結果的にそれ(新語)になる,
 正しくそれ(新語)を言っている,は,やはり違うものだと思うのが,妥当だと思います。

 言語に関わる脳部位との関を連については,詳しくないのですが,ブローカ野やウェルニッケ野と関連づける
 よりは,たとえば「思考」を司っているとされる,「前頭前野」などとの関連が調べられたりしています。

|

« 性格心理学II-2 | Accueil | PC-98noteNS/R »

04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事

Commentaires

Poster un commentaire



(Ne sera pas visible avec le commentaire.)


Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.



« 性格心理学II-2 | Accueil | PC-98noteNS/R »