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08 nov. 2004

総合科目心を考える2-9

実行機能(続)
 概念・セットの転換障害,
 ステレオタイプ抑制障害,
 複数情報の組織化障害,
 流暢性の障害

 先週ご協力いただいた質問紙の結果のフィードバック。
 研究1:DEX(遂行機能障害の質問表)の検討
 研究2:自己制御を「能力」と「動機・意欲」で説明するとどうなるか?
 (科研費ネタであり,月末学会ネタでもある→研究1)

感情と(意欲)社会性(シラバスの2回分をまとめて)
 さわりだけ。
 「認知」機能のあとに来たもの,
 日進月歩/今日伝えたことが明日変わるかもしれない。非教科書的知識を
 ...次回最終講義にて!!

講義中,地震で揺れたらしいが,まったく気づかなかった。
いつも教壇の向かって左端でしゃべっていて,時間中数回はバランスを崩していますんで(笑) 

200枚の出席カード,11枚のコメントを頂戴しました。
そろそろ期末なので,出席者が目に見えて増えてきました。

> 日常的習慣的行動が抑制できないと,どのような支障が生じてくるのでしょうか?
   痴呆症などとも関係してくるのでしょうか?

# 「臨機応変」にできない
   雨が降ろうが雪が降ろうが暑かろうが寒かろうが体調が悪かろうが何があろうが,
   定められた時間に厳格に,定められた行動を繰り返す「時刻表的行動」という症状が
   あります。前頭葉損傷や,その領域に変性の多い「前頭側頭型痴呆」でみられます。


> 精神病の実行機能障害も前頭葉の機能不全が原因なのか?
   うつ病と統合失調症は全然違う病気なのに,似たような症状が見られるのか?

# そういう視点もあります(器質的要因による精神病)。でも一説にすぎません。
   こういった話は,Biological Psychiatry(生物学的精神医学)の一領域である
   Neuropsychiatry(神経精神医学)と呼ばれる研究分野の中で扱われているテーマです。
   また,一般論的に,原因が「ひとつ」であるとは限らない。
   「実行機能障害」という観点からすれば,似たような症状を呈することがあるといえます。
   しかし,これは実行機能に限った話ですから,他の症状・症候は,当然異なります。
  


# 前回の質問紙の結果を今回フィードバックした点が良かったようです
   たしかに,あまりフィードバックされないのはいかがかと思います。
   講義中にご案内したように,少なくともこの授業の受講生にご協力いただいた研究は,
   なんらかの形で(授業が終わってしまえばWeb上で)フィードバックしたい/させたいと
   思います。時間がかかるので,忘れてしまった頃だと思いますが...

> 先生の研究の話を聞いていて,私はセルフ・コントロールの能力がかけているなと思いました。
> 自分は能力を高めようと努力をしていたが,このごろはそのような意欲がわかなくなってきた。
   つまり無気力に近くなってきた。自己制御がうまく働くようになりたい。

# セルフコントロールは「能力」「動機・意欲」にどのように関係するか調べた結果を報告いたしましたが,
   「思うところあり」の方がいらしたようです。
   単に誰にでも等しく,セルフ・コントロール「しよう」とか「せよ」とか行動指令を出すのではなく,
   その背後にある要因を解きほぐして仕組みを理解したうえで,
   個々人にあった効果的なセルフ・コントロールのあり方を探る,
   というストーリーは,けっこう面白いと思います(思うから,研究しているわけです)。

 
> 因子I~因子IVにあてはまらない人では,どのような人になるのでしょうか?

# それは誤解があります。個々の人がどれかに「類型」化されるわけではありません。
   4本の「ものさし」が用意されていて,すべての人がそのものさし上に位置づけられる,という意味です。
   因子は,質問紙上の回答傾向が似通った項目を「グループ化」しているだけで,
   人をグループ化するものではありません,この場合。


> これからこの分野(=感情や社会性の認知神経科学)が発達したら人間にとっての
  「心」の価値は少し下がってしまうのではないだろうか。
> 心≒感情も結局は脳が司っているのでしょうか?

# たぶん,多くの人が思うことがらでしょうね,上のふたつは。反論を試みよう。

   まず,感情も社会性も脳が司っているのは当然です
   ・脳のない人もしくはロボットなどに感情なり,社会的相互作用があると仮定できるか?
    哲学風逆質問
   それから,価値は下がらない。というか,価値とは関係ない。
   ・法律の仕組みを知っても法律の価値は下がらない
   ・「心」を他の事象とは異なる特別な何か,だと仮定してみても,仕組みを知ったからといって
    同じように,その「価値」(=大事なものというニュアンスか?)は低下しない/関係ない
    つまり,知ること=価値破壊,ではない
   ・ついでに,形式的に似ているような気がするが,
    脳の仕組みを理解したからといって,能力が上がるわけではない
    (上がっていたら私はこんなにいろいろ悩んだりしていない)
   ・たぶん,「なぜ価値が下がるように感じられるのか」という問いの立て方が適切なのだろうけど,
    ...簡単に披露できるようなお手頃な答えはありません
   
 


  


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04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事

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