臨床心理学演習I(学類)2-6
自分自身を,あたかも他の人の視点から見ているような視点で捉える
(観察者視点observer perspective)ことと,社会不安・社会恐怖との関連がすでに指摘されている。
しかし明示的に「観察者視点を取ること」を教示された場合,もともと社会不安傾向の高い人・低い人の
不安の程度やパフォーマンスがどのように影響を受けるかは検討されていない。
そこで実験的に,観察者視点条件と,非観察者視点である現場視点(field perspective)条件を設定し,
社会不安高群と低群の比較を行った。
...という論文。
担当は泉水さんで,
Behav Res Ther 41(2003): 1009-1028.
Spurr JM & Stopa L.
The observer perspective: effects on social anxiety and performance.でした。
結論としては,
どちらの群も,観察者視点を取ると
ネガティブ思考が増大し,安全行動が見られ,パフォーマンスの自己評価が低くなった。
つまり「こんな風に見られているんだろうな」とイメージする/考えることが,不安を増すことになる。
それよりは,聴衆をしっかり,穴のあくほど見ている方が不安を感じない,ということ。
もともと「あがらない」と思っている人でも,観察者視点を取らせると「不安になる」というところが,
面白い・不思議。
詳細はそのうち。
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