臨床心理学演習I(学類)3-5
車を運転するときに怒りっぽい人は,事故をおこしやすいという調査がある。
それを詳細に検討してみると...
担当は新倉さんで,
Behavior Research and Therapy 41: 701-718.
Deffenbacher JL et al.
Anger, aggression, and risky behavior: a comparison of high and low anger drivers.
でした。
「怒りっぽい」とはどういうことか。
高頻度?高強度?攻撃性増加?危険行為多?事故などのネガティブな結果多?
といったことがらを,自己報告質問紙,運転日記,シミュレータを使って多角的に検討した。
多くの結果が記載されていて(多変量分散分析は,ここで何度も出てきました)整理するのは難しいですが,
(1) 高怒り者は,怒る頻度が低怒り者の2.4倍 (頻度高し)
(2) 高怒り者の怒り強度は,特に渋滞などの障害があるときに高まる
(3) 高怒り者は,言語的・身体的攻撃性が2.4~3.6倍多い
(4) 高怒り者の危険行為は,1.9倍
といったことです。
* 自戒自戒...身体的攻撃性はないけど,
怒り感情と「言語的攻撃性」はあるよな。
* 運転中の怒りをマネージメントする方策が求められている。
たしかに,これは個人的な問題だけでなく,対人・対物的事故という,
個人の範囲を超える重大な結果を招きうる「問題」なので,方策を立てることは重要であろう。
今までにはなかった,新たな視点でした。
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