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13 janv. 2005

「認知症」検索者へ

どうも最近検索されている方が多いようなんで。

名称変更したばかりだから,「認知症」で検索しても,
「痴呆から認知症へ」のようなニュース的記事に
主としてひっかかると思います。

そして当然のことながら,呼称が変わったからと言って
病態が変わるわけではまったくありません。

したがって,
認知症の病態とか,定義とか,心理とか知りたいのであれば,
その用語を使わずに,「痴呆」で検索されるべきです。
多くのサイトは,そんなにこまめに更新してないでしょうから。

関心を持って検索してみるのは大変よいことだと思いますけど,
手法を考えましょう。

今にして思えば,

この名称の利点は,
痴呆の陽性症状(「徘徊」などの行動異常や性格変化)的なところへ向きがちな意識を,
きちんと内的な(まさに認知障害的な)ところにひきつける効果がたしかにありそうだ,
ということです。


DSM的定義では,dementiaとは,
記憶障害+(失語,失認,失行,実行機能障害のひとつ以上)みられること。
上に書いたような事柄はすべて,いわゆる「認知障害」にくくられます。

大事なことは,「痴呆」という状態でなくても,脳血管障害や頭部外傷などにより,
そういった症状が現れうる,ということです。
ですので,「認知障害」という名称は(他でも使われるので)不適切,ということです。


ついでに言わせてもらえば,心理学関係の団体による「意見書」にある
「認知失調症」なる呼び名は,「認知症」よりもよろしくないと考えます。
(あの意見書は,誰が考えたのか?学会の総意のような形式で出すことにも
手続き的に問題はないのだろうか)。

変調が生じていることは確かだが,
dementiaとは,基本的には不可逆的に進行増悪してくる状態をやはり指すはずであり,
単に失調というと,「調子がもとどおりになる(かも)」という過剰な期待を生じやすいだろうと
考えるからです。

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