サイコパシー傾向の高低による表情認知課題中の脳活動パターンの相違
昨年の論文です。
Functional differences among those high and low on a trait measure of psychopathy.
Biological Psychiatry 56: 516-521, 2004.
Gordon HL et al.
nonclinicalな/nonpsychiatricな大学生20名を被験者とした実験。
# サイコパシーとは...(知らなかったら)↓↓↓自力で検索すべし。
# 「サイコパス」とか「反社会性人格障害」などをキーワードにどうぞ。
# そういう傾向を「サイコパシー」と呼ぶ(ときがある)。
サイコパシー傾向は,Psychopathy Personality Inventory(Lilienfeld & Andrews)を用いて測定し,
emotional-interpersonal因子得点とsocial diviance因子得点を算出した。
実験課題は,怒り・恐怖・悲しみ・うれしさの表情をした顔写真を提示し,
表情認知条件(表情にマッチしたボタンを押す)と人物同定条件(人物にマッチしたボタンを押す)。
fMRI。
emotional-interpersonal得点の中央値で高群・低群に分けたところ,
behavioralには(反応時間・正答率)差がないのに,
脳活動には差が認められ,
低群>高群:右下前頭回(1),右扁桃体(1),内側前頭皮質(1)
高群>低群:右一次視覚皮質(2),右背外側前頭皮質 が明らかとなった。
同じ「表情認知課題」をしていても,反応時間や正答率に群間で違いはなくても,
高サイコパシー傾向者は,より知覚的(2)に
低サイコパシー傾向者は,より情動解釈や情動的反応に関連のある部位(1)が活動している。
# つまり,同じことをしていても,脳の活動パターン,もう少し敷衍して拡大解釈的に考えれば,
「解法」が異なる(または,異ならざるをえない状況になっている),ということを示している。
# 群の作り方が,なんというかよく見かける,臨床領域系の卒論っぽいような。
この記事のタイトルもそれ風にしてみました。
[y][x2][z1]
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