臨床心理学演習Ⅰ(学類)2-7
『うまくやっているように見えるんだけど,実はまだ自信がないし不安だし避けたいし』
勝見さん担当。
かなり苦労したようです
(聞くところによると,この論文のために院生に教えてもらう「研究会」をしたんだとか...)
難しいところはふたつあって,
ひとつは実験手続きがややこしいこと。
もうひとつは使われている統計分析。
MANOVAとかMANCOVAとかロジスティック回帰分析とか...
そういうのを少なくとも概念レベルでわかっていないとちんぷんかんぷん。
お疲れでした。
社会不安には,ビデオフィードバックが効くという話と効かないという話がある。
自己-他者評価が解離する(自己評価低)を改善するからだということになっているが,
それを詳しく検討すること。
さらに,ビデオを見る前の"心構えの"条件として,
「認知的準備」条件=
自分のスピーチのビデオを想像し,それを鮮明に視覚化して
他人のスピーチを見ているかのように見る。
そして,想像したスピーチを評価する。
という条件と,
「ニュートラル準備」条件を設定して比較し,
認知的準備の効果を検証すること。
以上が目的でした。
方法は...もと論文を読んでフローチャート化すべし。
スピーチは3回するようになってます。
結果,
多変量分散分析では,自己効力感・不安・自己知覚に条件の効果は認められなかった。
多変量共分散分析にすると,条件の効果が有意となり,その原因は自己知覚の違いが
大きく影響していることが明らかとなった(不安と自己効力のunivariateな分析はns)。
その,認知的準備条件の効果は,2週間後のフォローアップ時にも持続していた。
3回目のスピーチは10分,でもやめたくなったらやめてもいいよ,という設定で
持続時間を測定(もし途中でやめたら,それは「回避」ということになる)し,
条件間で比較したが,これもns。
そんなわけで結局,
ビデオフィードバック時の「認知的準備」は,自己知覚には大きな影響を与える
(つまり,過度にネガティブな評価を修正する効果がある)が,
そのことが不安を減少させるかというとそれは弱く,
また自己効力感や,回避するかどうかには影響しなかった。
そんなわけで,タイトルはそのようになっているわけですね。
しゃれたタイトル。
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