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21 oct. 2005

はじめに結論ありきだった?

情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会・報告書(文部科学省)

ちょっと前にネットや新聞で話題になっていたやつですが。


pdfの27ページ以降の「検討会の検討内容等」の流れを見ると,
はじめに結論ありきだった感がしないでもない。

つまり,何か裏の意図があるのだろう。

24ページに,
「脳科学の成果が与える影響が大きいため,慎重に情報発信する工夫が必要」
とありますが,これか!!
だってな,第2回から第6回まで,検討会において発表されている人たちの中には,
人口に膾炙した「脳科学者」であるX氏やY氏やZ氏の名が...

...社会全般に対する提言である,だけではないんだろう。

ところでその報告書によって「分かっている」とされた6項目,すなわち
  1.愛着形成
  2.基本的生活リズム・食育
  3.重要な他者=保護者の役割
  4.5歳までの乳幼児教育
  5.成人脳の可塑性→生涯学習
  6.前頭連合野,大脳辺縁系
 のうち,

脳科学的根拠によるものは報告書にある限りでは5.と6.だけ
であり,

さらに,
5.については(報告書14ページ),

「空間的記憶やエピソード記憶に関与する部分」=海馬を指していると思われ,
右○を鍛えたら...とか前●葉を鍛えたら...は書かれていないよ

ということに注目すべき,
だと思います。

注目させるべきだと思います,マスコミは。
ゲーム◆のことばかり報じないで。

愛着とか食育とか5歳までとか(記憶以外の)成人脳の可塑性についても
な~んか脳科学的にわかってきたかのように考えてしまうのは,
正確ではありません。
(なんとなく新聞記事などを読むと,そんな風に感じてしまいそうですが)

提言に従って,一部伏せ字などにする工夫を施して,
慎重に情報発信してみました/してみたつもり(笑)。


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