臨床心理学演習Ⅰ(学類)2-9
Effects of aerobic exercise on anxiety sensitivity
『不安感受性に対するエアロビクスの効果』
本多さん担当。
今学期=実験系論文のトリを飾るにふさわしい興味深い論文でした。
とはいえ,日本語でカタカナで書く「エアロビ」というよりは,
有酸素運動という意味ですが。そのおつもりで。
*
エアロビクスは不安や気分の障害に対する効果的で費用効率の高い,
治療の選択肢のひとつである。
しかしこれまで,運動が不安感受性(AS)に与える影響は検討されていない。
★不安感受性:ある感覚が身体的・心理的・社会的に有害な影響を及ぼすという,
不安,不安に関連する感覚への恐れ。
そこで,エアロビクスが不安感受性に与える影響を検討。
不安感受性の高い学生54名の大学生を
高運動群 (220-年齢)×0.9 というペースの走り
低運動群 (220-年齢)×0.6 というウォーキング
をしてもらい,ASI(不安感受性尺度),およびBSQ(身体感覚質問紙)
STAI(状態特性不安)などの変化を計測。
結果
ASIの変化 高運動群も低運動群も,運動実施後および1週間後のフォローアップ時も
低下が持続
BSQの変化 高運動群のみ,不安に関連した身体的な感覚への恐れが減少した
ちなみにSTAIは有意な変化を示さなかった。
いえること
↓
エアロビクスは(ASIの低下を介して)パニック発作を予防するような働きがあるかもしれない
(意訳)
*
2学期最後なので,今学期発表はしなかった人はレポート提出でした。
それらはおいおいアップする...かも...。
詳細はココで。
『失敗の予測は強迫的行動を強めるか:非臨床群における責任感の操作』
『特性不安,特性抑うつ,心配,記憶』
『季節性感情障害徴候における認知的・生理的要因の関連』
『高健康不安傾向者における疾病脅威への注意バイアス』
『高自己フォーカス-社会的脅威状況における,
感情・好奇心・社会的自己効力感に対する社会的不安の効果』
*
3学期は質問紙調査系です。
今学期みたいに,毎度すんなりは終わらないだろうと予想します。
「 02. MIND 【心】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 120514[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-3(2012.05.14)
- 120506[mz1] Behav. Res. Ther. 50-06(2012.05.06)
- 120506[mz3] そういうWebサイトのプロフィール画像で赤い服の女性は…(2012.05.06)
- 120425[mz1] J.Behav.Ther.Exp.Psychiatry 43-3(2012.04.25)
「 04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事
- 心理学II(パーソナリティ)12-0(2012.07.25)
- フレセミ12_10(2012.06.21)
- フレセミ12_09(2012.06.14)
- フレセミ12_08(2012.06.07)
- 12特論XII/特講III-7(2012.06.01)
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires
BSQの日本語版はどこからご入手されたか教えていただけませんでしょうか。
Rédigé par: 武本Timothy | 15 mai 2009 17:38
この演習は英語論文を読んで発表するというスタイルの授業ですから,
日本語版をどこかから入手したりしたわけではありません。
CiNiiで検索すると,いくつかの日本語論文で使用されているようです。
そちらを当たってみてください。↓
http://ci.nii.ac.jp/search?count=20&sortorder=1&q=BSQ&range=0&start=1&lang=ja
Rédigé par: m0ch1 | 15 mai 2009 18:08