総合科目心の実験室2-「前頭葉」と「前頭前野」
前頭前野の機能として
・記憶機能
ワーキングメモリ
新近性判断
・実行(遂行)機能
情報の更新
ステレオタイプ抑制
複数情報の組織化
流暢性
などを解説しました。
200名弱程度の受講生だったでしょうか,
「後出し負けジャンケン」3回戦でやっぱりやってしまいましたが,
それでも3回しっかり負け続けられたのは10名程度だったようです。
*
「脳を鍛える」系の話も少ししました。
それらの本に掲載されているfMRI画像で,よく見ると。
もっとも背外側前頭前野に活動がみられているのはどうも,
音読や計算をしているときではなく,
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「友達をだまそうとする」とき
(出典は川島隆太(2003)「脳を育て、夢をかなえる」42ページ,くもん出版)
なんじゃないか,と言ってみました。
自分の前頭前野を最大限に「鍛える」ために友達をだまし続けるか,
友達を大事にするほうを取るか,
前頭前野を使って,自分で思考してみてください,と思考を促す発言もしてみました。
*
「脳を鍛えない」ことの利点を考えることも,「脳を鍛える」ことになるんでしょ?!
「何もしない」ことはたしかに「脳を鍛えない」ことになります。
とすると,
「脳を鍛える」ことは「何かを(なんでも)する」ことではありませんか。
対偶。
そうであれば,
特別なるトレーニングは必要かどうか...
そして以前も書いたような気もしますが,
「鍛える」の意味は
「低下させない」
または
「低下した能力を回復する」(=認知的リハビリテーションにおける直接的訓練)であって,
これまでなかったような「なにがしかの能力をアップさせる」ことではありません,きっと。
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Commentaires
いちおう、うちの病院でも音読・計算は導入していますが、個人的には、音読・計算でなくても良いと思っています。
難しすぎる課題では思考が止まりそうだし、
もちろん、簡単すぎると負荷が軽すぎるということで、ちょうどベストの課題が実験した中では音読・計算ということなのかなと・・・
あ、そういや最近は川島センセ、「お料理がいい」って言ってたような・・・(まあ、遂行機能障害があると、料理はかなり困難になるわけですから、逆に考えれば当然のことですがね。←ようは遂行機能を改善させる直接訓練みたいなもの?)
個人的には音読・計算訓練の過程で、対人交流が促進されることのほうが、意味がありそうに思ってます。
たしか、そんな論文もあったような・・・
(立命館大学の紀要だったでしょうか?)
>これまでなかったような「なにがしかの能力をアップさせる」ことではありません,きっと。
同意です。活性化はさせるけど、ないものは作れませんよね。子どもにさせるのならいざ知らず・・・。
>自分の前頭前野を最大限に「鍛える」ため>に友達をだまし続けるか~
これいただきます(笑)
Rédigé par: しゅう | 14 nov. 2005 22:47
しゅうさん
コメントありがとうございます。
> 難しすぎる課題では思考が止まりそうだし、
> もちろん、簡単すぎると負荷が軽すぎるとい
> うことで、ちょうどベストの課題が実験した中
> では音読・計算ということなのかなと・・・
ああ,そういう視点はありませんでした。たしかに。
> 川島センセ、「お料理がいい」って言ってたような
いや,お話だけじゃなく「ドリル」も既に売ってました~
私は料理はしないのですが,それを見て思わず「料理しようか」と。
(ドリルはいらないけど)...
光トポでガンガン赤くなってました。
> 音読・計算訓練の過程で、対人交流が促進
> されることのほうが、意味がありそうに思っ
> てます。
そう思うところはありますね。
だから(例)ニンテンドーDSでひとりで...というのでは十分ではないのかもしれません。
そういう論文があるとは知りませんでした。
ご教示ありがとうございます。
Rédigé par: m0ch1 | 15 nov. 2005 20:27