研究上の問いのタイプ
研究計画書ネタはけっこう読まれているようなので,
もうひとつヒントを。
というか,私へのメモでもあるのですが。
クリティカルシンキング《研究論文篇》
の第2章「研究上の問いと仮説」に,
問いのタイプの違いによって,大部分の研究デザインに必要な,形式的な諸特性が決まる。
(p.18)
とあります。
問いのタイプを自覚することが,まず求められるわけです。
(そして,研究デザインが決まると,必要な分析方法・統計的処理があらかじめ決まる。
必要な分析方法・統計的処理が決まると,実際にデータに手をつけられる。
...ということでもあります;それは(まだ?)書いていないけれど)
こういうことって,
「方法論」とか「研究法」という名の講義でトップダウンに教えてもらうか,
場数を踏んで(=いろんな論文読んで)ボトムアップで教えてもらうか,
どっちかの経験がないと,感覚として身に付かないと思われます。
(おいらは後者かな;教わった記憶がない)
存在の問い
「xは存在するか」
(xとは,物体,属性,現象,行動,能力,条件,事象の状態など)
記述と分類の問い
成分の問い
「xを構成する成分は何か?」
関係の問い
「xとyの間に連関や関連性はあるのか?」
記述-比較の問い
「x群とy群とは異なるか?」
因果の問い
「xはyの変化の原因となったり,それをもたらしたり,あるいは逆に妨害したりするか?」
因果-比較の問い
「xのほうがzよりもyの変化を引き起こすか?」
因果-比較の交互作用の問い
「他の諸条件ではなく,ある条件の下において,xのほうがzよりもyの変化を引き起こすか?」
*
こうして一覧になっていると,けっこう意識化しやすいと思ったので。
それぞれの時に,どう分析・統計処理するのかわかるようなら,
適切に研究計画を立てられるでしょう。
・それが書いていない・あいまいだったら,
研究内容・研究計画が漠然としているということになるでしょうし,
・問いの中身と方法にズレがあるようなら,
それやってもダメなんじゃん?,
と心の中で,または面と向かって,ツッコミたい衝動に駆られる,というわけです。
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