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21 janv. 2006

「異性のスキ」に関する心理学的定義と,その対人社会心理学的考察

※考察はおおまじめにしてみましたが,
 あくまでもパロディです。

※「スキ」は好きではなく「隙」ですが,
 「誰かの隙がその人を好きになるきっかけになる」ことは,
 あると思います。

  - - -

「異性のスキ」検討委員会
委員長 tera 先生,および委員の先生方

宿題(末尾)となってありました,
『「異性のスキ」に関する心理学的定義と,その対人社会心理学的考察』の審査を申請します。

教育,他の研究,校務にかまけ,提出自体が遅れましたこと,また
時間稼ぎによって遅延事態を生じましたことをお許しください。

 *

検討委員会の先生方におかれましては,以下の考察をお読みくださり,
 □ 採択
 □ 修正採択
 □ 修正再審査
 □ 不採択
のいずれかでご審査いただき,査読コメントをおよせくだされば幸いです。

○ 「異性のスキ」の定義
  ( )つき数字は,以下に述べる考察,注の場所を指す。

人物Xによってなされる行動Bによって(1),
人物Yの中に生じる,人物Xに対する印象形成がなされる事態において(2),

YはXに対して既になんらかの「Xの印象」(先行印象preI)を有しているものの(3),
行動Bが,preIによって予測される可能な行動集合からは逸脱していると感じられる場面で
生じる認知的不協和を,
認知的に斉合な,preIとは異なる印象(postI)を形成することによって
認知的斉合性・一貫性を図る(4)(5),
という過程が存在する場合,
かつ
その変容プロセスあるいはpostI自体が,
YのXに対する好意度Aを上昇する方向に働くとき(6)(7),

「YのXに対する印象・認知的評価の変容プロセスを生じさせる原因となった」行動Bを
スキと定義する。

○対人社会心理学的考察および問題点の提示

(1)あくまでも,他者によって観察される行動が存在しなければならない。

(2)「親密化過程」のいずれかの段階においてなされると思われるが,
  このうち初期(出会い)~中期(進展)の時期であろう。
  また,この事態は同性に対しても起こりうるが,
  本稿は人物Yにとって人物Xが異性である場合のみを想定する。

(3)先行印象preIが安定的に形成されていることが前提であるために,
  まったく知らない人物の行動はスキと見なされない

(4)(3)とは逆に,よく知っている人物の行動はスキと見なされない場合が高いと思われる。
  なぜなら,Xの行動を経験する機会がすでに十分にあると,
  Xのその行動を十分予測可能な精緻な印象がすでに形成されているであろうし,
  および/または
  可能な行動集合が拡大している(行動の蓋然性が高まる)からである。

  preIによって,行動Bが「いかにもしそうな行動」とYに思われるような場合は,
  認知的不協和自体が生じないため,スキとはみなされない。
  なんらかのギャップ感は,スキを定義する上で不可欠な要素であろう。

(5)《行動B - Xに対して抱くYの印象preI - 評価者Y》 というトライアドにおいて,
  認知的不協和を修正する方法は他に,
   ・行動Bの認知を再構成する
    (行動Bの原因を,状況(つらい出来事の後など)に帰属する,あるいは
     行動Bの原因を,Xの意図的な行動である,と認知する,など)
   ・評価者Y自体の自己評価を再構成する
    (「あれは吊り橋の上にいたから,自分は誤帰属したんだ」と納得する,など)
  があり得るが,いずれもそのように斉合が図られるときには,
  行動Bはスキではないとされる。

(6)好意度Aを上昇させるような主要な要因は,
  行動Bによって引き起こされた,preI → postIの変容によって,
   YのXに対する「親しみやすさ」,「親密さ」を上昇させること
   あるいは
   YとXの「態度や性格の類似性」を喚起させることであるように思われる。
   このように考えると,さらにみっつの前提条件を検討する必要が示唆される。
   a. 行動Bの一般的な評価および扱われ方
     Xの行動はYの行動との間に類似性がある,
     もしくは
     行動Bが一般的に「ふつう」もしくは「ややふつう以下」と評価される行動であり,
     自己呈示場面における印象管理として,
     熟知人物との対人場面以外では,そのような行動Bをしないように,
     通常自己制御されているような,そういう行動であること
     のいずれかに該当することが求められよう。     
   b. 先行印象preIの全般的な感情価の影響
     preIは平均的,あるいはややポジティブなものである必要がある可能性がある。
     ネガティブなpreIである場合,好意度Aの上昇が引き起こされにくいかもしれない。
   c. 先行印象preIの種別による,「スキの感じられやすさ」差
     および印象-スキ行動パターンの存在可能性
     松井ら(1983)によると,「魅力を感じる異性像」のパターンとして,
     男性にとって魅力ある女性像とは以下の6つであるとされている。
       c1. 洗練された,スマートな,神秘的な,静かな,知的な女性
       c2. セクシーな,情熱的な,積極的な,社交的な女性
       c3. 初々しい,清潔な,素直な,思いやりのある,やさしい女性
       c4. 生き生きとした,健康的な,明るい女性
       c5. 誠実な,まじめな,自制心の強い女性
       c6. あっさりした,おおらかな,聞き上手な女性
     これらの中には,
     経験的に「スキ」という概念規定に容易にむすびつきやすい異性像(c1,c3,c5)と,
     そうでないもの(それ以外)があり,
     さらに,むすびつきやすいと言っても,
     先行印象preIが
     c1およびc5である場合のスキ行動は,凡ミス系のありきたり行動,
     c3である場合のスキ行動は,意図的ではないセクシーなしぐさ,
     ...というように,
     先行印象preIの種別に応じて
     スキの感じられやすさ度および印象-スキ行動パターンが存在するように思われる。

(7)好意度を上昇させる,というはたらきによって,「同性のスキ」という概念が成り立ちにくい
  ことを説明できるかもしれない。
  すなわち,同性の凡ミスorありきたり行動やセクシーなしぐさは,
  行動自体にはポジティブな意味合いはなく,そのためそれらの行動がそれ自体として
  好意度を上昇させることは期待できず,むしろ好ましさを減じる方向に機能すると思われる。

以上

 *

「異性のスキ」を感じることって,
ものすごく複雑(な社会的認知プロセスを経ている)らしい気がしてきました。

     

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Commentaires

お疲れ様です、受稿いたしました。
2週後の編集委員会によって査読者3名(男性1名、女性2名)を決定いたします。査読は一ヶ月で終了するよう依頼します。しかし、審査を慎重に期することから時期の遅延があることはご了承ください。判定決定後、原稿を返送いたします。よって1ヶ月半ほどのお時間をいただくこととなります。(ちょうど送別会のあたりになるかと・・・)

と、すっかりのってみました。
それこそ一ヶ月半ほどみんなに読んでもらって査読コメントをもらいたいほどの内容です。
今回のこの議論で、私の男女観、さらには
性同一性にまで何らかの影響を及ぼすかもしれません。
気合入れたご回答ありがとうございます!
こちらも気合入れてみなで読ませていただきます!


Rédigé par: tera | le 26 janv. 2006 à 00:41

そういえば,
女性にとって魅力ある男性像(松井ら,1983)は以下の5つのようになってるんだけど。

d1. 静かな,クールな,自制心の強い,知的な
d2. 清潔な,洗練された,スマートな
d3. 情熱的な,たくましい,積極的な,仕事スポーツにうちこむ,エネルギッシュな
d4. 社交的な,明るい,健康的な,生き生きした,素直な,あっさりした
d5. まじめな,寛大な,誠実な,やさしい

どれを目指せばいいんだか。

とりあえず「健康的でなく」「素直でなく」「まじめでなく」「誠実とはいえない」ので,
自分はd4・d5系ではないことは自明なんですが。
かといってd1~d3を目指せるかどうかも心許ない。
それ以前に,スキだらけではない,
という前提をクリアできるのかどうか
(=preIが平均以上かどうか),
定かではありません。

ま,それは余談で。

d1~d3には「男性のスキ」につながる要素があるんじゃないかと。
ドデスカ?

Rédigé par: mochi | le 26 janv. 2006 à 17:28

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