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09 mai 2006

遂行機能とワーキングメモリと学業成績

いつのまにか,ABの区分がなくなったのね,この雑誌。
Bは薄めだったもんなぁ...
ちょっとそそられたので以下の論文をご紹介。

Executive functions and achievements in school:
Shifting, updating, inhibition, and working memory

11歳~12歳の少年少女51人を対象に,
遂行機能課題6種
(一般心理学業界や精神医学業界では実行機能ともいう;神経心理学や高次脳機能障害学業界では遂行機能という)
working memory課題4種(ワーキングメモリだったり作業記憶だったり作働記憶だったり)
を施行し,学業成績(英語=UKの"国語",算数,理科)との関係を探った。

遂行機能課題の成績を,主成分分析varimax回転によって
Updating(入ってくる情報を随時「更新」する能力)と
Inhibition(優勢な反応を「抑制」する能力)
の2種類ととらえる。
(このあたりは,Miyake et al. 2000の凄すぎる論文との対比;
今回の研究ではMiyakeらとは異なり"Shifting"が出現せず---年齢的なもの?Shifting課題そのものの何か問題?)
Updatingはworking memory(WM)-言語性のと,視空間性のと両方を含む。

遂行機能と学業成績(他方をpartialled out),
Updating=WMは英語成績との相関 r=.62,算数との相関 r=.45 で,有意な正の相関
(理科とは r=.19でn.s.),
Inhibitionは英語と r=.31,算数と r=.36,理科と r=.34で,いずれも有意な正の相関。

WMを言語性と視空間性に分けて(偏相関で)みると,
言語性WMは  英語と r=.33
視空間性WMは 英語と r=.42,算数と r=.50,理科と r=.35 (いずれも有意な正の相関)であった。

 *

遂行機能発達→学業成績向上?,学業成績向上→遂行機能発達?
因果の方向性はわからないが

ともかくも関連はあるそうで。

 *

遂行機能:
更新も抑制も学業(成績)に関係している。
しりとりで,英語と算数を(算数ってのは違和感あるな),
後出し負けジャンケンで,英語と算数と理科を...xxx...(それ以上言うとあのテの商売みたいなので自粛)

→抑制の方は要するに,
  「遊びたいのをこらえて椅子に座って先生の話を聞いて勉強する」ということかな?

ワーキングメモリ:
結果だけをみると,視空間性WM能力の学業に対する"汎用性"は思ったより高いのかも。
「まちがいさがし」や「めいろ」などで,英語と算数と理科を...xxx...以下自粛

→なんでしょうねこっちは。
  「外空間の事象への選択的注意というか集中力」みたいな感じでしょうか?
  「外空間の事象を表象として脳に置き,それを利用するイメージ力」みたいなものでしょうか?

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