臨床心理学演習Ⅰ(学類)06-2-1
2学期・3学期は,受講生が論文を読んできてレジュメを作り,
発表するというスタイル。
2学期は「実験」系です。
*
若林さん担当。のはずでしたが。
急遽私が口頭説明することになりました。
*
抑うつ脆弱性としてのパーソナリティとして,
needs for achievementの強いself-criticism(自己批判性),
interpersonal strivingsの強いdependency(依存性)がある(Blatt et al., 1976)。
※Beckのautonomy(自律性)/sociotropy(社会志向性)のようなもの。
抑うつ感情としては,
introjective(=feeling of inferiority)な感情と,
anaclitic(=feeling of abandonment)な感情がある。
そこでこの研究では,
laboratory stress-induction paradigmを用いて
(課題-成功/失敗フィードバック条件を設定し),
パーソナリティ-出来事の(内容)一致性
~ 自己批判性パーソナリティ×失敗→introjective抑うつ感情の上昇
(依存性パーソナリティにはそれがみられない)(☆)
症状特異性
~ 自己批判性パーソナリティ×失敗→introjective抑うつ感情の上昇
(anaclitic抑うつ感情ではみられない)(★)
ことを仮説として検討した。
*
階層的重回帰分析によって,
introjective抑うつ感情を従属変数としたとき,仮説通り,
自己批判性×課題失敗フィードバックの交互作用項が有意であり,
依存性×失敗交互作用項は有意ではなかった(☆)
また,
anaclitic抑うつ感情を従属変数としたとき,
交互作用項の投入によるR^2の増分は有意ではなかった(★)
これらの結果は,課題フィードバック直後の抑うつ感情について
仮説をほぼ支持するものであったが,
・follow-upの,24時間後の感情に対しては上記の効果が認められず,
・(ありそうな話なのに)
自己批判性×成功→introjective抑うつ感情の低下はみられなかった。
「 02. MIND 【心】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 120514[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-3(2012.05.14)
- 120506[mz1] Behav. Res. Ther. 50-06(2012.05.06)
- 120506[mz3] そういうWebサイトのプロフィール画像で赤い服の女性は…(2012.05.06)
- 120425[mz1] J.Behav.Ther.Exp.Psychiatry 43-3(2012.04.25)
「 04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事
- 心理学II(パーソナリティ)12-0(2012.07.25)
- フレセミ12_10(2012.06.21)
- フレセミ12_09(2012.06.14)
- フレセミ12_08(2012.06.07)
- 12特論XII/特講III-7(2012.06.01)
「 03. ARTICLES 【篇】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires