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07 sept. 2006

臨床心理学演習Ⅰ(学類)06-2-1

Self-Criticism, Failure, and Depressive Affect: A Test of
Personality–Event Congruence and Symptom Specificity

「自己批判」パーソナリティと失敗場面と抑うつ感情

2学期・3学期は,受講生が論文を読んできてレジュメを作り,
発表するというスタイル。

2学期は「実験」系です。

 *

若林さん担当。のはずでしたが。
急遽私が口頭説明することになりました。

 *

抑うつ脆弱性としてのパーソナリティとして,
needs for achievementの強いself-criticism(自己批判性),
interpersonal strivingsの強いdependency(依存性)がある(Blatt et al., 1976)。
 ※Beckのautonomy(自律性)/sociotropy(社会志向性)のようなもの。

抑うつ感情としては,
introjective(=feeling of inferiority)な感情と,
anaclitic(=feeling of abandonment)な感情がある。

そこでこの研究では,
laboratory stress-induction paradigmを用いて
(課題-成功/失敗フィードバック条件を設定し),
パーソナリティ-出来事の(内容)一致性
  ~ 自己批判性パーソナリティ×失敗→introjective抑うつ感情の上昇
     (依存性パーソナリティにはそれがみられない)(☆)
症状特異性
  ~ 自己批判性パーソナリティ×失敗→introjective抑うつ感情の上昇
     (anaclitic抑うつ感情ではみられない)(★)
ことを仮説として検討した。

 *

階層的重回帰分析によって,
introjective抑うつ感情を従属変数としたとき,仮説通り,
自己批判性×課題失敗フィードバックの交互作用項が有意であり,
依存性×失敗交互作用項は有意ではなかった(☆)
また,
anaclitic抑うつ感情を従属変数としたとき,
交互作用項の投入によるR^2の増分は有意ではなかった(★)

これらの結果は,課題フィードバック直後の抑うつ感情について
仮説をほぼ支持するものであったが,
・follow-upの,24時間後の感情に対しては上記の効果が認められず,
・(ありそうな話なのに)
 自己批判性×成功→introjective抑うつ感情の低下はみられなかった。

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