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28 sept. 2006

臨床心理学演習Ⅰ(学類)06-2-4

Intolerance of uncertainty and information processing:
evidence of biased recall and interpretations.

「不確かさの耐えられなさと情報処理:再生と解釈のバイアス」

※ intolerance of uncertainty はなんて訳せばいいか,いつも迷うところ。
  IUとしておく。

松井さん担当。

で,そのIUとは認知バイアスのひとつであり,
 あいまいな状況をストレスフルでイライラさせられるものと考え,
 予期せぬ出来事はネガティブで避けるべきことであり,
 将来が確かでないことは不公正(unfair)だ,
などと過度に考える傾向のこと。
以前より,全般性不安障害(GAD)や心配(worry)との関連が指摘されてきた。

研究1:単語偶発学習課題で,
→高IU群は,あいまい語(vs. 中性語)をより多く再生した。

研究2:IUと心配,不安,抑うつの関係を質問紙で調査。
"The Ambiguous/Unambiguous Situations Diary"というのを使って,
あいまい/非あいまい状況への関心度を調査。
→高IU群は,あいまい状況により関心を示した。
→5つの測度の相関の結果から,心配,不安,抑うつにくらべてIUが
 最も「あいまい状況への関心度」と関連がみられた(階層的重回帰分析でも確認)。

 *

IUが過度の心配(excessive worry)に至るまでのプロセスには,
 (1) 不確実情報の内的表象が活性化される
 (2) あいまい情報を脅威的に解釈する傾向 のコンビネーションが関わっている。

 *

発表者の松井さんは,
なぜ,あいまい状況への関心度の高さ=脅威的に解釈
という論の流れがよくわからなかったとおっしゃってましたが,
それは正しい指摘でした。だって,脅威的か否かは何も問うていないから。

 *

今日は私,
教育的な意味で「あいまいさに耐えられなかった」みたいです,ハイ。
(1)はなかったけれど,(2)傾向はありました。
ゆえに,"過度に心配"はしませんが。

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