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26 oct. 2006

臨床心理学演習Ⅰ(学類)06-2-7

Social Anxiety and the Effects of Engaging in Mental Imagery

「社会不安と,心的イメージの効果」

だいぶおくれて
追記しました(2006.10.30)

阿部さん担当。
social anxietyシリーズの第3回目。

社会不安(SA)傾向が高いと,
あたかも外側から自分を見るかのようなobserber perspective(観察者視点)な
イメージが発生すること←→低い人はfield perspective(現場視点),
彼ら自身のネガティブなイメージ・印象を持ち,それを変更できない
などのことが知られている。

そこで,彼らの持つイメージを実験的に操作することにより,
不安の自己報告や,外顕的行動が変化するかどうかを検討した。

 *

高SA群 vs. 低SA群。
ポジティブイメージ条件 vs. ネガティブイメージ条件(観察者視点を取ることも)。

従属変数は,状態不安や身体感覚(BSQ),行動チェックリスト,
社会恐怖・不安(SPAI),自己イメージのポジネガ,などなど。

被験者は,ビデオカメラの前で2分間「スピーチする」ことを求められるが,
その前に,ポジティブイメージまたはネガティブイメージを持つよう教示・操作された。
また,撮像されたビデオテープは第三者2名によって「行動チェックリスト」により
評定された。

 *

高SA×ネガティブイメージ条件の被験者は,
身体感覚,行動のうち特定行動(specific behaviours)に関して有意に得点が高く,
緊張・赤面・手の震えなどを感じ,
自分の行動を(全体としてではなく特定の行動を個々に)ネガティブに評価していた。
=低SA群ではイメージ操作の効果は認められなかった。
(...そのほかあれこれ)

第三者による行動評価では,いずれの主効果・交互作用も認めなかった。

 *

ざっと概略そういうことで,
「ネガティブな観察者視点を取る」ことは,高SA者における
特定行動のネガティブな評価や身体感覚の増加に結びつくことが明らかとなった。

裏を返すと,
高SA者がポジティブイメージを持つことは,こういった行動評価や感覚増加を
suppressすることにつながるのかもしれない,
(がこれは私の見方であり,論文にはそうは書いてない)

 *

去年の卒論指導関係で,この論文何度か読んだはずなのだが...
あれこれ新発見再発見したところがあったりして。

やっぱり,
外部講師としてお招きした方がよかったかしら?

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