S-CN(MC)2006-10
今回が最終回。
前半。
学校とか,教育場面に神経心理学的・認知神経科学的・脳科学的発想を取り入れること,
LD,ADHD,(高機能)自閉症を神経心理学的・認知神経科学的に理解することについて,
触れてみました。
後半。
あるお題を提示して,それについて受講生各自に
3分間スピーチ
してもらいました。授業の感想を含めて。
考えることや感じ方は,ひとそれぞれ。
それなりに「得るところ」はみなさんあったようで,まずは何よりです。
難点としてあげられた事柄は,簡単にいうとふたつあって,
「難しかった」
(本を読めば済むような易しいことを大学院で教えるわけにはいきません)
「実践にどう結びつけるかはまだ??」
(それは初回に釘を刺しておいたとおり,「近目標化しない」という,私のねらいどおり;
それはみなさんの仕事や生活に,自ら見いだしてください;
教えられて身につけられるようなものではないのでは)。
*
私自身は,この授業を担当して,授業をしながら,
「学力ってなに?」
ということを初めて考える機会を持ちました。
「意欲・関心・態度」を学力というコトバの範疇に入れる人がいることに
(それが主流らしいことに)かなり驚きました。
「思考力」とか「判断力」とか「問題解決力」といったことがらについて,
それをつっこんで考えるとなんだかわかんねぇなあという感想を持ちました。
「神経心理学的ユニット」と「教科(の学習)」とのダイレクトなリンクが
どんな風になっているのかを考えてみるのも,ひとつのあり方でしょうか。
どうしても「しくみを知りたい」方向に,考えが向いてしまうのです。
「まずはなんとかしよう」方向は,私自身の思考の向きではないのです。
理学的,と評されましたが,実にそのとおり。
そういうのも,必要でしょ?!
世の流れにあえて逆らうようなつもりはないのですが,
この広範囲にわたって強力にはびこっている「実践志向性」には,
いささか,うんざりしています。
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