臨床心理学演習Ⅰ(学類)06-3-8
『親しい関係における,内在化症状と葛藤,対人問題解決』
追記しました(2007.2.9 16:04)
坂さん担当。
内在化症状→抑うつと不安,
葛藤→親友,第二の親友,恋人,母親,父親との対人摩擦
対人問題解決[特性・方略]→ポジティブ問題志向,ネガティブ問題志向,
合理的問題解決,衝動軽率スタイル,回避スタイル
の関係を,
moderator(調整変数)-mediator(媒介変数)分析する。
(※3つの質問紙でデータを取ったら,こういう風な分析もある,という意味で教科書的)
「母親との葛藤と抑うつ症状」
「恋人との葛藤と抑うつ症状」に有意な正の相関,
対人葛藤→問題解決と順次投入する重回帰分析では,
母親葛藤→ネガティブ問題志向,
恋人葛藤→ネガティブ問題志向,
母親葛藤→回避スタイル,
で,抑うつ症状予測における問題解決特性の有意なR2乗の増分がみられた。
moderation analyses
抑うつを従属変数とする分析においては,
対人葛藤×問題解決の交互作用項はいずれも有意にならず,
不安を従属変数とする分析においては,
恋人葛藤×ネガティブ問題志向は有意であり,
ネガティブ問題志向は恋人葛藤と不安の調整変数であることが示された。
mediation analyses
媒介の4条件を満たす組み合わせそのものが存在しない,つまり
媒介変数はみられなかった。
*
部分的にでも支持されたのは,
・対人葛藤で説明される以上に,問題解決特性は抑うつに影響を及ぼす部分がある。
・対人葛藤×問題解決特性の交互作用(=組み合わせ)によって,不安症状を説明できる部分がある。
*
少なくとも質問紙調査では3種類のものを使って,データを得ておきましょう。
(2種類じゃ足りない;4種類以上だとよくわからなくなる;という意味では3種類がベストか?!)
ふつうの分散分析や重回帰分析やパス解析に加えて,もう少し発展的に,
moderator-mediator分析をやってみる価値はあるでしょう。
もちろん,「何を知りたいか」によるのだが。
...というのが,より"実践的な"教訓。
*
担当者は,授業の始まる前に黒板に,
図解と略語の解説を書いて,受講生の理解を容易にする努力を行っていました。
すばらしい。
来年度は毎回発表では,
必ず何らかの形で黒板も使ってもらうことにしよっと。
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