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23 juin 2007

この図書を推薦しますよ

高校生ぐらいの方々を対象に,心理学を学ぶ上で役立つ図書,
あるいはうちを志望してくださるような受験生の方々に読んでほしい図書を
5冊ほど,推薦理由つきで紹介しなければなりません。

そういう制約条件を満たす良い本を選定する,というのは,
なかなか難儀なタスクです。

誰かにあげたり古本屋に売ったりせずに手元に残してある本をまず眺めてみた。

専門的すぎたり高価すぎたり入手困難なのは除いた方がいいのだろう。

とはいえそれなりのボリューム,それなりに読み通すのに頭を使う本がよかろう。

もちろん,専門的観点からしてもvalidで and/or 「面白かった」読後感が得られそうな。

<技術系>の本は入ってきてから読めばいいし。

<趣味系>の本を押しつけるほど無粋ではないし。

小説は,村上春樹非短編非翻訳非エッセイものしか読まんし。

そもそも

本なんか読まずに
論文読みましょうよ,っていう指導をしているのに,
「この本を読め」というのはなんだか自己矛盾的言動ってこともあるし。

で,このあたりが限界。

サブリミナル・マインド

<意識>とは何だろうか 脳の来歴、知覚の錯誤

  →"SS本"だから...じゃ理由になりませんよね,どうしましょ?
    でも,薦めずにはいられません。はずせない2冊ではありませんか。

脳からみた心

  →「黒本」教科書より絶対こっちでしょう。
    このあいだ,フレッシュマンのひとりに薦めたら「面白かった」と言ってたし。

うぬぼれる脳 「鏡のなかの顔」と自己認識

  →少しは「新しい」本も推薦しないといけないのかと思って。

あと1冊を。

よくわかる臨床心理学
にするか

「心の専門家」はいらない
にするか

激しく悩み中!
...本気で。

 *

[自著があれば自薦]っていう基準も用意されていたが,
ちょびっと執筆(「分担執筆」という)や,ちょびっと翻訳(「分担訳」という)では
「自著」とはいわんだろう。

そろそろ自著らないと,いかんのか。

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Commentaires

楽しく読ませていただいております。
心理士をやっている者です。

高校生が興味を抱くのは恐らく臨床心理学でしょう。
そこで読んで欲しいのは「心の専門家はいらない」ですね。まあしかし、それで受験生が減少するかもしれませんが笑

私だったら高校生には「ノルウェイの森」から、精神障害に対する一つのスタンスを学んで欲しいと思います。

Rédigé par: mk | 23 juin 2007 23:46

mkさん

コメントありがとうございます。
個人的には「臨床心理学」ではないところに<も>
興味を抱く方々にこそ,どしどしと来ていただきたいのですが,
1)そういう高校生・受験生がどれくらいおられるのか(反語形)
2)立場上あまりおおっぴらには公言できない(もうしてますけど)
のでありまして,
図書選定にもそのあたりをそこはかとなく示唆したいところであります。
そういう意味では,「・・・いらない」を推薦するのがスジですが,
やはり他の先生方の目というのも,少々気になりますし,
おっしゃるように 受・験・生・減・少 になっては,はなはだまずい。

「ノルウェイの森」をそのように読んでもらうというのは
気づきませんでした。なるほど...
ところで昨今の高校生にも,
村上春樹の小説は読まれるほうなんでしょうかね?

<も>
の箇所は,ここを読まれる方々それぞれの
お好みで,加えたり省略したりしてくださいね(笑)

Rédigé par: m0ch1 | 24 juin 2007 19:08

学生です。
大学説明会などの様子を見ていると、確かに臨床、もしくは社会心理学に人気が集中しているように思えます。
思えるんですが。
昨年の加藤先生の実験系(教室にマウスを持っていらしたそうですよ)は大変好評だったそうです。
筑波のウリは「幅広く」やっていることですし、受験生であっても、臨床に"も"興味を持っている学生が比較的多いと思います。

個人的に「「心の専門家」はいらない」は読んで欲しいなぁと思ってしまったので、後押しするようなコメントを書いてしまいました。ご参考までに。

Rédigé par: のら | 25 juin 2007 14:15

Rom専門といいつつまた登場してしまいました。

Nです。

私も自著はないため,「学生になる!」という南山大学の浦上昌則先生の本を紹介しました。

北大路書房からでておりますが,おすすめです。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4762825352.html

心理学の先生が書いていますが,必ずしも心理学を勉強したい人たち向けではなく,一般論が書かれています。

Rédigé par: N | 25 juin 2007 16:37

のらさん

コメントありがとうございます。
そうそう幅の広さはたしかにウリなんですよね,そう思います。
ついでにフトコロの広さもウリにしよう,という意味で,
「・・・いらない」にしようかな。

学生さんにアンケートとってみてナマの声を聞く,
というのも,企画としておもしろそう。
次回,があって,再びWGメンバーの一員であったら,
提案してみましょう。

で,なんか今年はプチ講義担当者のひとりになりそうなんですが...重責ですね...

Rédigé par: m0ch1 | 25 juin 2007 20:26

Nさん

ROM専なんておっしゃらず,いつでもご登場ください。

『“学生”になる』
なるほど,そういう路線から攻めるというのもありか。
私自身は読んでおりませんが,なんだか
「“担任”になる」教員にも読ませたい感たっぷりですね。

ちょっと脇道。
気になっているのは「目次」です。
文スタイルなんですか?


Rédigé par: m0ch1 | 25 juin 2007 20:49

Nです

そうですね。
担任の先生がたや,大学で学ぶ意義がわからなくなってきているような大学生たちにも読んでもらいたい内容だと思います。

「目次の件」

確かに「章の見出し」というよりは「それ自体が文章」ですよね。著者ご本人もまるで「目次」らしくない章ごとのタイトルになっていると認めてらっしゃいました。「でもこうする以外うまく表現できんのよ」とおっしゃっていましたよ(笑)

中身は高校生向けに作られた本らしく,平易な文章で語りかけるように書かれていますので,読みやすいと思います。

Rédigé par: N | 26 juin 2007 09:27

のらです。
アンケート企画、とても面白いと思います。
ただ、もし授業で薦められた本が多く挙がったたら……学生が自分で本を選んでいない可能性が。
恐ろしい結果になるかもしれませんね。

プチ講義ですか!
私自身、プチ講義(当時は模擬講義)の印象がよくて入学しましたし、
入学後も何かと関わっていたので、思い入れのある企画です。
お忙しい時期だと思いますが、可能でしたら、先生にも楽しみながら講義していただけたらと思います。

Rédigé par: のら | 29 juin 2007 17:40

Nさん

ああ,目次そういうことなのですね。
近隣の書店まわりをしていてもなかなか見あたらないのですが,
この本は,「大学受験」コーナー?
「大学生のお勉強方法」コーナー?(最近その手の本多いですからね)
どっちに存在する確率が高いのだろう。

Rédigé par: mochi | 03 juil. 2007 12:08

> ただ、もし授業で薦められた本が多く挙がったたら……学生が自分で本を選んでいない可能性が。

それは想像しがたい状況ですね。
どちらかといえば,
授業で薦められた本は1冊も挙がらない 
 → 学生は薦められても本を読まない
   (または,そもそも「本を」読まない,
    または,「教員が薦めたが故に」読まない,などなど)
の側の「恐ろしい結果」を予期してしまったり。

ほどよく重なる感じがいいですね
(むしろ,教員からの推薦はなくすとか
  →大説パンフ企画で,学生さん側でやってしまうとか)

> 私自身、プチ講義(当時は模擬講義)の印象がよくて入学しましたし、
> 入学後も何かと関わっていたので、思い入れのある企画です。

ってプレッシャーをかけられてしまった...
まだ確定じゃないみたいですが,そうなったらがんばります。

何を講義すればいいのやら。

Rédigé par: mochi | 03 juil. 2007 12:21

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