「女性はおしゃべり」はステレオタイプ
最近やや科学よりの巷では,
先週のScience(←雑誌です;最近のいんぱくとふぁくたー30.028)の
Brevia(短信って意味)にありました,
が流行っているようです。
(そして,「日本の」男性はやっぱり喋らないと思うんだけど」とか,
「おじさんはやっぱりしゃべんないよな」とか,
「これでScience?!」みたいな感想とか)
対象は,
1998年から2004年の間に396人の参加者(男性186名,女性210名),
6サンプル(USAが5,メキシコが1,いずれも大学生)。
方法は,
EARという装置をつけて,睡眠時以外の「おしゃべり」を,
12.5分ごとに30秒録音するという方法でデータを採取するようです。
そのデータを元に,一日に喋る単語総数を推定する,と。
結果は,
起きていると推定した17時間で,
男性の平均は15,669(SD=7301)語,女性の平均は16,215(SD=8633)語で,
有意差なし。
*
そういう結果を読んでも,「でもさ...」っていう感想がちらほら出てくるところが,
やっぱりステレオタイプ的だと思うんですよ。
ぺらぺら喋る男性もいれば,寡黙な女性もいて,かつ,
自分のまわりの人の生活の(たいていは)一部しか知らないんだから,
「平均」なんてわからないのだし。
*
脳科学的な衣をまとったmythとしては,
女性
→ 脳梁が太い(左右半球をつなぐ神経線維が豊富)とか
片側の優位半球への"偏り"具合が弱い(両方使っている?)
→ おしゃべりが得意
みたいのがあるけど,これはどうなんだろうなぁ...
女性=おしゃべり,というステレオタイプまずありき,
な話のように見えるなあ。
*
30秒でしゃべる単語の量っていうよりも,
しゃべりの速度みたいのは考えなくていいんだろうか。そして
せっかくだから,睡眠時間がいかほどだったかも調べてくれたらいいのに。
「 02. MIND 【心】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 120514[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-3(2012.05.14)
- 120506[mz1] Behav. Res. Ther. 50-06(2012.05.06)
- 120506[mz3] そういうWebサイトのプロフィール画像で赤い服の女性は…(2012.05.06)
- 120425[mz1] J.Behav.Ther.Exp.Psychiatry 43-3(2012.04.25)
「 03. ARTICLES 【篇】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires