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04 juil. 2007

前頭葉性行為障害などのレクチャー

先々週の予告通り,「したくないのにしてしまう」話。

脳を中心溝で前と後ろにわけて,あえて役割の違いをラベリングすると,
前の方は運動脳,後ろの方は感覚脳といえるでしょう。
つまり前頭葉は一言で言えばアウトプットの脳です。

適切なアウトプットをするためには,
1) 適切な運動指令を身体各部位に与えなければならず,
2) そのためには適切な意図(計画立案やプログラミング)が必要で,
3) その発動には「意志」=なすべし/なすべからず,が必要でしょう。
おおざっぱな理解をすれば,
1)が一次運動野,2)が運動前野・補足運動野,3)が前頭前野の機能です。
3)が適切に作用せず,2)→1)が自動的に作動してしまうと,
「したくないのにしてしまう」症状が出現することになります。

むしろ,神経系のデフォルトは,感覚脳からの情報→2)→1)という自発的な活動であり,
3)で抑制,というか制御調整して「意志を反映させている」と考えるのが
この業界では標準的です。
...だから,その発達が完成する年齢が遅いとされる前頭前野の働きがまだ十分ではない
新生児などでは原始反射がみられるし,
もう少し大きくなるとなんでもさわってみたり口に入れたりし,
さらにもう少し大きくなるとマネっこ遊びもするでしょう。

といった前振りの後に,あれこれ。
把握反射,本能性把握反応から入り,
道具の強迫的使用,
使用行為(学術的戦闘的理由により,私は決して利用行動とは言わない★),
模倣行為(同じ理由で,私は決して模倣行動とは言わない★),
 (★意味は同じですけど...学派的に(笑))
環境依存症候群,
他人の手徴候など。

関連してついでに
拮抗失行も。
強迫性障害の強迫行為との異同なんかも考えてみる。


意志を反映する/しないのは,右手か左手か両手かの区別は
とても重要な鑑別ポイントで,損傷部位の違いが推察できるほどです。

 *

このレクチャー,大学の自室で内輪的にしているのですが。

今日は珍しく,電話コードが電話機に差し込まれていて
(いつそうしたのか,ほんとうに記憶にないんだけど)
話をしている最中に電話がかかってきて,自分もびっくりした。

「したくないのに,してしまう」だけではなく,
世の中には
「したくないのに,せざるをえない」ということもあるなあ,と。
外的なフォース(圧力ね)というものを意識的に・顕在的に理解=把握しているかどうか,
という違いなんだが。

理解する=わかる=把握する=つかむ
行為の研究はそのまま理解の研究でもあるわけです。

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04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事

Commentaires

ご無沙汰しております。

先ほど,ある先生とTAの仕事の打ち合わせをしてまいりました。
その打ち合わせ中,その先生いわく「珍しく」電話が鳴ったのです。

その時のその先生の発言:
「無視しましょう」

ある一定の覚悟を持てば「したくないのに,せざるをえない」状況を
「したくないから,しない」状況に変えられるのかもしれない,と思いました。

Rédigé par: nomuyuka | le 04 juil. 2007 à 14:35

nomuyukaさん

どうも。どの先生かしら?いずれにしても「無視しましょう」とは,
先生の鏡のような先生ではありませんか!
大いに尊敬・敬慕・敬愛してください。
今その場で目の前で話している人との対話と,
どこの誰からかもわからない電話と,
どちらを優先すべきか,問わずとも明らかですね。

私もその"一定の覚悟"というのを持って,
通常は
「したくないから,しない」
(ためにコードを差し込んでいない)のであります。

今日のは不覚だったのでした。
ま,偉い先生からの至急そうな用件だったのですが。

Rédigé par: m0ch1 | le 04 juil. 2007 à 20:41

偉い先生からの至急そうな用件がくるときに限って,
電話線をつないでいるという,先生の勘がすごいです。

先生のことも大いに尊敬・敬慕・敬愛させていただきます。

Rédigé par: nomuyuka | le 06 juil. 2007 à 21:25

お...後ですぐ気付きましたが,文脈的にそうなってしまいますね。
ではお言葉に甘えて,尊敬・敬慕・敬愛されることにします(笑)

勘といえば勘ですが。
呼び出し音が鳴った瞬間に相手がある程度想像できるようなときは,
たいてい当たります。
コードが刺さっていたのは,
繰り返しですが,不覚でしたけれど。

今のご時世,そうそう緊急の用件でもない限りは
電子媒体で文字情報の送受信でするのが
当然の「マナーだ」と私は思うんですけど,
そう思われない人も,まだまだたくさんいらっしゃるようです。
そういう方々にはぜひ,電話をかける前に,
「相手の時間をいやおうなく奪い拘束する権利・権限が,私に本当にあるのだろうか」
と,自問自答していただきたい。

みんな知らないと思うけれど,ふだん
大学教員のところに昼間かかってくる電話はそれなりの確率で
セールス電話なんですよ(少なくとも私の場合は半数以上そうでした)。
どうして私たちが「金持ち」だと思われているのか,
さっぱり,理解不能です。
中にいれば,ねえ,一目瞭然なんですけど。

Rédigé par: m0ch1 | le 06 juil. 2007 à 23:16

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