070908[bx2]主観的社会的位置とperigenual ACC
070908[bx2]-1 subjective social status; socioeconomic status; perigenual anterior cingulate cortex
Perigenual anterior cingulate morphology covaries with perceived social standing
(free full textです)
コミュニティの一般成人を対象にしている。
perigenual anteior cingulate(脳梁の前の方の「膝部」の前に位置する,帯状回前部の一領域)
の灰白質体積(VBMという手法で計測)と,
「主観的な社会的位置」の高さ(質問紙で測定)は正の相関にあるという論文。
つまり,そこが小さいと主観的な位置は低く,大きいと高い,という関係。
ご丁寧に,というかちゃんとしているというか,階層的重回帰分析もしてくれていて,
この部位の灰白質の体積を従属変数として,
(年齢・性別・灰白質全量)
→(抑うつ・ストレス・ネガティブ気分・悲観性・敵意)
→(personal SES/community SES)
※客観的指標による社会経済状況,の評価
と順次投入しても,(adjusted)R-squaredも,ΔR-squaredも有意ではないが,
最後に「主観的な社会的位置」を投入すると,ΔR-squaredは有意に上昇した。
最終的なadjusted R-squaredは0.11でn.s.ですが。
低社会経済状況は身体的・心理的な疾患の発症リスクを高めるといわれているが,
間にこの「主観的社会的位置」を導入すると,あれこれの因果関係をより詳細に検討できる
かもしれない,ということ。
*
こういう論文を読むと,
neuroethics(神経倫理学)ということを考えなくてはいけないんだな,と思う。
諸刃の刃的な感じというか。
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