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06 sept. 2007

臨床心理学演習Ⅰ(学類)07-2-01

Exploring the boundaries of memory distrust from repeated checking:
Increasing external validity and examining thresholds

「繰り返し確認することによる記憶不信(=確信度低下)」

追記しました(2007.9.7 17:40)

ウンさん担当。

強迫性障害において,「確認強迫(行動)」は非常に一般的にみられる現象である。
これが「記憶障害による」ものなのかは以前より検討されてきたが,結果はさまざま。
むしろ,そういう記憶の正しさよりも,
記憶に対する自信・確信度に問題がある,という話にシフトしてきた。
健常大学生における,「繰り返し確認→記憶に対する確信度低下」はすでに
いくつかの先行研究でも検討されている。
この研究では,先行研究をreplicateし,かつ,
「何回確認すれば記憶の確信度が低下するのか」を明らかにする。

研究1
4口ならんでいるリアル電気コンロのノブの,ON/OFF/CHECKをする課題。
(CHECKは,ガチャガチャとノブを回して,ON/OFFを確かめる)
被験者は無作為に,0 check条件か,15 check条件に割り振られた。
 ・群間に,強迫性障害傾向,抑うつ傾向には差はない。

pre-test → CHECK(0/15) → post-test
で,2回のtestでは,記憶の正確さとともに,
記憶の確信度,記憶の鮮明さ,記憶の詳細さについての(0-100)の自己評定,
さらにその源が,「覚えているremembering」のか「知っているknowing」のかについての
回答が求められた。
結果:
15 check条件群は,post-testにおいて,確信度,鮮明さ,詳細さの評定が低下した。
正確さは低下しなかった。また,post-testでは「知っている」の回答率が増加した。

研究2
CHECKの回数を0,2,5,10,15の群を設定して,同様の低下現象を検討。課題は同一。
結果:2回から10回の確認で,確信度・鮮明さ・詳細さの評定は低下した。
(3次関数による近似とかで)

 ↓
何度も確認するという行動を行うと,記憶に対する確信度・鮮明さ・詳細さは低下する
non-clinicalなサンプルでも。2回以上確認してしまうと。

※(個人的感想)結局OCD,あるいはOC傾向と「確認強迫」の関係は不明...というか,
  なぜ何度も確認してしまうのか,という点が明らかになったわけではない。

※(教育的示唆)同じことを何度も確認させるということは,記憶の正確さを低下させる
 ようなことはないが,確信度・鮮明さ・詳細さを低下させるということである。
 ・何度も何かを「確認させる」先生は,生徒の確信度・鮮明さ・詳細さを低下させる虞があるってこと。
 ・テストか何かで何度も見直し「確認する」生徒は,その都度確信度が低下することになるってこと。

※(授業の感想)2学期初回であるせいか,静穏でした。
  もっとガヤガヤとやりたいところです。

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