février 2008の60件の記事
28 févr. 2008
080228[y][bx1]強迫観念と尾状核
080228[y][bx1]-1 caudate nucleus; neuronal recording; OCD
Neuronal Correlates of Obsessions in the Caudate Nucleus
3例の重篤なOCD患者に対して,深部脳刺激療法(電極留置)前に
尾状核の477ニューロン活動を計測。
Y-BOCSによって自己報告される強迫観念と
神経活動(dischargeの頻度と,interspike intervalsの変動の大きさ)に関係性が見いだされた。
080228[mz3]パーソナリティと個人差,44-6(臨床系)
080228[mz3]-1 social anxiety; state anxiety; depression; effortful control scale
Relationships between negative emotionality and attentional control in effortful control
質問紙。
social anxietyはattentional control,depressionはinhibitory & activation controlの障害に関連。
080228[mz3]-2 compulsive buying; impulsivity; UPPS; urgency
Are all facets of impulsivity related to self-reported compulsive buying behavior?
「強迫買い」と衝動性(UPPSで測定)。
階層的重回帰分析では"Urgency"がonly significant predictor。
27 févr. 2008
080227[mz2]R34D1NG W0RD5 W1TH NUMB3R5
080227[mz2]-1 word recognition; letter processing
R34D1NG W0RD5 W1TH NUMB3R5
(きっと迷惑なe-mailがどっさり来てうんざりしているとか,
コンピュータオタクかなにかに違いない)
認知神経心理学的には,アルファベットと数字は別々のcortical mechanismsによって
処理されていると考えられているが,実際のところ,たいした労力もなく
このような"leet"は判読できる。
こういうleetを平気で読める現象を,
masked priming lexical decision tasksによって検討した。
その結果,
1) 単語中に埋め込まれた数字は文字のように処理されるようだ
2) しかしそれは数字に限ったことではない(MΔT€R ! ΔLでも同様に)
26 févr. 2008
25 févr. 2008
080225[bx1]好きな音楽を聴くことによる認知面の回復と気分の向上
080225[bx1]-1 music listening; cognitive recovery; mood; interventions
Music listening enhances cognitive recovery and mood after middle cerebral artery stroke
(おーぷんあくせすあーてぃくる)
もうすでにネット上でも一般向けニュースとして紹介されていたりするようですが
<[脳梗塞 好きな音楽 回復]などで検索されたし>
脳梗塞後に各自好きな音楽を1日1~2時間,2ヶ月ほど聴くと,
朗読テープを聴く条件,および何もなし条件に比較して,3ヶ月後・6ヶ月後の時点で,
10個の神経心理学的指標のうち,「言語性記憶」と「焦点性注意の正確さ」の回復の程度が大きく,
また,8個の気分指標のうち,抑うつ気分や混乱(confusion)を抑える効果があった,ということです。
24 févr. 2008
080224[bx1]頭部外傷と社会神経科学関連
080224[bx1]-1 emotional empathy; TBI
Inability to empathize following traumatic brain injury
情動的な共感の低下はたしかにみられるが,
それは外傷の重傷度とも神経心理学的検査とも抑うつ・不安といった感情測度とも
との間には関連がみられない。
(※日本語をやや修正2008.2.26)
080224[bx1]-2 social behavior; emotion recognition; ToM; TBI
Social behavior following traumatic brain injury and its association with
emotion recognition, understanding of intentions, and cognitive flexibility
情動認知や心の理論課題,認知的柔軟性課題の低下はたしかにみられるが,
それらと問題行動との間には関連がみられない。
080224[bx1]-3 emotion perception; treatment; TBI
Treating deficits in emotion perception following traumatic brain injury
アブストラクトによると,"This is the first known treatment study dealing with
emotion perception deficits in individuals with TBI "だそうです。remediation。
080224[bx2]忘れようとして忘れる
080224[bx2]-2 forgetting; directed forgetting; fMRI
Forgetting as an Active Process:
An fMRI Investigation of Item-Method–Directed Forgetting
item-method-directed-forgettingという指示忘却パラダイムで,
教示=意図(覚えろ vs. 忘れろ) × 結果(覚えている vs. 忘れている),
の4条件における脳活動状態を計測した。
[忘れろ × 忘れている]は,他の状態と異なるのか否か,が検討課題。
忘れろと言われて忘れるときは,
「(覚えるべきなのに)忘れてしまったとき」と比較して…海馬と上前頭回が↑
「(覚えろと言われて)覚えているとき」と比較して…中前頭回・中側頭回・海馬傍回・帯状回が↑
080224[bx2]移動の経路と様態の認知神経科学
080224[bx2]-1 moving event; path; manner; fMRI
Neural substrates of processing path and manner information of a moving event
そういうのは認知言語学的によく検討されているようなのですが,
たぶん,
移動という事象★に伴う
「どこからどこへ」という成分(path)と,
「どのように」という成分(manner)を,認知神経科学的に脳活動としてとらえるとどうなるか,
という話なんでしょう。
古典的に,認知神経科学的にはwhere(どこ)経路と,what(なに)経路が分離していて
前者が後頭葉→頭頂葉(背側dorsal経路),後者が後頭葉→側頭葉(腹側ventral経路),
なのですが,
(バリエーションとして,how(どうやって)経路も提唱されている→背側経路)
そういう教科書的概念をふまえつつ検討してみる。
しかし実験的刺激としては言語提示ではなく,
「顔の描かれた動くヒトデ」の動画を見てone-back taskによる異同判断。
*
結果,予想通り,pathはdorsal,mannerはventral。
080224[y]統合失調症者の実生活上の行動を神経心理学検査と機能的コンピテンス測度で説明する
080224[y]-1 schizophrenia; real-world behavior; neuropsychological asessment
Predicting Schizophrenia Patients’ Real-World Behavior with
Specific Neuropsychological and Functional Capacity Measures
こういう研究ってとても大事でしょう。
clinicallyにはもちろん,academicallyにも。
222名の通院統合失調症者を対象に,
各種神経心理学検査,PANSSと抑うつによる症状評価,機能的/社会的コンピテンス評価と,
ワークスキル/対人行動/コミュニティ活動という実生活上の行動評価を行い,
これらの関連を検討した。
15の神経心理学(NP)検査データは,注意・ワーキングメモリ,処理速度,言語記憶,遂行機能の4因子に。
その後パス解析を施した(それを,次のような調子でコトバに書き表すのは難しい...)
社会的コンピテンスは,注意・ワーキングメモリ,処理速度のみからパスがひかれ,
機能的コンピテンスは4つのNP因子すべてからパスがひかれた。
3つの行動評価を従属変数としたときに,全般的にはそれぞれ多くの変数が直接・間接に影響を及ぼすが,
1)対人行動には,言語記憶,機能的コンピテンス,陽性症状は影響を及ぼさず,
処理速度,遂行機能からダイレクトなパスがひかれた。
2)ワークスキルには,これらの変数すべてが関与し,
また処理速度,注意・ワーキングメモリからダイレクトなパスがひかれた。
3)コミュニティ活動には,抑うつのみ影響を及ぼさなかった。
また処理速度からダイレクトなパスがひかれた。
080224[mz2]「頭」は上,「足」は下
080224[mz2]-1
Head Up, Foot Down: Object Words Orient Attention to the Objects' Typical Location
単語そのものが典型的な位置(上か下か)をdenoteする名詞(帽子・雲/ブーツ・水たまり,など)は
どのようなメカニズムによって位置を示すのか?注意のオリエンティングか,知覚的なシミュレーションか。
3つの実験で,干渉(反応時間の増加)がどの程度生じるかを測定して検討。
→メカニズムとしては,注意のオリエンティングも,知覚的なシミュレーションも,あるみたい。
080224[mz3]パーソナリティと個人差,44-5
080224[mz3]-1 emotional facial expression; perception; BIS/BAS; Big-five
Personality-linked biases in perception of emotional facial expressions
質問紙&実験。表情知覚において,BIS/BAS得点やBIG-Fiveなどの
知覚者の性格特性が与える影響について。→あれこれの影響がある。
080224[mz3]-2 psychopathy; cheating; aggression
Psychopathy, aggression, and cheating behavior: A test of the Cheater–Hawk hypothesis
質問紙調査。サイコパシー傾向とうそつき行動,直接攻撃,間接(関係性)攻撃の関連。
一次性サイコパシーはそのすべて,二次性サイコパシーは直接・間接攻撃のみと。
080224[mz3]-3 health anxiety; Stroop
Health anxiety and cognitive interference:
Evidence from the application of a modified Stroop task in two studies
実験。健康不安(心気症傾向)で感情ストループ課題で「病気関連語」で色名呼称に時間がかかる。
080224[mz3]-4 extraversion; social interaction; affect repair
Extraversion and the consequences of social interaction on affect repair
実験。外向性と情動修復。ネガティブ気分誘導後に
1)外向性の高い人はひとりでも修復,2)他の人としゃべると,外向性。内向性に関係なく修復。
080224[mz3]-5 empathy; Machiavellianism
The relationship between empathy and Machiavellianism:
An alternative to empathizing–systemizing theory
質問紙。「共感とマキャベリアズム」というダイコトミーの方が「共感とシステム化」より適切といいたい。
080224[mz3]-6 attachment; psychosis; hallucinations; paranoia
Insecure attachment predicts proneness to paranoia but not hallucinations
質問紙。不安定な愛着型(insecure attachment)は迫害妄想的信念と関連があるが,
幻覚様体験とは関連なし。
23 févr. 2008
080223[mz3]CEOの顔と企業収益
080223[mz3]-1 impression; face; CEO; company profits
The Face of Success:
Inferences From Chief Executive Officers' Appearance Predict Company Profits
企業ランキング(Fortune500)上位25社と下位25社のCEO50名の白黒顔写真を用意して,
大学生が
その人物の「リーダーシップ」,
特性…力量(コンピテンス),支配的,好ましさ,円熟味,信頼度を評定。
その結果と,企業売り上げや収益の関係を検討した。
(写真の人物の年齢・感情・全般的な魅力度を統制)
特性は主成分分析で,パワー(力量・支配・円熟)と温かさ(好ましさ・信頼度)の2成分に。
このうちの「パワー」と収益の相関(r=.36, p<.05)
また,「リーダーシップ」と収益の相関(r=.30, p<.05)
(パワーとリーダーシップの関係はr=.-.26, n.s.)☆
というわけで,
「(リーダー的な・パワーのありそうな)顔だちは,企業収益に好影響を与える」
22 févr. 2008
『合コンの社会学』を読んでみた
これまでの人生でただの一度も合コンとやらに行ったことがないもので★
(かなりの高確率で,これからも行かないだろう(し,もう行ってはいけないのだろう))
未知なる世界・想像上の世界であったわけですが,
『合コンの社会学』,
おもしろく読みました。
しかし。
さすがに買うかどうかに関して逡巡がありました@書店...
検定試験監督,被験者,推敲支援
午前中。
学内オンリーで行われる某検定試験の監督(×2回分)。
午後。
某実験の被験者になる(ああ,被験者になるのは何年ぶりか)。
そのあと。
某論文の推敲を遠隔的に支援する。
21 févr. 2008
心理学方法論(心理)07-3
3限。
面接の構造化の話は,この時間に。
調査面接と心理臨床的面接(のあれこれ)。
その後,「事例研究法」ということで,
事例研究の位置づけ,
事例研究の有効な場合,
などの話をして,
質的研究のさわりと
一事例実験のさわりを話す。
これでこちらの方法論は終了。試験は3/6。
20 févr. 2008
遂行機能障害のレクチャー(その2)
先週の続き。
WCSTとかハノイの塔(ロンドン塔)とかティンカートイテストとか,
何かモノを要する系の遂行機能課題
(ああ,トレイルメイキングを忘れた)の説明。
その後,話は底面の方に移動しまして,
性格変化とか行動異常とか,FTDとか,そのあたりに関連する話。
→アイオワギャンブリング課題に到着。
最後に,内側。
「ここに特異性の高い検査課題はない!」(ですよね??)
「意」の部分の制御とかコントロールとか(低下,だけじゃなく亢進もあるでしょうから)。
⁂
課題が複雑なものは,パソコンを利用することで検査者側の負担を軽減することになる
(WCSTとかIGTなんて,オリジナルにやると検査者側がほんとにmultitaskingで,
あたかも「検査者の遂行機能」状態を測定されているようなものですから)。
でももしかすると,被検者側の負担感を増すことになるのは注意しなければならない。
19 févr. 2008
完全なるダブルブッキング
そういうことがないように気をつけているタチなのでありまして,
そういうパーフェクトな重なりという事態は非常に稀なことなのですが,
本日(少々想定外な時間設定での)お知らせが来て,
標記の通りと相成りました。
3月1日(土)17時から同時開始のふたつのイベントが。
より詳細には,17:55の前後10分間ほど。
すいません,どちらかがメインでどちらかがサブということになるでしょう。
心理学英書講読08-0
来年度のシラバスを書かなくてはならず,あれこれ想像中。
(以前担当した5年前には,シラバスなんて書かなくてよかった)
2学期月曜3・4限。
コマ数で数えて20回分
(2コマ続きを10日分;原則は各時間ごとに内容を書くのだとか,そんなバカな)。
シラバス作成に関しては,もうおひとりの(隣のクラス)担当の先生に,
「よろしくぅ!」って言われている("洗練されたプレッシャー"をすでに受けている)。
たぶん,受講生の興味関心はバラバラなので(そうあるべきだ),
特定の領域・特定のテーマに関する書籍を読む,なんてことは避けた方がいい。
毎回複数の"論文"に目を通すことにしたい。
でも,
じゃあいきなりoriginal articlesを?
それも敷居が高い;専門的に過ぎる。
では,review articlesを?
Psychological ReviewやPsychological Bulletinでは,
テーマがマニアックすぎて(&長すぎて)苦痛でしかない。
もうちょっとさくっとintroductoryな感じで,
でもHilgardの教科書よりは教科書っぽくないということで,
Current Directions in Psychological Science
あたりにしてみようかと。
冊子体はないけれど,学内からはオンラインで読める。
18 févr. 2008
心理学方法論(人間)07-2
来週登校して「前期日程」入試を受験しないように注意!(→次回は28日木曜日)
検査法の続き;投影法と質問紙法。
面接法の構造化のくだりまで。
⁂
今期は面接法の構造化の話と,
診断面接,調査面接,心理臨床的(相談的)面接を結びつけて
ストーリーの通りをよくしようと思ったが。
次回はその辺からスタートし,
事例研究法(質的な方への発展と,一事例実験側への発展),という予定。
16 févr. 2008
15 févr. 2008
来年度の卒論指導は5名
ということになりました/ということにしました。
掲示板にはまだ貼られていないと思いますが,
どんどん連絡せよとのお達しがあり,連絡先の書かれた紙も来ていたので,
さきほど「内定通知」を発信。
楽しくやりましょうお互いに。
14 févr. 2008
臨床心理学演習Ⅰ(学類)07-3-08
Dysphoria and Hostile Cognition:
The Relationship Depends on Levels of Trait Anger
抑うつ気分と敵意的認知:その関係は特性怒りのレベルによる。
13 févr. 2008
会議会議会議授業会議会議会議
例の月に一度の会議日でした。
会議A(会議Bのための)
→会議B
→会議C
→中座して授業(純粋に記録係としての撮影録音係)☆
→戻ったら会議C(まだ終わっていなかった;どんよりとした空気)
→会議D
→会議E
遂行機能障害のレクチャー(その1)
こちらの続きの私塾的レクチャーを,久しぶりに。
"executive"の意味を確認し,
個別的な(道具的な)諸認知機能をまとめたり調整したりする,
思考→行動的な,
前頭前野の背外側的な,機能ということを解説する。
ベッドサイドでも実施可能ないくつかのテストを体験してもらったうえで,
それぞれに難しげな(メカニズム的な)概念を当てはめてみる。
次回はもうちょっと検査らしい検査のところから。
「底の方」や「内側の方」へ話を進める予定。
080213[bx2]感情的柔軟性と扁桃体
080213[bx2]-2 amygdala; valence; fMRI
Affective Flexibility: Evaluative Processing Goals Shape Amygdala Activity
有名人の名前を呈示し,
1)全体的な良い/悪い判断,2)良い面の判断,3)悪い面の判断
を行うという課題を遂行中の,扁桃体の活動を見る。その結果,
1) いずれの名前を呈示しても活動がみられる
2) 良い名前の人物(マザーテレサとか)の良い面を判断しているとき活動がみられる
3) 悪い名前の人物(パリスヒルトンとか)の悪い面を判断しているとき活動がみられる
つまり,遂行中の課題の種類×判断対象人物のよしあし,の交互作用的効果がある
→ 「誰の」「どういう側面をみているか」によって扁桃体の活動はモジュレートされる。
※ただし"negativity bias"があって,良い人物でのモジュレートのされ方が大きい,とのこと。
080213[bx2]遠い将来 vs. 近い将来
080213[bx2]-1 near future; far future; emotional events; fMRI
Neural correlates of envisioning emotional events in the near and far future
遠い将来/近い将来に起こりうる情動的なできごとを想像するときの脳活動。
遠い将来→ventral part of the anteiror ventromedial prefrontal cortex(vmPFC; BA11)↑
近い将来→left caudate nucleus↑(特にポジティブなできごと)
12 févr. 2008
姪からTVコール
朝,弟の携帯電話番号で「TVコール」がかかってくる
※そもそもTVコールがかかってくるというのが初体験;もちろん自分でかけたことなどない。
で,よく見ると(聞くと,ではない)どうやら弟本人ではなく,
満1歳0ヶ月の姪が,弟の携帯電話をおもちゃにして発信してしまったらしい
たしかに,そういう感じの映像が流れてきた。
(このことは後に,音声通話によって弟からも聞いた;しかも,これが3回目なんだとか。)
おそるべし姪。
1歳にして,この伯父に電話をかけてきて,その存在をアピールするとは。
しかも,どんな操作によってかけられるのかもわからないような,TVコールで,とは。
10 févr. 2008
080210[bx2]発話とジェスチャー(と視聴覚統合とミラーニューロンシステム)
080210[bx2]-1 co-speech gestures; language; gestures; STS; fMRI
Neural correlates of the processing of co-speech gestures
co-speech gestures(発話に伴う身振り手振り)の検討。
ビデオに登場する人物の
→「マウスにさわる」のようなあいまいな部分の残る発話,に伴ってなされる
a) しっぽをつまむ(動物のマウスをさわる動作)
b) にぎってカチカチ(パソコンのマウスをさわる動作)
c) なでなで(まだあいまいさの残る動作)
を観察するときの脳活動を,fMRIで測定。
a)やb)のとき,左上側頭溝(STS)後方,両側の下頭頂小葉,両側の中心前回腹側の活動が上昇。
STSはaudiovisual integrationに,
あとの2領域はmirror neuron systemで(→観察したジェスチャー動作の目的をはっきりさせる),
との解釈。
080210[bx1]発話とジェスチャー(と空間性イメージ)
080210[bx1]-2 co-speech gestures; language; gestures; split brain
Generation of co-speech gestures based on spatial imagery
from the right-hemisphere: Evidence from split-brain patients
co-speech gestures(発話に伴う身振り手振り)の検討。
脳梁/交連切開による分離脳患者3例の,発話に伴う左右手のジェスチャーを分析したところ,
1)左右手ともにジェスチャー動作を行う。
2)言語の左半球優位性がはっきりしている2例では,右手に比べて左手のジェスチャーが
ことばと同期しない傾向。
3)同期しないにしてもジェスチャーが生じている。その原因は→空間性イメージ。
4)よって発話とジェスチャーは密に同期するものの,"dissociable processes"。
080210[bx1]視知覚と視覚性イメージ
080210[bx1]-1 visual imagery; visual perception
Selective deficit of mental visual imagery
with intact primary visual cortex and visual perception
私が大学院生だったころまで,けっこうにホットな議論のあったところ。
視知覚と視覚性イメージがどれくらい心的に/脳的に重なりを持つのかはずーっと長い議論がある。
心的メカニズムとして,
知覚とイメージが共通するメカニズムによって生じるという共通性/乖離の問題。
知覚される/イメージされるコンテンツ(形態よりか空間よりか,などなど)の問題。
脳的メカニズムとして,
視覚性の場合,一次視覚皮質の関与の程度/他の視覚関連領域の関与の程度。
などなど。
心と脳の関係を考える上で,本質的に重要な論点をあれこれ含んでいます。
*
論文そのものは,みるからにもっとも伝統的・正統派な神経心理学論文スタイルで書かれており,
一次視覚皮質がintact(で,他の脳部位に損傷のある)2症例のケーススタディ。
結論だけ書くと,
1)視知覚に問題はなく,視覚性イメージに選択的な低下がみられる(心的メカニズムの話)
2)一次視覚皮質に問題がなくても,視覚性イメージの低下は生じうる(心的/脳的メカニズムの話)
3)左側頭皮質=BA37周辺が,視覚性イメージにとって重要らしい(脳的メカニズムの話)
080210[mz1]特徴存在効果と心気症的な心配
080210[mz1]-1 feature-positive effect; hypochondriasis
The feature-positive effect and hypochondriacal concerns
人は一般に,「陽性」はいいのだが「陰性」の情報処理に困難を示す。
(たとえば,健康診断で,+マークがつくようなところには意識が向き,
-マークのところには注意を向けにくいというような,情報処理バイアス傾向=「特徴存在効果FPE」)。
ところで,心気症傾向の人々は,自己の心身状態に意識が向くものの,
陰性の医学的検査結果は「見ない」傾向が。
→ゆえに心気症傾向の強さは,このFPE傾向の強さと関連するかもしれない。
FPEを,視覚探索パラダイムを用いた実験で測定し,
心気症傾向との関連を見たところ,
有意な正の相関(r=.29, p<.05)が見いだされた。
08 févr. 2008
謝ることのできない人
最近(とりわけ今週),
自分はあちこちですいませんすいませんって言っている(書いている)せいか,
その対比で,「謝ることのできない人」が意識の中で浮上してしまう。
その人のそういう場面を,一度も見聞きしたことがない。
べつに心がこもっている必要もなく,形式的に,ほんのちょっと軽くでいいのに,
その人からひとこと謝罪される,という経験がないなあ,と。
そういう人,自分が大人になってから二人目ですね。
07 févr. 2008
臨床心理学演習Ⅰ(学類)07-3-07
Cognitive Vulnerability to Depression and Axis II Personality Dysfunction
抑うつとII軸人格障害の認知的脆弱性
心理学セミナーピンチヒッター
急遽登場することになる。
現1年生諸君に,2年生の=来年度の履修に関する説明(あれこれコピーして配布)と,
レポートについての指示(「内容の再確認と,「作り方」(表紙とか文献の記載方法など)の教示)。
ついでに,「教科書」に関する評価や意見要望改善策などをこちらにご提案いただきました。
Thanks.
06 févr. 2008
心理的負債を半済するものの
朝のうちにひとつ(郵送で),
夕方までにもうひとつ(メールで),
年貢を納め,外的にも実在する心理的負債を半分返上する。
とりあえず今週ヤマ場で,あとふたつ...
そのうちのひとつは,たしか明日(の何時?)がリミット,と言われている。
05 févr. 2008
080205[???]ビアレビューチェックリスト
080205[???] manuscripts; perr review; productibity
Proposing a manuscript peer-review checklist
投稿論文のピアレビューのためのチェックリスト作成の試み。
一応,medical imaging領域における,という限定をつけているが。
読む側の効率化を図り,
読む側のピアレビューに要する時間を節約して,
読む側のプロダクティビティを上げる,
という目的によるものだそうです。
04 févr. 2008
大学院入試2月期の1日目
人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻〔3年制博士課程〕
と
人間総合科学研究科心理専攻〔博士前期課程〕
の入試が
multitaskingな状況で行われています。行ったりきたり。
03 févr. 2008
080203[mz1]自己同情はovereatingを抑制するのかも
080203[mz1]-1 restrained eating; restrictive eating; eating guilt; self-compassion
Promoting Self–Compassionate Attitudes Toward Eating
Among Restrictive and Guilty Eaters
ダイエット者が,つい何かを食べてしまった後に,ネガティブな気持ちになり,
その結果さらに何かを食べてしまうというovereatingがあることが知られている。
(食べないことへの欲求や努力,食べることへの罪悪感,などが関連していると言われている)。
そのようなネガティブな気持ちを低減させるものとして
self-compassion(自己同情☆)に効果が見られるかどうかを,実験的に検討。
ドーナツを食べる群 (v.s. 水をコップ一杯飲む群)
↓
「食べることに対する」自己同情を誘発するような実験者ストーリー (v.s. なし群)
↓
さらに目の前にたくさんあるキャンディの(偽の)味評定課題
(好きなだけキャンディをお試しできる)
で,どれほど自己同情に効果があるかを検討した。
キャンディは個数でなく,(食べた分減少する)グラム数で測定!
もともと,食べないことへの欲求や努力をしている=restrained eatersは,
自己同情を誘発すると,ネガティブな気持ちが和らぎ,その後のキャンディ消費量も減少した。
080203[mz3]マテリアリズムと生活満足感
080203[mz3] materialism; self-presentational tactics; life satisfaction
Materialism, Defensive and Assertive Self–Presentational Tactics, and Life Satisfaction
マテリアリズム(=モノを所有することを大事にする)★が高い人は生活満足感が低い。
をもうちょっと調べてみると,
マテリアリズムが高い
→(防衛的?対処的?defensiveな)
自己呈示戦略としてのセルフハンディキャッピング戦略をとりやすい
→生活満足感が低下する
という媒介過程も存在するらしい。
『だから対敵動作の基本は「来たものはすべて個別化する」ということです。』
...「敵」のリストを際限なく長くしていくと、何が敵だかよくわからなくなってしまいます。
とりあえず風邪を治すとか、家庭争議を収めるというのと同じで、「敵」というのは
カテゴリーではなく、具体的な状況なわけです。個別的なんです。
だから対敵動作の基本は「来たものはすべて個別化する」ということです。...
養老孟司・内田樹(2007) 『逆立ち日本論』,p.30,新潮社.
31万と雪霙雨
本日11時台に31万アクセスに達しました。
今回は24日間で1万増加(おそらく最速)。
当地では,朝数センチの積雪,その後雪霙(みぞれ)雨をいったりきたり。
すっきりしない空模様です。
080203[y][bx2]DLPFCと抑うつ
080203[y][bx2]-1 emotional judgment; left-right DLPFC imbalance; depression; MDD; fMRI
Imbalance between Left and Right Dorsolateral Prefrontal Cortex
in Major Depression Is Linked to Negative Emotional Judgment:
An fMRI Study in Severe Major Depressive Disorder
「左背外側前頭前野hypo↓・右背外側前頭前野hyper↑」という
インバランス仮説・先行研究を,さらに支持。
080203[y][bx2]-2 affective control; cognitive control; depression; DLPFC; MDD; fMRI
Altered Emotional Interference Processing in Affective and Cognitive-Control
Brain Circuitry in Major Depression
ネガティブ感情的なバイアスの原因として
1) トップダウンな認知的コントロールメカニズムの問題(背外側前頭前野絡み)
2) ボトムアップな感情が高揚しすぎてしまうという問題(扁桃体・前部帯状回絡み)
が考えられる。
恐怖関連刺激を用いてそれらを検討してみたら,結果は「どちらも」。
080203[bx2]RTPJは信念帰属に選択的ではない
080203[bx2]-1 TPJ; theory-of-mind; mentalizing; attention; fMRI
Activity in Right Temporo-Parietal Junction is Not Selective for Theory-of-Mind
(Open Access Articleです)
右側頭頭頂接合部(RTPJ)の機能的役割の検討。
(1)心の理論→信念・心的状態の帰属に(選択的に)関係があるという先行研究があり
(2)nonsocialな課題→課題関連に注意をredirectするという先行研究がある。
その両者を一緒に検討してみたところ,やはり(2)でもRTPJが活性化する。
だから,選択的,というわけではない。
02 févr. 2008
認定委員会・2月
本郷三丁目に。
分担された書類をチームでくまなくチェックして,合格・不合格・保留の判断をする作業。
実働4時間ほどか。
<第6条 認定に従事する者は,公正にその職務を遂行し,その職責に応じて守秘義務を負う。>
公正にその職務を遂行してまいりました。
本日は素早く退散。
*
(会議前,ちょっと早く着いたうえに学士会館分館という場所だったもので)
久しぶりに赤門をくぐって中をぐるっと一周してみた。
構内赤門左手にショップ(!?)ができたり新たな建物を建てたりして少し変わったけれど,
図書館の前などは全然以前と変わらないですな。
見るからにそれらしい観光客が多かった。
私にとってはさほど愛着を感じる場所ではありませんが(ずっと目黒区駒場だったもので),
まあそれでもふた月に一回くらいは来てました,昔は。
080202[bx2]この一週間のイベントを再体験,次の一週間のイベントを予体験
080202[bx2]-2 mental time travel; autobiographical memory; re-experiencing; pre-experiencing; fMRI
Experiencing past and future personal events:
Functional neuroimaging evidence on the neural bases of mental time travel
「過去や未来へメンタルタイムトラベル」の神経基盤。
つまり共通してactivateする脳部位はどこかという話だが,
内側前頭前野と左右海馬。
080202[bx2]海馬が小さいほど賢い
080202[bx2]-1 intelligence; hippocampus; amygdala
Correlates of intellectual ability with morphology of the hippocampus and amygdala in healthy adults
34人の成人(男性19名・女性15名,平均年齢 31.5±11.1歳,18-57)で,
WAIS-Rの下位検査の一部から全検査IQを推定し,
そのパフォーマンスと海馬・扁桃体の体積の相関を求めてみたところ,
左右とも,海馬の体積が小さいとIQ値が高い,という関係性が見いだされた。
小さいと賢い。
言語性IQは左の,動作性IQは右の海馬体積と関連。
anterior hippocampusの'inward deformation'が高IQと関連するという形態的特徴との関連も?!
なお,扁桃体体積とは無相関。
とにかく。小さいと賢い。
080202[bx1]物の位置と視点取得と側頭葉内側部
080202[bx1]-1 perspective taking; spatial memory; medial temporal cortex
Distinct visual perspective-taking strategies involve
the left and right medial temporal lobe structures differently
一側性の側頭葉切除群14例(左7;右7)を対象にした実験。
ヴァーチャルにパソコン上で作成された世界にあれこれの物や人が提示され,
それを5秒見た後に,視点が切り替わる。
この状況で
「物体位置記憶課題」:物体の位置(点灯するランプの位置)が変化したか否か
「視点認知課題」:最初の画面に登場しているアバター★が見ている場面と同一か
判断する課題を施行。
(...コトバで説明するのが難しい;「視点」取得というvisuospatialでmentalizingな話なんで)
結果としては,物体位置記憶課題は左側頭葉切除群で低下,
視点認知課題は右側頭葉切除群で低下,という二重乖離が生じた。
その他,角度の違いの考察とか,各所の切除/非切除部位のvolumeで重回帰分析とか。
01 févr. 2008
平成20年度卒論折衝は終了
今日の夕方「希望届」提出締切で,第7回通常議会は閉会しました。
(赴任して卒論を担当するのは,希望者がいればの話だが,来年度がもう7期目;
なぜかこれ絡みの話は議会アナロジーで語るのが適している気がする)
折衝案件数は過去最多でしたが,さて,ふたを開けてみるとどういうことになっているのやら。
13日の,例の会議デーの会議のひとつでいったん審議されることになっています。
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