080503[bx1]ネガティブなフィードバックによる学習とVMF
080503[bx1]-2 decision making; probabilistic reinforcement learning; OFC; VMF
The human ventromedial frontal lobe is critical for learning from negative feedback
VMF(=both medial OFC and adjacent ventral medial PFC)
内側眼窩前頭皮質・腹内側前頭前野損傷群における
強化学習/value-basedな意思決定課題の特徴。
ひらがなを刺激としている。
<学習段階>では
ふたつのひらがなが提示され[ぬ ゆ],一方が正解,他方が不正解となるような対を
3ペア学習する。以降論文では,[A B], [C D], [E F]。
このとき,ペアごとにその正解/不正解の確率を調整してフィードバックする。
[A B]の学習で,Aが正解である確率が85%,Bが正解である確率が15%など。
基準に達したところで
<テスト段階>に移行する。
テスト段階では
学習段階では出現しないペアを提示し,
[A C],[A D],[A E],[A F]のようなペアにおいてAを選択することを
ポジティブフィードバックによる学習,
[B C],[B D],[B E],[B F]のようなペアにおいてBを選択しないことを
ネガティブフィードバックによる学習という。
テスト段階でどちらの文字を選択するかによって,
ポジティブフィードバックによる学習と
ネガティブフィードバックによる学習を分けてとらえることができる。
VMF損傷患者は,健常対照群,背外側前頭前野損傷群と比較して,
Aを選択する率(ポジティブフィードバックによる学習)には低下がみられないが,
Bを選択しない率(ネガティブフィードバックによる学習)には有意な低下が認められた。
つまり,
VMFはネガティブフィードバックによる学習に関与している,ということ。
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Commentaires
投薬を受けているパーキンソン病例でも似た結果(ネガティブフィードバックが効かない)だったそうです。
タスクもたぶん同じ?です。ひらがなが刺激、というところが印象に残ってます。外人さんには無意味図形のごとく見えるのでしょうね。
Rédigé par: kob | 03 mai 2008 10:28
どうも。
この著者らのところのデータですか?
パーキンソン病でも,っていうのはちょっと意外な感じがします
(仕組みとしてにわかに理解できない感がある)。
ひらがなは無意味図形的でしょうな。
我らが日本語読み書きできる人々を実験するときは,
タイ文字とかデーヴァナーガリーとか悉曇文字とかアラビア文字とか
を使ったりしないといけないんでしょう。
Rédigé par: m0ch1 | 04 mai 2008 00:06
パーキンソン病での結果はMJ Frankらの研究です。
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/306/5703/1940
PDでの学習の問題は、線条体の障害と抗パーキンソン剤が2大容疑者になっていますね。
無意味図形といえば、FrithらのグループがAgathodaimon fontを使って実験してました。どういう出自のものか知りませんが、使えそうな無意味図形です。
Rédigé par: kob | 04 mai 2008 12:12