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13 juin 2008

NP-JC/080613

13日の金曜日,
神経心理学論文を読む会です。


Psychophysics reveals a right hemispheric contribution
to body image distortions in women but not men

・(1)自己身体像,(2)他者身体像(実験者が被写体),(3)コーラの瓶を,画像処理的に太くしたり細くしたりした
  画像を,右視野・左視野・中心視野に提示。
  主観的等価点を測定(「正しい」イメージを選択)する。
・視野条件と性別を独立変数とするANOVA。刺激内容ごとに。
 自己身体像では,女性×左視野提示条件でfatter bias★,
 右視野条件では男女ともfatter bias。中心視野条件ではバイアスなし。
 他者身体像では,性別に関係なく右視野・左視野条件でfatter biasが。
 コーラの瓶は,やはり性別に関係なく,右視野でfatter biasが。
・被験者はいきなり,身体のラインのわかる黒い服に着替えて全身写真を撮られることに
 なっているらしく,このNP-JC女性メンバーのおふたりは「イヤだよねぇ~」と意気投合してた。
・摂食障害と(自分の)身体イメージの歪み,という視点からの研究だから,
 ★の箇所がポイントになるわけだが,実は男性の"slimmer bias"ってことなのかも。
・他者身体像(はたぶん第一著者だが)は,右視野・左視野ともにfatter biasが生じるという
 結果。これは「一般論」なのか「この画像特有の効果」なのかは分けられていない
 (もし他の人ではバイアスが生じないのであれば...実験者もしんどいですな;
  私ってこう見られているんだ,と。)
・上の話が「一般論」であった場合,一側提示でのデフォルトは
 fatter biasが生じることになるらしいから,
 実生活へのsuggestionとしては,
 「できるかぎり両視野提示になるように正面に立つ」と,相手にfatterにみられない
 ということ。それはスリムに見えるということではなく,あくまでもリアルなままに,ということですが。



When “happy” means “sad”: Neuropsychological evidence for
the right prefrontal cortex contribution to executive semantic processing

・右の中・下前頭回および右上側頭回に損傷のあるケースのケーススタディ
 ある検査で,類義語を選択する際に対義語を選択してしまう誤り(の観察)から,
 この点に絞った実験研究。
・類義語-対義語という点に加え,意味的連関の強弱の要因を加えたいくつかの条件を設定。
 (ややこしくてここにはすべて書けぬ)
・意味的連関が弱い条件で,また類義語選択課題での成績がよろしい。
・考察においては四つの「可能性」をあげている。
・「誤り方の観察」からスタートしている点は強調。それが特徴であることに気づくためには
 その場でよく観察していることはもちろんだが,
 事前に知識(先行研究)の蓄積がなくてはならないでしょう。
・言語だから左半球,というわけではなく,右半球にも役割がある,ということ。
・「テレビに出てる人みたいに」右半球・左半球の機能差を語る。
・last authorの大御所っぷりについて。バリバリの認知神経心理学者。UKの人。


Automatic affective stimulus processing is intact
after unilateral resection of the anterior temporal lobe in humans

・扁桃体(と海馬前部)を含む一側性の側頭葉前部切除がプライミングに与える効果。
 ターゲット刺激のポジティブ/ネガティブの判断。
・群(損傷群・健常対照群)×一致性(プライムとターゲットの感情価:一致・不一致)
 で反応時間のANOVA。群及び一致性の主効果はみられたが,交互作用はなし。
 患者群において,損傷側(左・右)×一致性のANOVAも行ったが,損傷側の主効果はなし。
・イメージング研究と損傷例での研究の違い。十分条件と必要条件,というか...
・扁桃体がこの手のプライミングに「必要」であることはわかった。
・「代償的ルート・補償的に機能する脳部位を統制できない」という考察における「限界」なんだが,
 それはむしろ当然。いったいどうやって統制するのか。
  "transparency assumption" (of Caramazza)なくして損傷「研究」はできませんって。
 でもそのassumptionを超えたところに,認知「リハビリテーション」「介入」は成立する。
 

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