NP-JC/080718
Spontaneous confabulations, disorientation, and the processing of ‘now’
自発的作話の生じるメカニズムを探るために,2つの「時間」課題のパフォーマンスを
検討した。「時間」の長さの比較課題と,時間経過イメージ課題。
作話患者群は,非作話患者群・健常対照群にくらべ,いずれも成績が低下していた。
※目的とタスクの対応がいまいち謎。
「今」と「今より前(過去)」の区別の問題をとらえようとしているらしいのだが。
※作話に関わりなく,この課題自体はやってみたいという感想。
※この現象を説明するための「モデル」が示されていて,それが興味深い。
そのモデルを言葉で説明するのは難しいのだけれど,課題遂行中,時間経過に伴って
「健忘症」ではある程度保たれるべき記憶痕跡が速やかに消失・活性の低下,
「作話症」ではある程度弱まるべき記憶痕跡が消えない・活性が持続してしまう
(「健常」は,その中間状態),という感じ。
プライミング課題のパフォーマンスでさらに検討できそう?
※作話の生じるメカニズムはこのように,neuralな/cognitiveなものでいわば「自動的」なのか,
それともpsychologicalな,意図的なのか,議論される。
※大学院の「病態心理学特講」は,このあたりのことをしようか;英文テキストで。
※intrusionとの関連が知りたかったらしいが,モデルは使えるか。
When left becomes right and vice versa: Mirrored vision after cerebral hypoxia
鏡像書字(文字が鏡文字になる,左→右ではなく,左←右に書き進める),
+鏡像読字(正像文字よりも鏡文字の方が速く正しく読むことができる)
現象という珍しい症状を呈した,症例PR(33歳女性)のケーススタディ。
さまざまな課題遂行中の眼球運動を測定することで,これらの症状のメカニズムを考えよう。
文章読み・時計読み・視覚的探索課題・文字読み・反射的サッケード,などなど。
「知覚レベルでの逆転した視野」という仮説を支持するような(次回へ続く)
※不思議な症状を呈する症例の症状をよく分析し,メカニズムを追究するという,
神経心理学の真骨頂とか醍醐味をよく伝える論文。皆興味津々。
※「左右反転眼鏡」かけてみればいいんじゃね?
※タスクの一部はこれにも関係しておりますので,それっぽく説明。
単語の一括反転と,文字のくるくるたくさん反転はしくみが違うのでは。
(このイメージング研究のねらいは,習熟に伴う活動の変化でした)
※ピアノを習っているとちょっと変わってくる(経験的に)?
→総合科目でやる『「左脳」「右脳」話』に関連。
※ひらがなならいたての子どもは,
不意に突然鏡像文字を挿入することがあることの自己経験吐露。
来週は休みで,次回は再来週。8月だよもう。
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