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26 sept. 2008

NP-JC/080926

今日から新メンバーがおひとり加わりました。

冒頭に,先週の神経心理学会のことをちょっと。

Evidence for a selective deficit in automatic activation of positive information
in patients with Alzheimer's disease in an affective priming paradigm

アルツハイマー型認知症(DAT)患者における,情動関連語を用いたプライミング課題。
反応潜時では,群の主効果,ターゲットの意味の主効果はあるけれど,
交互作用がない→DATでもネガティブ語に対する回避的な効果が認められた。
感情プライミングと意味プライミングを別々に検討すると,
・DAT患者ではポジティブ語に対する,対照群ではネガティブ語に対する抑制的なプライミング効果
・DATでは意味プライミング効果が生じない

※DAT群のMMSEの点数がそんなに低くはないけれど,「単語理解」の程度や,
 BDIなどによる「うつ」の程度も測っておいた方がいいねえという話。
 先日のランチョンセミナーでもdepressionとdementia,という話を聞いたばかりだし。
 →でもそうやっていろいろな検査データをとりすぎると,わけがわからなくなることもある。
※半球とポジティブ/ネガティブ感情処理,の話はいつもどうしても混乱する。
※「『涙』の意味」という例でconnotationを説明。我ながらよくできた例だった。



Emotional memory in schizophrenia

統合失調症者の情動的記憶。扁桃体機能低下仮説を検討するという趣旨。
言語刺激を使わないで,IAPS画像を刺激として提示し,
覚醒度評定→(10分後)画像の直後再生byコトバ→(3週後)再生byコトバと再認。
対照群と比較して,
・覚醒度の評価に群間差はなし
・再認率を見ると,対照群ではポジ・ネガ>ニュートラル(情動的刺激の再認はよい)が,
 統合失調群ではポジ=ネガ=ニュートラル
・再生率は,ポジ・ネガ>ニュートラルだが,
 統合失調症群ではネガティブ画像,ニュートラル画像の再生が不良

※扁桃体が絡んでいる,ということにして説明するとわかりやすいというだけで,
 構造画像も機能画像も見ているわけではない。
※で,結局視覚情報の流れを見ると,ポジティブとかネガティブとか,どこがどういう
 タイミングで「判断」(?)しているのかよくわからなくなってくる。
※認知と行動はいいけど,主観的経験っていうのは??
※「ネガティブ」だけじゃおおざっぱなくくりじゃありませんこと。
※基本的な感情って...どれなんでしょう?発達とか進化とか。
※右翼と左翼の話,説明のスタイルとして(←ただし今の大学生はそういうのわかるんでしょうか)

次回予定の一本は apraxia 論文らしいっす。
学会に参加して<目覚めた>みたいです(笑)

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