« 認定委員会・10月 | Accueil | 「応募者ログイン」できません »

20 oct. 2008

心理学英書講読-7

私自身は2週間ぶりでしたが,受講生諸君にとっては,5日ぶり。
記憶とか学習とか思考とか,今回は認知心理学的なのが多かったような気がする。


発表順。


グループ2:
Regarding Scenes
風景に含まれる「何か」に引かれて(ボトムアップ的に)サッケード&固視が起きるのか,
それとも「何か」を探すように(トップダウン的に)サッケード&固視を起こすのか,という論点。
→どちらも。場所だけじゃなく,注視時間にも両者の関与がある。


グループ3:
You Can't Take It With You:
The Translation of Memory Across Development

幼児期健忘を,「覚えてない」ことだけじゃなく,「どういう形式でなら覚えている」かについて,
ラットとヒトの実験的研究。フォーマットの問題,ということはある。
しかし「更新」作業をすると書き換えられるかも。
→幼児期の経験でうんぬん,というよくある心理学的「お話」の,真なる部分と偽なる部分。


グループ6:
Aging, Executive Functioning, and Social Control
加齢と(前頭葉の萎縮と)遂行機能低下と社会的コントロール(のうまくいかなさ)。
偏見とかおしゃべりに過ぎることとかうっかり言ってしまう独り言とか
ruminationの止められなさ(→late-onset depression)とかギャンブルとか。
※面白いじゃないか。
※"older"と議論するのは,午前の方がよいというデータ。
  いかにもそれらしい話だ,経験的に。
※でも会議はたいてい午後にあるのだけれど。


グループ5:
New Developments in Understanding Skilled Performance
ふたつの「スキル」の発達について。
その1。「速く正確に」。それなりにできるようになる。
その2。「領域特異的知識の増大」。the rich get richer, while the poor do not
("fan-spread effect" or "Matthew efect")...残念ながら。
※英語論文を読む正確さと速度は上昇するが,心理学的知識が等しく増大するかは...


グループ4:
Metacomprehension:
A Brief History and How to Improve Its Accuracy

メタ理解。「『何を理解していて何を理解していないか』を理解すること」なんだけど,
議論はその主観的確率と,実際のパフォーマンスの解離の話。
(相対的)メタ理解度とか(絶対的)メタ理解度とか,それをどう測定するか,みたいな。
※私のこの論文のメタ理解,理解度の主観的確率は(0-100で)50くらいか。
※こうして要約を書くことで少しメタ理解が向上するらしい。すぐではなく,少し時間をおくとよろしい。


グループ1:
Negative Emotion Enhances Memory Accuracy:
Behavioral and Neuroimaging Evidence

タイトル通りで,ネガティブ情動は記憶の正確さを向上するという話。
行動的データと,ニューロイメージングな(扁桃体のアクティベートの度合い)データと。
※でも,なんでもネガティブなことであれば詳細かというとそうでもなく,また
 扁桃体のデータも,研究間に相違がある
 (ポジティブなものも含めて,情動的であれば活動を示す,とする研究もある)


宿題:
Developmental Instability and Individual Variation in Brain Development:
Implications for the Origin of Neurodevelopmental Disorders

神経発達障害。DIモデルというモデルで。進化理論とか遺伝学とかも含めて
※難しそうじゃ

なんだ,5分でだいたい説明できるんだ~。
次回はともかく,その後の2回は,「グループごと」テーブルにしないで,
各自に,まるごと全体を読んでもらおう
(最後の15分くらいは,相談してまとめてもらう時間)。

なんて実験的授業。

 *

授業に来る前に目撃した「ちょっとした出来事」にイラッとして,
それを冒頭にみんなに吐露したのですが,
期せずして

 ・ ネガティブな情動を伴う出来事についての記憶は,詳細まで思い出しやすい
 ・ コトバの抑制能力も,加齢に伴って低下する

いずれの説によっても私の行動は説明されるのであった...
かように,
特定の人物の特定の行動を,ひとつの理論/仮説のみで説明することは
「正しくなさげ」なのである。

なお,
後者(抑制能力の低下)については,
有酸素運動を行うまたはコーヒーを飲むことでちょっと良い効果があると
書かれているんだが...本当か。
実証的データを見て吟味する前には,「そのままうのみにしてはいけない」。

ちなみに私は,コーヒー飲んでましたけど。

|

« 認定委員会・10月 | Accueil | 「応募者ログイン」できません »

04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事

Commentaires

Poster un commentaire



(Ne sera pas visible avec le commentaire.)


Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.



TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27740/42852175

Voici les sites qui parlent de 心理学英書講読-7:

« 認定委員会・10月 | Accueil | 「応募者ログイン」できません »