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26 oct. 2008

081026[mz2]赤色知覚が知的パフォーマンスを低下させる

081026[mz2]-1 red; avoidance; focus of attention; performance; mediation
Mediation of the Negative Effect of Red on Intellectual Performance.


赤色が知的成績のパフォーマンスを低下させるという話(Elliot et al., 2007)の続編。

数学の問題を解くに,カバーページに赤い四角形を見てしまうと,
灰色の四角形を見たときよりも成績が低下する(実験1;先行研究の追試)。

なんでそういうことが起こるのかを,さらに検証。
赤色→■→成績低下,という因果があると仮定して,この■に入る事柄を明らかにしたい
(この■の部分を,媒介変数という)。

実験2aでは,局所的/全体的処理モードを検討するために,図形のマッチング課題を施した。
その図形とは,小さな四角形でできた大きな三角形,のようにできていて,被験者は
四角形か三角形を選択する,というような感じ。四角形を選べば局所的,三角形を選べば全体的。
条件の与え方は,基本的に実験1と同様。
→赤色条件では(灰色条件に比べて),局所的な方の選択肢を選ぶ率が有意に多かった。

実験2bでは,上の図形マッチング課題で「注意焦点」を操作してから,数学問題を解かせると,
たしかに局所的処理群の数学課題の成績が有意に低下することを確認。

実験3では,上の実験をすべて絡めて,媒介変数を特定する。つまり,
色(赤色 vs. 灰色) → 処理(局所 vs. 全体) → 数学問題の成績
...予想通り,赤色→局所処理→成績低下,が(重)回帰分析で示された。


本当はそれだけではなくって,もう少し背景的なところがあり,

赤色は(「失敗」や「危険」と連想的につながるので)達成場面における回避動機を促進する
というのが発想の前提にあり,かつ
回避動機は,注意の狭小化を引き起こすので,局所的な処理傾向を促進する
という先行研究にも基づいている。

 *

単に「赤色は成績を落とします」って言ってしまったら,
ややうさんくさい,通俗的な色彩心理学になってしまう。
どうして,という根拠の部分を追究するときの姿勢とか,
やり口・手法の学習という点でも,良い研究だと思われる。

 *

もうひとこと,方法論的なところでやや小難しく補足すると,
この研究では媒介変数を
measurement-of-mediation approach(実験3),
experimental-causal-chain approach(実験2a&2b)
の両者を補完的に用いて検討する,という発想があって,その点でも参考になる。
(このあたりの理論的・方法論的な考察は,Spencer et al., 2005というのがあるらしい;
知らんかった。

 *


めずらしく(初めて?)色を使ってみた。
赤色

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Commentaires

この論文,けっこうみなさんお好きなようですね。

「対人関係」の方のも,JPSP11月号に。
"Romantic red: Red enhances men's attraction to women."
http://psycnet.apa.org/journals/psp/95/5/1150/
※うちの大学はAPA雑誌はすべて「紙媒体」でしか読めないので,
 まだ本文は読んでおりません。

どうぞ女性の皆様方におかれましては,
赤色を効果的にお使い下さいませ。
(個人的には,上から下まで全身赤ずくめ・赤一色だったりしたら,
積極的に回避=近寄らないようにすると思うけど...)

われらオトコ側は,ではどうしたら。
practicalな知見を求めます。

Rédigé par: m0ch1 | 29 oct. 2008 07:12

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