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10 nov. 2008

心理学英書講読-10

昼休みをはさみまして,2コマ目・3コマ目。

今学期の最終回でした。みかんを配給。

では,いつものように発表順に。

グループ1:
Structural and Functional Neuroplasticity in Relation to Traumatic Stress
PTSDと海馬の萎縮。「卵が先か鶏が先か」。
longitudinalな研究が求められるわけだけど,ね。
(最近ちょっとこのあたりの話題に個人的には詳しいんだけど,ね)。


グループ5:
Parent–Infant Synchrony:
Biological Foundations and Developmental Outcomes

親子の「同期」についてのあれこれの話。心拍まで同期するらしい(動悸,じゃない)。
乳児時代の同期の程度は,2・4・6歳時点の自己制御能力を予測するんだとか。
※「母」と子,だけじゃなくって父子の話もあってよろしい。
 親は母だけじゃないことは,特にその手の「研究者」には何度でも口をすっぱくして言いたい。


グループ3:
Identification of Genes Influencing a Spectrum of Externalizing Psychopathology
externalizingな問題(アルコール/薬物依存,素行障害,反社会性など)に
共通して関係しそうなGABRA2とかCHRM2という遺伝子の研究についての紹介。
※"dimensional models" vs. "categorical models"の話をする。
 前者を認めなければアナログ臨床心理学的・精神病理学的研究は成立しないわけで。


グループ4:
Psychology and Experimental Economics: A Gap in Abstraction
「心理学」と「実験経済学」の間に横たわるギャップについて。
目指すところは同じようなところであっても,それに至る道筋はだいぶ異なりますよ
(特に,実験的検討でなにを抽出・統制するか,とか。)
※繰り返し申し上げていますが,経済学にはもっとも関心がない。
 カネに縁がなく執着もないせいか。


グループ6:
Capturing the Naturally Occurring Superior Performance of Experts
in the Laboratory: Toward a Science of Expert and Exceptional Performance

エキスパート研究の最近の動向!?いまいち何が焦点なのかよくわからない論文。
でもところどころ,イタイ感じの記述があって,その点は面白い。どこがとは言わない。


グループ2:
Stress, Energy, and Immunity: An Ecological View
「免疫」を活性化することは,ふつう良い面だけが強調されるが,コストもかかるわけで,
適切なOptimum地点がありますよ,ということとか,
楽観性の強い人はhigh-demandな場合に,免疫力がむしろ低下する話とか。


宿題(今回分ももちろんあるのだ):
The Strength Model of Self-Control
これが宿題になっちゃうのはもったいないくらい。
面白い話だと思いますよ。自己コントロールについての力量モデル。

結局,他のグループの発表を聞いて読んでみたり,
宿題をちゃんとこなしていると(そういう人はかなりまれだが)
70本の論文を読んだことになる。
この雑誌の2007年発行の6号分の論文を,すべて。

それはともかく,
来週16時までにレポートのミニマムリクワイアメントもきちんとこなしてください,諸君。

 *

3年生になったら(場合によっては,2年3学期からもアリか),
こういったreviewじゃなくoriginal articlesを演習などで読む機会が多くなると思うけど,
この英書講読で読んでいたような論文よりは「わかりやすい」と思うので,ご安心あれ。
もっと専門的に領域に特化した論文を読むことになろうし。
(ただし,研究デザインについての知識とか,統計手法についての知識は求められるわけですが)

 *

英語を読む方はみな読むんですけど,質疑が概して低調だった点は完全に不満。
もっと自由闊達にディスカッションできないといけません。

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04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事

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