心理学英書講読-9
総合科目は2限,こちらの授業は3・4限。
久しぶりの3コマしますデーでした。
(来週月曜日に,もう一度繰り返すことになる)
残り2回ということで,今日もやり方を変えてみた。
いつもは,まずグループを形成して論文を読んでもらうのだが,
往々にして「担当個所を決めて分担」というスタイルになってしまうので,
今日は読む論文だけ決めて最初グループにしないで,ひとりひとりが50分ほど
論文を読み,その後20分強話し合ってもらって,
次の時間にグループごとに発表する,というスタイル。
いいかげん,論文全体の構成,という方向に目を向けてもらわないと。
いつまでもひとりでは論文を読めなくなってしまう。
といった感じでしましたけど,今回もやっぱり
なんだやればできるんじゃんみんな
...最終回もこの路線で。
*
いつも通り発表順に感想的ダイジェスト。
グループ3:
The Dumbledore Hypothesis of Cognitive Aging
ハリーポッターのことを知っていると少しわかりやすいみたい(おいらはよく知らない)。
加齢による認知的な低下を防ぐ方策についての話。チョイスによって変わってくるのだと。
"attentional engagement"と"activity engagement"を。
グループ2:
Loss of Cells—Loss of Self:
Frontotemporal Lobar Degeneration and Human Emotion
FTLD(frontotemporal lobar degeneration)についての解説文書。マニアック。
情動のあれこれを研究するにはsuitableなところがあるけれど,単にイチゼロで障害ありなし
とするのではなく,情動の反応性・制御・理解をきちっとわけて研究しましょうね。
自己意識的情動とか複雑な情動で,にとりわけ強く障害が明らかになるとのこと。
グループ5:
A Stimulus-Oriented Approach to Memory
記憶研究ではあまり本格的に扱われていないけど,覚えるべきテストマテリアルの
similarityを考慮すべきで(Global matching model),さらにhomogeneityを計算した
Noisy Exemplar Model(NEMo)が,なおよろし。
※何がよろしいのか判然としないんだけど...
※ファインディング・ニモのニモと同綴です。NEMo。
グループ1:
Learning Abilities and Disabilities:
Generalist Genes, Specialist Environments
学習能力・学習障害の遺伝と環境の問題。例によって双子研究の成果から。
行動遺伝学に関する先行知識がないと読むのはかなり難しいですけど,
要するに,遺伝の影響大で,それ以外のshared/nonsharedな環境の影響はいかほどか。
※著者らは"generalist genes"という考え方を示している。
考え方。genesと複数形になっている点は注意。
グループ6:
Evaluating the Theory-of-Mind Hypothesis of Autism
自閉症の「心の理論障害」仮説を,やや批判的に論じる。
自閉症児者のすべてが,おしなべて「心の理論課題」に成功しないわけでもないし,
自閉症児者の症状のすべてを「心の理論」で説明することもできないではないか,と。
→で結局今後に期待しよう。やっぱmirror-neuronですわ,という展開。
グループ4:
For Better and For Worse:
Differential Susceptibility to Environmental Influences
難解じゃ。逆境にいる子ども(たち)は,そのよろしくない環境の影響を受けることで
ネガティブな効果を発生させるかもしれないし,逆にむしろそのような環境にいるからこそ,
ポジティブな,支持的な効果を発生させるかもしれない
(一般には,前者のことしか考えられてないけど)。そのあたりの知見とか,考え方とか。
宿題:
Negotiating Interracial Interactions:
Costs, Consequences, and Possibilities
人種間の相互作用・接触(と「偏見」)の話。
アメリカの次期大統領はオバマさんになりましたが,
positive interracial contact experiencesは増大する方向になるか,そのためにはどうしたら。
「お持ち帰り」質問紙の方も,極力ご協力いただけると幸いです。
体験的学習。
「世代間(学年間)貸し借り」の世界だと思ってくださいませ。
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Commentaires
そういえば久しぶりに「全員集合」だった。
学期末が近づいていることを,そういう点からも感じました。
Rédigé par: m0ch1 | 06 nov. 2008 20:46