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13 févr. 2009

08神経心理学15&16

遂行機能からスタート。

「090213.pdf」をダウンロード

いつもと違って,まずは「前頭前野」の話から(←これは「総合科目」と同じ構成)。
いや,使い回しというわけではありません;effective perfromanceとみていただきたい
(実際,中身がそうそうかわるわけがない)。

昼休みをはさんで,少し知的なexecutive functionから,
パーソナリティとか衝動性とか攻撃性とか抑うつといった話に移行する。

で。
「感情・パーソナリティ・社会的認知」(だいたい今日はPFCがらみの日,ということ)。
ですが。
授業の準備(いつもな配付資料とかプレゼンとか)が不十分であったので★,
文字いっぱいの論文な配付資料をお配りしつつ解説。

「感情の神経心理学研究史」みたいになってしまった。
感情体験そのものを神経心理学的に研究する,というのは難易度が高く,
まずは他の認知行動機能と同様に,「感情認知」「感情表出」の研究が。
感情認知といっても,表情,動作(ポーズ),プロソディ,文章などの感情認知がある。
(表出も同様)。

表情,を例にとると。
相貌失認とは異なる,表情失認(prosopo-affective agnosia)の発見的な報告。
 ↓
右半球損傷 vs. 左半球損傷の群間比較,とか(→右半球損傷で),
表情認知と表情表出の関係とか(→右半球損傷群では入力と出力にシステマティックな関係),
それをどう解釈するかのふたつの考え方とか。
(「箱」に入る矢印と,「箱」から出る矢印の同時的な障害,と考えるか,
 「箱」そのものの障害と考えるか。
 どちらがサイエンティフィックにパーシモニアスか。
 どうすればどちらの説がもっともらしいと決められるか)
 ↓
扁桃体損傷による「恐怖」表情カテゴリーの障害。とそれ以降の研究の発展とか。
(障害なし,という研究もある;「恐怖」以外のカテゴリーは?;イメージング研究など)

配りものには
「社会的認知」とか「心の理論」とかも含まれていましたが,
今日はここまで。
いつものような資料は次回きっちり配りますです(...すいません...)


今日の二冊
前半:『前頭葉は脳の社長さん?意思決定とホムンクルス問題』←これしかないと思います。
※あ,こんなのもありますが...少々クセがある気がします。

後半:『感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ
※ワタクシ的には唯一買って,手元に残しているDamasio本です。
※ニューロ「サイコロジー」的にはまああちらよりはこちらかと。

★準備不足という意味では"dysexecutive"だったともいえるが,
 「executive functionだけでは2コマもたないであろう」ことがわかっていたので,
 他の手立てを考えておいたという意味では"executive"だったのかもしれない。
 便利な概念だけど多義的だな~executive functionて。

 このあたりは,研究の実質的スタートが比較的最近1990年代中頃からであり,
 ま,ホットなところですから,
 授業として扱う際の何をどう選択するか/ストーリーどうしようかが,ちょっと難しい。
 (お手軽に参照できる教科書的記載が多くはないので),
 というのが,「まじめないいわけ」です。

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