「卒業研究論文データベース」更新作業
こちらの。
2008年度分55本を追加して,累計2001本となりました。
090330[mz1]-1 schizotypy; autism; creativity; convergent-divergent thinking
An investigation into the relationships between
convergent and divergent thinking, schizotypy, and autistic traits
"negative schizotypy"と自閉傾向と収束的思考に関連がみられたが,
"positive schizotypy"と拡散的思考には関連みられず(←予測が外れた)。
090330[mz1]-2 schizotypy; affective temperament; divergent thinking; creative styles
Schizotypy and affective temperament:
Relationships with divergent thinking and creativity styles
schizotypyと気質の組合せで拡散的思考が決まる?
→"positive schizotypy"が創造性のスタイルと関係しており,
気質は創造性のスタイル・拡散的思考と関連していた。
090330[mz1]-3 schizotypy; creativity; group problem-solving
The role of schizotypy and creativity in a group problem-solving task
schizotypy度の高群・中群・低群ごとのグループを作成し,
「グループ問題解決課題」をさせると,ちょうど逆U字型のようなパフォーマンスとなった
(schizotypyの低群および高群のパフォーマンスはよく,中群がよろしくない),
という意外な結果。
090329[mz1]-1 schizotypy; emotional dysregulation; blunted affect
Emotion dysregulation and schizotypy
「お笑い」ビデオを見ているときに,感情表出を「増幅」「抑制」するという実験。
スキゾタイパル傾向の高い人々は,
情動の表出行動の「増幅amplification」コントロールが困難で,
これが感情の平板化と関連していた。
そうそう買ったときはこうだった,と思うほどに。
表面の仕上げもこんなんでしたわ。
こんなにみちがえるようによみがえるとは。
マリッジリング。
あと,内側のストーンはず~~っとなかったのですけど,
これを機会に新たなものが「埋め込まれる」こととなりました。
サファイア→そう聞くと,青っぽく見えてきませんか。
今日のパーティーで,どなたかがそうスピーチされてましたけど,
ほんとそう思いました。
私が大学というところで,学生さんたち・院生さんたちと「研究室」という
一構成単位をこれからも作り続けていく間は,
そうありたいものだと心から思いました。
昔,院生~助手時代にお世話になった先生の
「退官記念」パーティーに出席することになっている。
日比谷公園の真ん中,緑あふれる森のレストラン。
なんでも,予定者120名を超える盛大な会とのことで。
そのことだけでも,多くの人が集うイベントが大好きな,
いかにも先生らしさあふれる会である気がする。
090328[mz1]-1 metacognitive model; OCD
An empirical test of the metacognitive model of obsessive-compulsive symptoms:
Fusion beliefs, beliefs about rituals, and stop signals
Wells, A.(1997)のメタ認知モデルの実証的検証。あれこれの質問紙。
思考混同についての信念(thought-action fusion; thought-event fusion; thought-object fusion),
"儀式"(rituals)についての信念,
「停止信号」についての信念,
が本当にOC症状に関連するかを階層的重回帰分析で→確認。
090328[mz1]-2 meta-memory; OCD
The relationship of cognitive confidence to OCD symptoms
こっちは「記憶に対する確信度」というメタ記憶とOCDの重症度との関係。
090328[mz1]-3 social phobia; social anxiety; shyness
Differentiating social phobia from shyness
「社交恐怖・社交不安障害」と「シャイ」を弁別する。
social phobia群,shy群,non-shy群の3群比較。
090328[mz1]-4 anger; interpretational bias; homophone spelling task
Anger potentiates the reporting of threatening interpretations: An experimental study
"homophone"(同音異形異義語)をどう捉えるかの解釈バイアスの実験的研究。
vignetteとmusicで気分誘導(怒り・不安・幸せ・中性)されたあと,どうなるか。
→怒り,不安で,脅威語側へのバイアス。
怒り誘導におけるバイアスは,特性・状態不安や特性怒りによらない。
090328[mz1]-5 spider fear; moving spiders; attention
Attentional bias to moving spiders in spider fearful individuals
モゾモゾと動くクモ(ほとんどの先行研究では静止画像のクモ)に対する注意バイアスを
dot probe taskで実験的に検討。
→クモ恐怖度の高い人々は,そうでない人々にくらべて動くクモにより注意を向ける。
しかし,「クモがこれからどっちに動きそうか」の予測は,恐怖度の高低に左右されない。
(クモ恐怖度が高いからといって,クモの「次の動き」をより「読もうとする」わけではない)
090327[bx2]-2 cognitive styles; fMRI
The Neural Correlates of Visual and Verbal Cognitive Styles
Vervalizer-Visualizer Questionnaire(VVQ)という質問紙を用いて認知スタイルを,
WAIS-IIIの「言語理解」群指数と「知覚統合」群指数によってそれらの能力を測定された
被験者が対象。
MRI装置内では(オリジナルなタスク?)
Picture-Picture,Word-Wordの類同性の判断を求めるような課題を遂行。
→ "Visualizer"は紡錘状回,Word課題もvisualにやっていて,
"Verbalizer"は縁上回,Picture課題もverbalにこなしているようだ。
もちろん,尺度上の得点と,これら領域のactivationの量には相関がみられている。
WAIS群指数で測定される「能力」とこれらの脳部位の活動には相関はみられない。
090327[bx2]-1 first impression; fMRI
A neural mechanism of first impressions
顔写真とともに,どんな人かを記述する文章を呈示(positive×3→Negative×3,またはその逆),
その後に,好きか嫌いかを8段階評定する。
その8段階評定の結果によって,
記述文章が(第一印象に)対応しているrelevant/対応していないirrelevantかが示されることになる。
→第一印象と文章が対応しているときは,対応していないときに比べて
扁桃体と後部帯状回の活動がみられ,
その好悪度とBOLD signalの相関も.84~.95と有意であった。
前に一度話題にしていたことですが,自室に(も)導入してみた。
けっこうソフトウェアのインストール作業に時間をとられた。
こちらのフラットベッドなスキャナAと,
こちらのドキュメントスキャナBを,並置的に。
やっぱ全然使用目的が異なるから,両方あったほうがいいなこれ。
~たぶん,Aは授業準備で使うことが多く(書籍にある図の一部を,とか,そうするしかない);
Bは会議資料なんかを電子ファイル化する(「ページ」「枚数」多いし)~
スキャナといえども,まったくベツモノと考えた方がいい。今さら実感。
Aは,相当静かであることを確認。
(それまで使っていた「複合機」の音量とは雲泥の差;ソフトウェアも使いやすい)
Bは,相当速く便利であることを確認。
あと,楽しい。たぶんその後行う「シュレッダー送り」作業を含めて。
(でも,nomuyakaさんのご指摘の通り,紙送り機能はイマイチのもよう)
昨日の学類学位記授与式にて,学類長が。
『ツァラトゥストラ』ですよね。
~
高く登ろうと思うなら,自分の足を使うことだ。
高いところへは,他人によって運ばれてはならない。
人の背中や頭に乗ってはならない。
~
式辞でニーチェとはなんともスタイリッシュだと思ったので。
こうして記憶にとどめよう。
明日のレクチャーでは「かしこさ」ということについて話をすることになっている。
だいたいできてきた。
それで,
時間が短いのでそこまで到達するかわからないが,
(場合によっては,の話のネタのために)
「かしこさ」のアチラの側面,と思われる,EQS(エクス)をやってみた。
090324[bx1][bx2][y]-1 IGT; decision making
Construct Validity of the Iowa Gambling Task
(珍しく)レビュー論文を。
けっこうあちこちで使われているIowa Gambling Taskの構成概念妥当性に関して。
"hot" decision making,
ventromedial prefrontalとの関連(症例研究,イメージング研究),
遂行機能との関連,
発達的変化(子どもから高齢者まで),
精神疾患での知見(物質乱用,病的賭博,OCD,統合失調症,ADHD,サイコパシーなど),
パーソナリティや感情との関連
などが紹介されたうえで,考慮すべき以下3点を挙げている。
1) 「行動指標」なので,VMPFCなどの脳構造との関連づけは慎重に
(他の神経心理学検査などのパターンと関連づけて考えるべき)
2) 信頼性や練習効果について,もっと研究が必要/
longitudinalやpre-posttreatment designでの使用ということ。
3) パーソナリティや気分・状態感情との関連について,もっと研究が必要
衝動性やsensation seekingとか。
"building D"からの,帰りのエレベーター~駐車場まで,歩きながら話。
忘れそうなので書いておく。
ギブアンドテイクがあってしかるべきなのに,
こちらのギブ=あちらのテイクが少ないんじゃない?という話。
制限がありすぎるんじゃない?という話。
「専攻」というまとまりとしてこの状況はいかがなものか,という話。
→総合的に,まったくもっていちいちごもっともなお話。
そういうのを,
「自発的にやるように」促される。
統一ユーザアカウントなるものが発行されて,使えるようになった。
学内連絡用(もちろん,あちらからこちらに一方的にやってきる連絡事項というイミ)には
このメールアドレスを使うのだそうだ。
でももちろん,学外とのやりとりもできる。それはもう試してみた。
アカウントの最後に奇妙なアルファベット2文字がついているのだけれど,
これって他の皆さんと同じなのか異なるのかは気になる。
学内教員の誰かからメールが来るのを待ちましょう。
今度の火曜日。
前に担任をしていたクラスの3人と,ランチすることになった。
そういや,学生さんと昼ご飯を食べる機会というのは初経験かもしれない。
<夜の飲み会より緊張していたりして>
090322[bx2]-1 action observation; pretend action(pantomime)
The Case of Pretense: Observing Actions and Inferring Goals
(Free)
物品使用行為の観察についてのfMRI。
Fig 1.のように,「(手にした)ペンで字を書いている」を観察する-real action-と,
「(手にした)はさみで字を書く"ふりをしている"」を観察する-pretend action-の条件を設定して,
これらの条件下での脳賦活領域の共通点・相違点を探っている。
脳のどこが...は,関心のある方には論文を読んでもらうことにして。
手にしている物品を異なるものに替えることで,
「物品そのもの」と「行為そのもの」を分離してみることができ,
純粋に「行為そのもの」の観察から「何をしようとしているか」を推測することになる,
っていうのは,
患者さんを対象とした神経心理学研究ではあまりなされていないですね。
(「その物品を手にしているようなつもりになって」=何も手に持たず,がメイン)
むしろ,「ある物品をあたかも別の物品のように使う(「使ってしまう」)」という意味で,
誤反応の一選択肢的位置づけになっているかと。
今日は妻子が泊まりでお出かけで,私は夕方から夜まで大学自室におり,
ごそごそと仕事やら片付けの続きやらをしていたのですが。
ちょっと部屋に顔を出して,話を切り出してきた彼には,
そのようにしか,それだけしか,言ってあげられなかった。
でも。
すべきことはいま,それしかないんだよ。
090320[y][bx1]-2 Asperger disrorder; DSST
Neuropsychological mechanisms of Digit Symbol Substitution Test impairment
in Asperger Disorder
アスペルガー障害群におけるDSST(WAISの「符号」のような)のパフォーマンス低下の原因を探る。
DSST以外に6種類のタスクを施行して,健常対照群と比較する。
→アスペルガー障害群のDSSTの成績は,運動緩慢と,情報量増大への対応困難による
vs. 健常対照群の成績は,注意のシフト能力によって規定されている。
090320[y][bx1]-1 impulse control; pathological gambling; bulimia nervosa
Executive functioning among female pathological gambling and
bulimia nervosa patients: Preliminary findings
...その共通点は,衝動制御にあるんじゃないかということで,
WCSTと,(オーソドックスな色-単語)Stroopのパフォーマンスを比較検討。
それぞれ15名の患者群と,健常対照群15名の計45名の女性が対象者。
→Stroopでは差なし。
WCSTでは,病的賭博群は総試行数および保続エラー数が多く,
大食症群は非保続エラー数が多かった。
「遂行機能障害」はみられるが,両群間ではその理由に違いがあるようで,
病的賭博群は認知的柔軟性の低下,大食症群では注意の転導性の亢進。
★WCSTの"conceptual level response"という指標(も取っているが),
あまり見かけない。
「達成カテゴリー数」とは違うようで。
090318[bx2]-1 cognition; emotion
Tuning down the emotional brain:
An fMRI study of the effects of cognitive load
on the processing of affective images
IAPSのネガティブ映像を視る
↓
扁桃体や右島のactivate
↓
計算(画面上の数式が正しいか誤りかを判断)。特に負荷が高い小難しいやつ。
↓
右背外側前頭前野や右上頭頂小葉のactivate。
このとき,
1)扁桃体や島などの"emotional brain"はdown-regulateされる。
2)自己報告によるネガティブ感情も減少する。
3)前頭前野の活動と,扁桃体や島の活動には有意な相関関係がみられる。
TWINSで,3学期(や通年科目の総合成績)の参照が始まりました。
クラス担任としては,気になるところです。
(「お呼び出し」すべき人はいないかどうか,とか;
成績優秀な方でもっと勉強したい人には,単位制限を超えた履修を促してみようか,とか)。
再来週の水曜日はもう4月1日。
昨日今日と,
今年度のこと and/or 新年度のことで
ご挨拶がてらのあれこれにいらっしゃる人々とお会いしてお話ししてます。
希望と感傷の入り交じるシーズンです。
どうやらスギ花粉は終息傾向のようで,
(&私はヒノキ花粉には強いらしく)
午後はかなりスッキリしてきた。
目もかゆくないし,鼻もムズムズしなくなってきた。
外の風が心地よかった。
頭や心の働き具合もすっきりとクリアに転換できるといのだけれど。
090317[y][bx1]-1 schizophrenia; social cognition; ToM; community functioning
The predictive value of measures of social cognition for community functioning
in schizophrenia: Implications for neuropsychological assessment
看護師さんや家族によって評価されたコミュニティ機能状態(セルフケア・仕事・対人関係)★は
一般的な認知機能や精神症状よりも,
社会的認知(情動認知-プロソディや表情-,ToM-faux pas task-)によってpredictされる。
特に,ToM課題成績によって。
なお,健常対照群では一般的な認知や社会的認知とコミュニティ機能状態の間に,
上記のような関係はみられなかった。
★Social Functioning Scaleで評価された。7つの下位スケール。
1) social engagement/withdrawal; 2)interpersonal behavior; 3)independence competence;
4) independence performance; 5)recreation; 6)prosocial behaviour; 7)employment
090316[y][bx1]-1 depression; executive function; outcome
The relationship between cognitive function and
clinical and functional outcomes in major depressive disorder
初診時の神経心理検査成績で3ヶ月後の予後を。
→初診時のWCSTの保続エラー数の多さは抑うつの予後不良を予測する。
→WCST保続数とevent-basedなprospective memoryの成績低下は,
社会・職業的状態の悪化を予測する。
090316[y][bx1]-2 depression; attention; memory; executive function
Cognitive impairment in unipolar depression is persistent and non-specific:
further evidence for the final common pathway disorder hypothesis
急性の抑うつ,その寛解remission,寛解後6ヶ月経過時点での神経心理検査得点の変化はあるか
(神経心理症状は,どの程度抑うつ症状由来か,本来的な「障害」か。)
→注意・記憶・遂行機能の障害は,抑うつの寛解後も多くの患者で残存する,
「特性的な」様相である。
開発,というテレビニュースを見た。
こちら (←マイコミジャーナル記事2009/03/16から拾う)
NHK水戸放送局のニュース・ナレーションによると,
「美人顔」
だという。
そうかぁ??と思ったが。
090316[bx2]-1 impulsivity; prefrontal; VBM
A voxel-based morphometry study of frontal gray matter correlates of impulsivity
いかにもありそうな研究だが,衝動性と前頭前野の体積(VBM)の関係についての
先行研究はないらしい。
で,Barratt Impulsiveness Scaleで衝動性を測定し,それをやってみたところ,
・ 左右OFCの灰白質体積が小さいと,衝動性の総得点が高い
・ 右OFCの灰白質体積が小さいと,BISのnonplanning得点が高い
・ 左OFCの灰白質体積が小さいと,BISのmotor得点が高い
・ いずれも白質体積は無相関
rの値はいずれにしてもそんなに高くはないけれど。
実験をしていまして,
装置の操作をする部屋にエアコン(天井埋め込み式)が二台あります。
そのうちの一台が故障しているらしく,
朝行ってみたら機械油がしみ出してきていて,
床にも少しだけこぼれていました。
すぐに施設管理の方がやってきて,これ以上滴らないように応急処置を施しました。
何時間もそこで実験をしていたのですが,見ていても,
滴り落ちてくることはほとんどありませんでした。
それでも,いつ落ちてくるかわかりませんから,
けっこう用心していたのです。
それなのに。
私は髪の毛の上に一滴,くらってしまいました...
信じられないようなタイミングで,天から降り注ぐ幸運が
こんなふうに形を変えてやってきたのかと思い,
たいへんへこみました。
妻は佐賀へ,日帰り出張中。
(行く方も行く方だが,企画する方もする方だ)
朝6時に駅へ送っていく。
というわけで,娘の子守りデイみたいなもんだが,
逆にこちらが子守りされているような気がしないでもない。
娘は午前中ダンスの進級テスト,
それから,昼ご飯を食べて,
今度は市立図書館へ連れて行けという(しかも自転車で行く,と)。
...こなしてきました。
おかげさまで,これまでのところスケジュール詰まってました。
全国的に月曜締切の「申告」書を,休日出勤的に大学にて作成する。
雑所得(その他)の添付書類は必要ないことを初めて知る
...実は,送られてきたはずの「支払調書」を紛失して慌てたのだが...金額はわかる。
...これまでは送ってたんだけど。
もともと送られてこないところもあり,振込額から交通費を差し引き,
残った金額になるように,
源泉徴収税額を電卓で計算して支払い金額を算定する作業が必要だった。
(どうでもいいことですが,電卓はこちらを長年使っている。
なんでかわからないけど,たいそう使い心地がよろしくて気に入っている。)
入力はもちろん,いつもの作成コーナーで。
例年の通り,チャカチャカと。
娘を含めて4名の小3女子。
そのうちのひとりが今度転校してしまうので,
まあそれぞれオシャレしてプリクラ撮りに行ってきて,
そのまま家にドヤドヤと押しかけてきた。
で,
ずっとテンション高く喋りっぱなし。
→入り込む余地を与えてくれません。
電車に乗ってたら,目の前に通学の女子高校生集団がやってきてお喋りを始めたときの,
なんかこう微妙な居心地の悪さというか,こちらが小さくならなきゃみたいな,
あんな感覚。
090312[mz2]-1 arousal; height perception
Don't look down: Emotional arousal elevates height perception.
(IAPSの画像などを見せられて)覚醒度が高まっているときには,
建物の高さを高めに見積もる,ということの実験心理学研究。
さすがJEP論文だけに,あれこれと4つの実験を。
(建物までの距離の知覚は歪まないとか,感情価vamenceは関係ないとか,
up-regulationするともっと高く見積もるとか)
090313[mz1]-1 GAD; worry; cognitive avoidance
An Investigation of Factors Associated with Cognitive Avoidance in Worry
「心配についての否定的な信念」と「不安への恐れ」→認知的回避方略。
(認知的回避は心配や全般性不安障害の維持要因として知られている)
090313[mz1]-2 depression; anxiety; social problem-solving
Social Problem-Solving Processes and Mood in College Students:
An Examination of Self-report and Performance-based Approaches
リアルライフソーシャルプロブレムソルビングを,
非抑うつ非不安/不安/抑うつ不安の3群で比較。
自己評価とか仮想的な問題場面を設定するのではなく,
リアルライフの日誌法でやるべきだ,との由。
090313[mz1]-3 depression; sociotropy; autonomy
Cognitive Personality Characteristics Impact the Course of Depression:
A Prospective Test of Sociotropy, Autonomy and Domain-Specific Life Events
ソシオトロピー(他者とのポジティブな関わりを大事にする性格特性)と
オートノミー(自分の独立性や自分の領分を自分でコントロールすることを大事にする性格特性)が
抑うつ傾向の経過に与える影響を縦断的に調査。
ソシオトロピーもオートノミーも,その領域のライフイベントとの交互作用はみられず
→で,それぞれを2因子に分けて検討したら,
えらい大変なことに(予想に反した感じに)なりましたぜ。という話。
090313[mz1]-4 stress generation; depression
Hostility, Interpersonal Competence, and Daily Dependent Stress:
A Daily Model of Stress Generation
こちらも日誌法。「日々の悲しみ」と「日々の敵意」。
→日々のストレスは,日々の敵意から。(not 日々の悲しみ)
→面白いことに,「相互作用」開始能力の高い人の方が,
敵意-ストレス間の正の関係が強い。
...は2009年度は担当しないのですけど,
今年度と同様の方式で行うとうかがっています。
(諸般の事情で1学期に移ることになっていますけど。)
今年度のこのスタイルの立案者のひとりとしては,気になって
こちらの2008年発行分をチェックしてみた。
トータルで80本あるのですね(Issue2が特集で,本数多い)。
80本÷10回=8本/回,
宿題が1本とすると,各回7本読む?
であれば,1本増で,かつグループ人数も減?(今年度比)
→よりいっそう,各人に「英書講読らしい」負荷が高まって,よいかもしれない。
受講生の皆様,そして担当される先生方,お疲れさまでございます。
やっと採点を終え集計して成績をつけ
TWINSに入力完了。
勤勉で優秀であれば(=授業に出席し,出来の良い答案を提出していれば)
良い成績がついているはずです。
090312[mz1] treatment expectations; CBT
The Effects of Inaccurate Expectations on Experiences with Psychotherapy
大学生を対象に。
(1) 心理療法に対するイメージの実態調査。
心理的治療への一般的な「期待」とは,
CBTでない,nondirective or psychodynamicなものであった。
(→それはある意味「不正確な期待」の実態なのだ,ということにしているもよう)
(2) もうちょっと実験的に。
CBT video または supportive videoを視聴した後に,
CBT または nondirectiveなセラピーを受ける(非臨床的な学業上の問題についてだが)。
このとき,視聴したビデオと受けるセラピーが一致する2群と,不一致な2群を設定する。
→「不一致」なときに,全般的にポジティブな効果が現れない/ネガティブな効果が出現する。
090312[bx2]-1 TOJ; TPJ
Temporal Order Judgments Activate Temporal Parietal Junction
「時間順序判断では側頭頭頂接合部が賦活する」
と,訳すわけですが...
むしろ
temporal → (1)時間的な,(2)側頭,という
業界人にしかわからない掛詞みたいなところに惹かれました。
090312[mz3]-1 emobodiment; pride; disappointment; posture
Embodied emotion concepts:
How generating words about pride and disappointment influences posture
...という研究。
前後方向の移動というのはないらしい。
Figure 1を一瞥すると,特に「失望」で縮む度合いの方が大きいようです。
11時から一件目,
13時から二件目,
14時から三件目。
(その後,流れ作業的に四件目も。)
たぶん17時には解放されてます,が。
そんな調子で本日も,一週前と同様に会議デイであります。
某院生が,種々の漢字二字熟語の「悲しさ度」評定の結果を持ってやってきた。
男子学生にとっては,「失恋」は悲しさ度の強い順で第2位だったっていうのに,
女子学生にとっては,24位?25位?そんなものだったんだとか(笑)
あながちサンプルの偏り(→ウブな男子と百戦錬磨の女子?)だとか,
調査時期の問題(→バレンタイン直後でしたかね)だとは思えない
(その可能性は捨てきれないけど),
この妙にリアルなデータは,なんなのでしょう。
昨年もちょうどこの日,2冊推薦したのであった。
私にとっては,この1年間で発刊され/あるいは私に読まれ,かつ
制約条件を満たす書籍はこの2冊しか存在しない。
他にも良い本はあったのかもしれないが,読んでいない本を薦めるわけにもいかないし。
2008年の秋以降にグサグサと。
*
秋以降といえば,
やや制約条件から外れるものだけど(お値段がお手頃というわけではないこととか),
※ちなみに初版(1998)は,私が初めて「買った」社会心理学本であった。
当時この本を読んだとき,初めて「おいら,道を間違えたかも」と思ったものであった。
だから,卒業研究の研究室決めとかで,「社会心理学領域」が人気なのは,
気持ちとしてすごくよくわかるようになった。
10年前のこの日に27歳になりましたが,
その前後は公私ともどもに区切りのときといいますか,
すっかり自分が入れ替わるくらいに,激しい変化の訪れた時期でした。
で,それから10年経ちましたので,
「こうしてきた自分」とか「こうであったかもしれない自分」とか
「こうなりたい自分」とか「こうでありたくない自分」とか
あれこれぼんやりと考えてしまいますが
(もちろん今現在の自分のことも),
まだまだいろいろな"possible selves"を心に抱き続けていきたいと思います。
090307[mz1][bx1]-1 OCD; executive function
The neuropsychological profile of a subclinical obsessive-compulsive sample
OCD傾向の高低と,「記憶」と「注意」と「遂行機能」神経心理学検査課題成績の関係。
質問紙は,PIとMOCI(OCD),BDI(抑うつ),BAI(不安)
神経心理学検査は,ROCFとCVLT(記憶),WCSTとTMTとCOWA(遂行機能),「d2test」(注意)。
WAISもしているらしい。
対象者は,43名の女子大学生。
→WCSTとTMTの成績が低い=遂行機能障害傾向。
090307[mz1]-1 worry; GAD; fear of anxiety; intolerance of uncertainty
The role of fear of anxiety and intolerance of uncertainty in worry:
An experimental manipulation
「不安への恐れ」を実験的に上昇させる操作を行うと「心配」が上昇する。
さらに,「曖昧さ不耐性」の高い場合には,より心配が上昇する。
090307[mz1]-2 insomnia; attention bias; disengage
The clock as a focus of selective attention in those with primary insomnia:
An experimental study using a modified Posner paradigm
不眠傾向の高い人は,時計から注意を逸らすことが難しい(disengagementの遅延する),
という実験結果。
090307[mz1]-3 rumination; reflection; self-regulation; brooding; depression
Over and over again: Rumination, reflection, and promotion goal failure
and their interactive effects on depressive symptoms
失敗経験と反芻と内省と制御焦点と抑うつの関係...質問紙で階層的重回帰分析。
・ rumination × promotion goal failure → depression↑,
↑ココ,reflectionでは,そうならない。
090307[mz1]-4 rumination; reflection; depression
Self-rumination, self-reflection, and depression:
Self-rumination counteracts the adaptive effect of self-reflection
反芻と内省と抑うつの関係...3週あけて2回測定。
1) 内省高い → 反芻高い という関係(内省のネガティブな側面);逆は成立せず
2) 内省高い → 抑うつ低い という関係(内省のポジティブな側面);
反芻高い → 抑うつ高い
3) トータルでみると,内省は抑うつに対してプラマイゼロ。
学んだ証を立てていただきました。
受験されたみなさまはお疲れさまでございました。
いかんなく,種々の心的機能をお使いになったことと思います。
みなさまの集中した/一心不乱という風のお顔,
久しぶりに?拝見しました。
93人×2枚×2問の採点,
私はこれから少なくとも数日は,たぶんお疲れです。楽しみでもあるのですけど。
問題2,問題3,問題4,問題1の順で難しかったようですね;白紙の数からは。
廊下で,涙ポロポロの某女性院生さんと「花粉症談義」。
廊下で立ち話。
目に症状が強いという時期,私にもありました。
メガネをかけるのは効果的。マスクも効果的。
たぶん私,25シーズン目ですが,
今シーズンは今のところ症状軽度。
内服薬は使っていない。
「送別会」?昨年度は「歓送会」でしたか。
欠席の方を含めて7名の方々をお送りする会でございました。
壮行会,なんだよな。意識としては。
いつも,言うべきことは同じです。
それぞれの方々におかれましては,
それぞれのお立場,領分,社会的役割というものをよくよくお考えいただいた上で
(「社会人になる」とはつまるところそういうことではないでしょうか),
今後ますますご活躍されることを,心よりお祈り申し上げております。
自分のためだけだったり,
目の前にいる誰かのためだけ,ではなくってね。
東大さんは,そう宣言したらしい。
(朝日新聞のサイトで読んだ。)
そいつは結構なことだが,
回数が増えたりしたらそれはそれでイヤだなあ。
授業があったり,研究したり,学内運営(委員会とか)があったり。
どんなに時間配分が上手な人であっても,
慢性的に時間不足で多忙感があると思います。
090304[mz3]-1 body image; thin model; media; self-affirmation
Media Comparisons and Threats to Body Image:
Seeking Evidence of Self-Affirmation
女子大学生が,女性誌の雑誌広告(に出てくるほっそりとした女性)を見て,
自分と比較するときにどういうことが生じるか。
「自己価値観self-worth」「body-esteem」「self-esteem」の変化を測定。
→
たしかに,BMIの高い女性は,そういう広告を見た直後に
自己への脅威を感じ,「体重に関するポジティブ感情」は低下する
(BMIの低い人は変わらない)。
だが,そういう人は
「見た目appearanceに関係のない(自己価値の)次元(1)」の重要性の評価が上昇する。
→結果として,BMIと,自己の価値観諸次元の総和としての自尊心self-esteemは,無相関。
→→自己肯定化。
(1)学力とか,道徳性とか,利他性とか,家族役割とか。
090303[bx1]-1 body representational neglect; apraxia
Scanning your body is different from performing body movements:
A double dissociation between body representational neglect and apraxia
自分の身体をスキャンすることと,その身体を動かすことはしくみが違います。
どちらも左半球損傷で生じることがあるけれど,
課題(Vest Testと無意味自動詞的動作模倣)成績は二重乖離を示し,
損傷部位も,
身体無視はBA6,BA44などの前頭葉皮質・前頭白質損傷で,
失行は上縦束・頭頂葉・中心領域白質損傷で生じる。
090303[mz1]-1 OCD; checking; attention
Attention in sub-clinical obsessive-compulsive checkers
サブクリニカルな確認強迫傾向者の注意バイアスを,
focused, divided, passiveの3側面の注意課題条件から検討した。
→確認強迫傾向者は,脅威関連刺激の再生・再認成績が高く,
これはいずれのタイプの注意課題条件でも同様に認められた。
090303[mz1]-2 height fear; acrophobia; height perception; imagery
Imagery and fear influence height perception
高所恐怖者は,高さの知覚に歪み(高さの過大評価)があるかも。
→「そこから落ちる」イメージをさせると,よりいっそう歪みが大きくなる。
※実際に,バルコニーに連れ出したらしい。
用事があって来室した研究室の院生に,
最初はちょっと違う話をしていたのに,いつのまにか,
なぜか私の心情を吐露する。
=グチをきいてもらう,みたいな感じ。
そういうことを言いたいときもあるのです。
帰りに書店に立ち寄り,この本を買ってみる。
今年度,
東京大学の国語の問題としても,
早稲田大学文学部の国語の問題としても出題されたらしい
(そういうことって,これまでにもあったのでしょうか?)
どんな本なのかと思って。
興味津々。
それに,
かっこいい本だ。
今日もせっせと「北の方」へ。
本日の被験者さんは大丈夫な方でしたが,
花粉症でくしゃみなどしそうな方には,
この時期被験者をお願いすることはできないですね。
(薬飲んでいたりすると,くしゃみはおさえられるかもしれないが,
あの環境/タスク内容によっては,かなり眠くなりそうです)
実験者2名のほうはといえば,しっかりくしゃみとかしてますけど...
認知的タスクのパフォーマンスにどんな影響を及ぼすか。
090302[mz2]-1 blue; red; cognitive task performance
Blue or Red? Exploring the Effect of Color on Cognitive Task Performances
赤 → 「危険」「ミス」 → 回避動機↑ → vigilant/risk averse → detail-oriented task向上
青 → 「開放」「平和」「穏やか」 → 接近動機↑ → innovative → creative task向上
6つの実験で,実証的に検証された。
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