090625[bx1]Broca野→"polymodal/supramodal syntax"
090625[bx1]-1 Broca's area; action recognition; frontal aphasia; mirror-neuron system
Encoding of human action in Broca's area
ブローカ失語があって失行のない患者6名を対象とした神経心理学的スタディ。
ある情景をビデオに撮り,
その中から4つの静止画像を切り取って提示し,
それを順番に並べ替えるというタスク。
人間の行為条件(例「テーブルの上にあるコップを手に取る」)と,
物理的出来事条件(例「自転車が倒れる」)。
→結果。
患者群では,人間の行為の順番並べ替えでは成績が低下したが,
物理的出来事の並べ替えでは成績が低下しなかった。
それゆえ,
ブローカ野は行為理解に関係があり,
言語的な文法のみに関与するのではなく"motor syntax"にも関与する,
polymodal/supramodal syntaxの座であろう,という考察になる。
これをまたmirror neuron systemの話にしてしまうと
(実際考察はそういうあたりを考察しているわけだが),
逆になんで失行は生じないのだろう,ということになってしまいそうな;
ブローカ野損傷でlimb apraxiaの報告はそんなにないような気がする。
特に,今回の研究に関連が深そうな,「系列動作」検査において。
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Commentaires
面白そうな研究ですね。失行の無い患者で検討したというのが興味深いです。失行の有無で比較した研究では、確か頭頂葉の病変を重視してたような気がします。
「ポーズの識別」みたいなタスクだと身体構造の分析が重要そうですが、今回のタスクのような「行為」の認知だと、motor syntaxのような処理に力点が置かれるような印象がありますね。
Rédigé par: kob | 25 juin 2009 15:15
ほんとすぐコメントしてくれて助かるよ。
話通じる人がどれくらいいるのかってことは,
少し気にしてるんでね(笑)
行為の認知なんだけど,
その行為の「意図」を理解するかどうかというところが
ミソだと考えると,やっぱり考察はMNS寄りに
なってしまうのだねぇ。
その病変その失語での
失行症状の発表されてましたよね。
記憶が曖昧なこともあり,また
今ここでは確認できないんだけど。
Rédigé par: m0ch1 | 25 juin 2009 23:00
助かるだなんて(笑)。こちらこそ、いつも勉強させていただいてます。
MNSからブローカ野を攻めていくと、部位が一緒、というだけでなくてどこかで言語機能との橋渡しを考えないといけなくなりますね。そもそも定義の上で別モノですしね。
その病変による失行の件もコメントしようかと思ったのですが、2nd著者なので控えてみました。何かありましたらどうぞご連絡ください(1stにも2ndにも)。
Rédigé par: kob | 26 juin 2009 11:00
そうそう。何かしっくりこない論理的ジャンプがあるんです。
> 何かありましたらどうぞご連絡ください(1stにも2ndにも)
1stの先生にはメールさしあげたことがないので,
ドキドキしちゃうなあ,そう言われると。
Rédigé par: mochi | 26 juin 2009 12:20