091126[bx1]上頭頂小葉損傷とワーキングメモリ障害
特にその「操作manipulation」面に障害が。
091126[bx1] SPL; WM
Superior Parietal Cortex Is Critical for the Manipulation of Information in Working Memory
頭部外傷で上頭頂小葉損傷(SPL)群(19例),その他lesion群(146例),健常対象群(55名)の3群比較ANOVA。
WM taskとして以下を課している。
□ 数唱(順唱)
★☆数唱(逆唱)
□ 空間スパン(順)
★☆空間スパン(逆)
★☆Letter-Number-Sequencing
★☆計算
□ 0-back
□ 1-back
★ 2-back
★ 3-back
(...よくやりますなあ)
★: SPL群と健常対象群の比較で有意差
☆: SPL群とその他lesion群の比較で有意差
□: 群間に有意差なし。
(...あまりにもTable 2. の結果がきれいな結果すぎる)
長期記憶や"rearrangement"課題(Block DesignとかObject Assemblyとか)は
多くの課題でn.s.となり,そのWM課題の成績低下にくらべるとまったくもって
目立った特徴とはいえない。
*
そしてさらに,(右半球)SPL損傷群(6例)と下頭頂小葉(IPL)損傷群(6例)と健常対象群の比較も。
だめ押し気味に。
□ 数唱(順唱)
★☆数唱(逆唱)
□ 空間スパン(順)
□ 空間スパン(逆) ※ここが上の分析と異なる。
★☆Letter-Number-Sequencing
★☆計算
□ 0-back
□ 1-back
★☆2-back
□ 3-back ※※ここやや謎ですけど
★: SPL群と健常対象群の比較で有意差
☆: SPL群とIPL群の比較で有意差
□: 群間に有意差なし。
...ということで,やっぱりSPL損傷の特徴といえるかもしれない。
*
上頭頂小葉損傷によって,
・ワーキングメモリ内の情報の操作(manipulation)/再配置(rearrangement)の障害が生じる
(単なる保持や取り出しの,ではなく)。
・聴覚-言語情報も,視覚-視空間情報も同様に障害される。
・WMを要しない,長期記憶課題や空間的な配置課題には障害がみられない。
*
こんどはそのうち
「上頭頂小葉を鍛える」脳トレ が開発されるんじゃないでしょうか。
商業的には。
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