締め切られる
16時に。
締め切られたのは私でなく,用紙を提出した学生さんたちだが。
そんなことを検索で解決させようとする自分のストラテジーのまずさをどうか恥じてください。
図書館で論文でも眺めればいくつか載っているだろうからわかるでしょう。
書き方をまねれば済むことだ。
そんなことくらいで検索をしなくてはならない自分の不明さをどうか恥じてください。
英語辞書なり英辞郎検索をするなりしながら。
どっちの単語がわからないから調べたいのかさえ,不明だ。
夕方にお会いしました。
「機微」の検出に(あるパーソナリティ特性の)個人差があるだろうけれど,
ふつうに考えて,検出力が上昇する/しているであろうファクターも,
検出力が下降する/低下しているであろうファクターも考えられる。
どっちなんだろう,ということを実験(×パーソナリティ特性)で検討してみようという。
呈示する刺激のほうに新しさがあるだろう;いかにもありそうなのに日本語/英語で
検索しても見出せないようだ。たしかに,見かけたことがなさそうだ。
それから,パーソナリティ特性も,他のも考えられるかもね
(実際,いくつか考えるところもある様子)。
さらに,検出力が上がれば上がっただけ望ましいのかというと,そうでもないかもしれないし。
そんな調子で,
もし私を志望されるのなら,それでいいでしょう。
*
興味深いので,他にどんなテーマを考えたか聞いてみたら,
他にもいろいろ,ご自分の苦手なことがらから導かれたという研究のタネが5つくらいあるらしい。
(裏紙でネタ帳作っておられました)
→もうひとり他の先生どうしましょう相談で,それらもあれこれ思ったことをお伝えする。
おひとり風邪で欠席←今のうちに風邪をひいておくのはむしろよいことなのかもしれない。
分析あれこれの続き。
おひとりめ。
「心の余裕のなさ」→あとは交互作用項を入れた階層的重回帰分析だ,のやり方の話。
分散分析は,なくてよい。
おふたりめ。
因子分析の結果を固めつつある。
あれは2因子(先行研究どおり...先行研究がいい研究なんだろうたぶん),
これは3因子でいきましょう(先行研究とくらべて1項目だけ因子が変わりますが)...どうしましょう。
それは1因子(単純足しあわせ)で処理。ただし分布が正規分布じゃないからどうしましょう。
変数変換?
→そのあたりのめどがついたら基礎統計量→相関→重回帰(→オプションでちょっとしたANOVA)
尺度得点を出せたものだから,さっそく重回帰分析にまで進行したそうな。はやっ!
さきほどの4つの因子のうち3つが拾われるような,
良い感じのデータになっている様子。
でもその前に,
・ 相関知りたい。(←たぶん出しているのだろうけど,送られてきていない)
・ ほんとうは「階層的重回帰分析で交互作用項投入」したいところだな。
またあした,にしよう。
そのあたりのメールでの遠隔指導はちょっと難しい。
卒論生の研究で,説得の結果,そちらが採用になった。
「パターン行列的には」麗しく4因子。
こそっと因子名(仮)だけ披露しておくと,
第一因子: 行動的気晴らし
第二因子: やるべきことへの意欲低下
第三因子: 周囲・状況への適応困難
第四因子: 時間的制約に対する焦燥感
091122[mz3]-3 risk regulation; perceived regard; avoidance
When self-protection overreaches:
Relationship-specific threat activates domain-general avoidance motivation
(ふるてくすとあう゛ぇいらぶるです)
恋愛関係におけるリスク制御,というコンテンツ。
論文の冒頭の「こんな話」↓
On Friday night, James and Helen are deliberating over the menu of a new restaurant. Although things start out pleasantly, Helen’s vacillation between options and James’ pointed comment about her having “commitment issues” triggers an argument about their relationship that leaves James doubting Helen’s true feelings toward him. For the rest of their meal, James is particularly withdrawn. On the drive home, he deviates from his usual tendency to drive fast and instead, takes great care not to exceed the speed limit. To Helen’s annoyance, James stops for gas despite having some left in the tank and informs her that “One can never be too careful.”
Jamesくんはどうしてそんな風に控えめになっちゃうのか?
091122[mz3]-2 goal; temptation; implicit evaluation
Counteractive evaluation:
Asymmetric shifts in the implicit value of conflicting motivations
(ふるてくすとあう゛ぇいらぶるです)
"goals"と"tempting alternatives"のconflicting motivationsが与える非対称な効果。
前者がaccessibleなときは,impicitな後者へのポジティブ評価を減少させるが,
後者がaccessibleなときは,impicitな後者へのポジティブ評価を増加させる。
091122[mz3]-1 smoking; terror management theory; warning message; self-esteem
When the death makes you smoke:
A terror management perspective on the effectiveness of cigarette on-pack warnings
(ふるてくすとあう゛ぇいらぶるです)
"smoking-related self esteem"ってのによって効果が異なるんだそうです。
そのSEが高い人は死亡率などに関する警告を読むと,
むしろ喫煙にもっと肯定的になってしまうironicな効果が。
(生死に関係しないような文言の警告を読んだあとは,喫煙に否定的になるのに)
こちらに入門。
だって誰も教えてくれなかったし,何で学べばいいのかさえはっきりしなかったけど,
論文読んでれば出てくるし,そういうの求められる場面もあったりするから。
事前の分析。
事後の分析。
明日への分析。 (←なんだかポジティブな言い回しだこと)
インストールはできたのに「アクティブ化できない」事態が生じていました
Norton先生(Internet Security 2010)をお迎えする。
サポートとやりとりしてようやく。
卒論生の因子分析,メール添付で送られてきた結果をもとに,遠隔指導をしたところ。
固有値&スクリープロットから,4因子または7因子とあたりをつけて,
因子数固定で4因子・5因子・6因子・7因子解を
最尤法プロマックス回転で求めていただき,
いくつか項目を落として繰り返し,きれいになった「パターン行列」を眺める。
7因子解は第七因子が2項目→やめとこ。
5因子解は第五因子が解釈不能なんで×。
4因子解vs.6因子解の戦いとなりました。
ふたつの表をならべて,共通する項目グループを取り出した後,
それ以外,つまりいずれかの解のみに含まれた項目をピックアップして,
内容的に含めて考えられるかどうかを確認。その手の項目の○△×査定。
(&6因子解の残り2因子も;結果的に第五因子は4因子解の第一因子に。第六因子は...ビミョー)
総合的に,私は4因子解がベターかと思う。
...そういったメール送りました。
彼女はどちらかというと6因子解を推したいようでして,しばし対決モードでしょうか。
昨夜この卒論のことである先生とメールでやりとりしていましたら
このお申し出メールが届き,本日さっそくお会いする。
私が3人目,とのこと。ひとりめの先生からの示唆らしい...そういう方は他にもいましたね...
(で,私の後に本日もうひとり別の先生に会うお約束があるらしい)
「◆◆すぎず◇◇すぎない適度さ」ということを研究したい。
持参された論文は質問紙で某特性をはかるものであったけれど,
それ(ともうひとつの尺度との組み合わせ)によって群分けして,
パフォーマンスをみるような実験をしてみたいと考えておられる。
おお,また実験ですか。。。
私たちはふつうに「ベストなパフォーマンス」という言葉を使うけれど,おうおうにして,
ある側面ではベストだけれど他の側面からベストじゃなかったりすることもある。
で,今回の折衝案件では,
そういう複数の側面からみた意味での「ベストとはどういうことか」,を探ることになるんだろう。
ふだんの生活でそういうのが求められるような状況を模した実験タスクを
上手に設定できれば面白そうだなと思う。そこが難しいんだけど...
ということで,テーマそのものより「どんなタスク」「どんなパラダイム」でやるかを
しばし一緒に考える。
タスクの負荷のこととか,
研究に関連しそうな,ある有名なコンセプトとその実験パラダイムについて,とか。
(知りたいことをより明瞭にできる可能性がある)
あと,その尺度自体が3つの下位尺度から構成されているのだから,
群分けはどう考えるの?とか,
それぞれの下位尺度に関わりそうな,
いくつかのフェイズからなるタスクにしうるか,とか。
また,基本的には個人内で考えればよい研究ですが,
発展的には,周りに人がいるときには...ってのも考えられるでしょう。
夕刻定例の研究室研究会(院生)。
● 「実験2のおおまかな結果」発表。
・3要因ANOVAにおける二次の交互作用の件2件。どう解釈するかの解釈論争。
・被験者間要因がひとつ,被験者内要因がふたつ。
→一方は,「常にマックスパフォーマンス仮説」=要因の操作に左右されない
で議論が収束に向かう。仮説の根拠は...ない。アドホック仮説。
→もう一方は,球面性の仮定にまつわる質問...
そんなマニアックな話を諳んじて答えられる強者は,おりません。
→こういう結果に「参考になりそうな文献」をちょろっと紹介される。
Posnerのvalid/invalidな注意課題の実験のやつ。
...とはいえ,異なるところはあれこれ存在。
ここでいかに説得的にできるかが,勝負なのかもしれない。
あるいは,実験3・実験4しましょうか?と少々脅しをかける。
● 月末学会発表のポスター
・「新たな試み」→A0で作成してみました☆
みなであれこれ見てああしたほうがいいこうしたほうがいい...ガヤガヤと。
・重回帰の図がひとつ,ANOVAの図がふたつだったところを,
重回帰の図みっつ,ANOVAのはフォーマット変えましょうか。
・「他者意識」のあれこれ。空想的他者意識のところで妄想的にイメージふくらむ(←個人的に)。
内的他者意識と外的他者意識と公的自意識と私的自意識の関係は,とか。
次週もういちどチャンスがありますね。
私はその学会,推薦入試とバッティングで出席できませんけどね。
☆せっかくなんで,左ペイン右ペインの作りではなく,中央使ったり,
配置は自由度が高まりますよ。もっと遊びましょう!
091119[bx2]-1 physical pain; monetary reward; cost-benefit integration; choice
How Humans Integrate the Prospects of Pain and Reward during Choice
もうそのまんまです。
理論上ふたつの競合する仮説があるそうですが,"interactive model"支持。
脳活動としては,前島腹側部★,腹側線条体あたりが
関係するらしい。
続いてもうおひとり。
半分以上は「担任として」,残りが「卒業研究のこと」。
私は「希望する指導教員」のところに書かれることはないでしょう。
まあでも,アポ取ってせっかく会いに来られたわけですから,案件番号振っておこう。
発達領域希望です。
今のところ,4つくらい卒業研究のアイデアがあって,
それを持って関連の先生を回っているようです(私は4人目らしい)。
で,それらの先生がおっしゃらなそうなことを,それぞれの項目でコメントとしていくつか。
1項目めは,着眼点は重要なところを含む。
それを含まないことが従来多いことが不満足な点であったので,おおいにけっこう。
従属変数にあたるものをどう考えましょうか。
2項目めは,他の先生から関連概念をご教示いただいたそうで,たしかにそっちがいいでしょう。
かなり多様性があると思いますが。私はよく知らない。どういう状態がベターなのかさえ知らない。
私が一番関心を持つのは3項目めでしょうか。現象としてはありますな。経験的に。
ばりばりと「認知発達」の話で考えられるけど,
成長してくるとどちらかといえばパーソナリティ的なところも関係してくるとか?
4項目めは,ふつうに考えれば社会心理学領域でしょう。セクシズム。
でもそのオリジンがどこにあるかを知りたいようで,
それが発達的に獲得されるかという風ならば,やっぱ発達領域なんでしょうな。
*
あと,この卒業研究希望届のシステムについても,あれこれ。
逆に,教えてもらう情報もあり
(だって,「発達領域」ご希望の方は,私のところにはいらっしゃらないのがデフォルトで,
そのことを推奨してもいるわけですから)。
少し前にメールでやりとりをしていて,本日面談する。
「あることをする(っていうより,そういう状態になる)」「その体験」について研究したいという。
それは本学に入学した頃から漠然と考えていたテーマらしい。
で,それ周辺で,いろいろと関連づけて考えてみたいことも。
そういうのは大事にしたい。
だがしかし,
それをまっとうに扱った心理学研究は,
探したけどないようで(ないであろうことは十分想像できる),
キーワードとして出現したとしても,実証的研究では全然なさそうで,
さあてどうしましょう,というお話を。
それに正面からトライしたらどうでしょう。
感情絡みの話であることはそうなんで,
どう絡んでいるのか解きほぐしたらいいんじゃないかと。
発展の方向によっては,発達領域だったり社会領域であるような気がするが,
それそのものだと,当方とは「やや領域的に不適合」かもしれない。
なにより私,その中核コンセプトであるところの,
「あることをする(そういう状態になる)」「その体験」
そのものを近頃体験していないし,これまでの人生でそんな体験あったかなぁ
(つーかみんなそんなに体験しているのか??)
ってことでもあり。
ピンとこない。
つまり,私には不適合,なんでしょう。
そういうことは白黒はっきりさせておいた方がいい。お互いのためにも。
※あれこれ修正 152+155+5+9=321 が正確なタイトルだった。とほほ。
答案仕分け作業の結果。※
総合科目の答案がやってきた。
AタイプかBタイプのいずれか一方に解答しなさい形式。
Aタイプ選択者 154 152 名☆
Bタイプ選択者 154 155 名☆
(指示に従わずAもBも解答) 3 5 名
白紙 10 9 名。
白紙には赤ペンで0をつけた。
で,これから311 312 枚の答案と向き合うわけです。
夕方以降。
続けてもうおひとり。
私も最近ちょっとそれらしい行動をしたのですが,
状況やら状態によってはしがちな,「とある行動」☆を,どうかという。
「とある行動」についている名称から,十分にパーソナリティの「あの特性」との関連を
推測できるわけだけど,ホントにそうなんでしょうか/それだけなんでしょうか。
ご関心のその1は,「とある行動」を導くメカニズムの解明(特性要因とか状況要因とかコミで)。
ふつう人はその「とある行動」を,ある状況のときにしがちだと思われていて,
それはその行動を行うことが,ある状況に対して何か良い点があるからだと思われる。
しかし,どういう点に良いところがあるのか,いまいちはっきりしていない。
「とある行動」をとった後の状態について,まだわからないところがある
(簡単に考えればふたとおりあって,それらの効果は相反する)。
ご関心のその2は,「とある行動」をとった後の状態像に関して。
先行研究も調べたみたいだけど,心理学領域ではそんなに多くないらしく,
むしろ別の領域で。かつ,その「とある行動」を誘引する仕組みをあれこれ考えているらしい。
心理学領域で考えると,あまりポジティブな風ではなんだけど。
私の方からは,
関連するけど全然別な,ある心理病理的状態をご紹介したり,
臨床心理学領域では,「あの特性」→別の種々の行動,という研究ならいっぱいあるなあ
というようなことをお話しする。
また,話しあっているうちに,「とある行動」自体も複合概念なんじゃないかという気がしてきた。
具体的に例を挙げて考えてみたら,案の定,
私にとっては「とある行動」に含まれるけど,その折衝人にとっては含まれない,というのが
浮かび上がってきた→とすると,その辺の予備調査みたいなものも必要だろうか。
存在することは明らかだけど,実態としてどの程度のものなのかわからないので,
調査してもよし,
工夫すれば実験的にもいけそうだし。
認知心理学的には大きなトピックのひとつのアレなんですが,そのあたりを実験で,
というご相談。
ご持参いただいた論文は,バリバリと実験系でありまして,
でもそれをちょっとずらすと,
たしかに身近な,すぐにでも経験する「とある問題行動」に直面する。
私も気になっている(というか,単純にイライラハラハラする)。
私としてはそりゃそのままでもけっこうなくらいですが,
それですと「領域的に不適合」なところがあるので,
そこをいかに折り合いをつけるか,みたいな話をする。
考えようによってはいくらでもなんとでもなるんじゃないかということで,
拡張の路線を4通りくらい逆にご提案してみる。
...まるで"idea fluency"課題のようですな,私がparticipantで。
出勤じゃなくって「登校」って書きそうになった...
昨日の不調は軽快しまして,ふつうに出勤しております。
このところ火曜午前にありますご予定1件,
来るなら来てねの研究室研究会(卒論生),
そのあと「折衝」2件の予定でござんす。
091115[mz1]-1 schizotypy; neuroticism
An examination of neuroticism as a moderating factor
in the association of positive and negative schizotypy
with psychopathology in a nonclinical sample
schizotypy傾向と,精神病理との関係。階層的重回帰分析で,
positive schizotypy × 神経症傾向 の交互作用項が有意になったのは
psychotic experiences, PDEのschizotypalスコア,paranoidスコアに正の,
GAS functioningに負の影響。
negative schizotypy × 神経症傾向 の交互作用項はいずれも有意ではなかった。
091115[mz1]-2 schizotypy; neurological soft signs
Neurological soft signs in psychometrically identified schizotypy
schizotypy傾向と,"neurological soft signs"★との関係。
特にnegative schizotypyとの関係が強いらしい。
★だいたいひとりにつき1時間かかるのだが,実験参加者は(201→)177名の大学生。
177時間...
091115[y][bx2]-2 BPD; violent behavior; impulsive behavior; insula
Insular cortex volume and impulsivity
in teenagers with first-presentation borderline personality disorder
境界性人格障害(BPD)者の島皮質のvolumetricスタディ。
BPD患者群20例と健常対照群20名の比較ではサイズの差は有意ではなかった。
またBPD患者群において,
島皮質volumeとparasuidal episodes, trauma exposure, comorbid Axis I disordersとの相関も
みられなかったが,
過去6ヶ月以内のviolent episodesあり群は,なし群に比べて両側島皮質のvolumeが小さく,
またBPD群において,衝動性スコアと右前島部のvolumeに負の有意な相関がみられた。
091115[y][bx2]-1 bipolar disorder; emotional processing; social cognition; MNS
Reduced activation in the mirror neuron system
during a virtual social cognition task in euthymic bipolar disorder
アバター★の表情(としゃべり)から,
心的状態が真か偽かを判定する心的状態の推測を行っている最中の脳活動。
→「怒り」「幸せ」表情での,右下前頭皮質・運動前野・島のactivationの低下。
すなわち,"MNS activation"の低下;コントロール群に比べて。
(行動指標でも反応時間が遅延する)
また,この低下・この遅延は,中性表情ではみられない。
091115[y]-1 divergent thinking; cognitive training; negative symptoms; schizophrenia
Cognitive training for divergent thinking in schizophrenia: A pilot study
拡散的思考の認知トレーニング(8週間のホームワーク)の効果。
(コントロール課題は,計算と漢字書き取り)
トレーニング(拡散的思考 vs. コントロール) × 時期(pre vs. post)
で交互作用が有意に見いだされたのは,
Idea Fluency Testのhigh-quality responses(の増加)。
に加えて,
PANSS陰性症状/総合精神病理スコアの低下。
「社会的機能尺度」の対人スコアの上昇 & GAFスコアの増加。
091114[bx2]-1 emotion generation
Bottom-Up and Top-Down Processes in Emotion Generation:
Common and Distinct Neural Mechanisms
不快画像の知覚によるボトムアップな感情生成と,
中性画像を「不快」と解釈するトップダウンな感情生成の
共通点と相違点をfMRIで。
・扁桃体は共通(ボトムアップ>トップダウン)
・ボトムアップは知覚関連領域の賦活が大きく,
トップダウンは前頭前領域の賦活が大きい。
・不快度評定の値との相関は,
ボトムアップでは扁桃体の活動(r=.71)と,
トップダウンではDMPFC(r=.64)と有意な正の相関。
091113[mz3]-1 need for (cognitive) closure; ability to achieve closure; SCL-90
Need and Ability to Achieve Closure:
Relationships with symptoms of psychopathology
認知的完結欲求(NFC)と完結達成能力(AAC)と
SCL-90ではかられる種々の精神的不健康の関係。
→階層的重回帰で,ほとんどすべてNFCは正の,AACは負の影響を。
091113[mz3]-2 anxiety; attentional bias; time-course
Temporal dynamics of selective attention in non-clinical anxiety
特性不安の高低で,情動ストループ的に。
単語提示は14ミリ秒か500ミリ秒で,単語への着色が同時または514ミリ秒後という設定。
→身体的脅威語およびポジティブ語への注意バイアス(社会的脅威語にはみられない)。
単語の提示時間やら,着色の時間による影響は,なし。
091113[mz3]-3 self-esteem; weight preoccupation
Does self esteem moderate the relation between gender and weight preoccupation
in undergraduates?
性別も,SEも,それぞれ「体重への関心度」にダイレクトに影響を及ぼすが,
性別×SEの交互作用項もまた有意に体重への関心度に影響を及ぼすと。
...ご想像の通り,女性×低SEのときにもっともpreoccupiedです,データ的に。
091113[mz3]-4 primary psychopathy; secondary psychopathy; Machiavellianism; life satisfaction
The dark side of love and life satisfaction:
Associations with intimate relationships, psychopathy and Machiavellianism
...すいません,タイトルに惹かれただけです。
よくわからんのですが,
"primary psychopathy"→"relationship"が正の影響だったことが意外だったんだそうです。
(なげやり)
091113[mz3]-5 self-esteem level; self-esteem instability
A meta-analytic review of the relation
between self-esteem level and self-esteem instability
SEレベル(高低)と,SE不安定性の関係は無関係?負の相関?
どうなっているかを20論文25分析からメタアナリシス
→相関は負だけど弱い。ほとんど独立していると考えましょう。
091113[y]-1 BPD; mentalization; ToM
Enhanced ‘Reading the Mind in the Eyes’ in borderline personality disorder
compared to healthy controls
境界性人格障害(BPD)患者群30例は,健常対象群25名に比べて
'Reading the Mind in the Eye Task'
(目とその周囲の部分のみの画像から,その人物の心的状態を推測する心の理論課題)
の成績が 良い らしい。エンハンス。
全体的に,また特に 中性感情価画像 における推測で。
前半は近況報告会(?)つーかこの1週間のことをちょっとずつ。
後半は論文紹介で
秋山学・竹村和久 1994 不快感情と関与が意思決定過程に及ぼす影響
実験社会心理学研究 34(1) 58-68.
実験による研究で,
10種の選択肢から1つを選び出すプロセスについてあれこれの測度をとり,
不快/中性(by 臭いの有無) × 関与度(高低) によって影響を受けるかどうかを検討。
自分が思ったところ。
・中性感情×低関与における再検討回数のデータ部分を説明できていない?
・反応時間が長くなることにはふたとおりの意味があるような。
じっくり選択する or 不快感情による情報処理の妨害?
・不快情動は嗅覚的に与えているが妥当か?他の感覚刺激でもいいだろうし,むしろ適切か。
あとディスカッションで覚えているところ。
・ふたつの選択肢じゃない場合のこと。A or B だけじゃなく,「どちらでもない」「選択しない」とか。
・「なすべきC」と「なすべきD」の優先順位づけのような。
・あるタイムスパンにおける,より重要なEと,それより低いFに「どのように手をつけるか」;
Eが先かFが先か。 つまり,好物を先に食べるか後にとっておくか,のようなニュアンス。
個別に時間をとってお話しするのは初めてでした。
今関係しているところでの「お仕事」のことで。
・ 時間制限のあるところで
・ どんな検査をして
・ どんなデザインで
・ どんなところに力点を置いて(どんな順番で)
研究をしていきましょうかのお話を伺って,あれこれ考えるところをお話しする。
第2項と第4項を中心に。
それで大丈夫だからどんどん進めましょう!
あの先生のご意見をどれだけ採用してどこを棄却するか,
そこだけです。ネゴシエーション。
ちょっとニューロな雰囲気の伴うご相談。冒頭では。
高次脳機能障害の方とか,高齢者の方とかの支援に関わりそうな内容でしたが,
むしろ「大学生のきみたちはどうなんだろう」の方向に話し拡げる。
・それを使うか使わないか,
・それだけ使うか他のも使うか,
・どんな使い方をするか,
・どういう(神経心理学的)能力を用いているか。
・そういうのの個人差はどういうところから生じるのだろうか。パーソナリティ?能力?
純粋に関心があります。
実態調査的にするなら質問紙で。
でも実験でもできそうだし,むしろ最初の発想には沿っているのかも。
テーマ的にオリジナリティが高いですな。
(ついでに言うと,「将来像」も少々異なる感じ)。
前回の話 を受けて検索したらしい。
今日はこの論文↓についてディスカッションする。
The etiology of acrophobia and its relationship to severity and individual response patterns
「なんで高いところが嫌い/怖い/苦手なのか」本人が考えるその原因によって,
高所恐怖尺度の得点や行動/生理/言語認知指標や,重症度その他の点に
差がみられるんじゃないかという分析。
→まったく n.s. な結果のオンパレードだった。
まですから,恐怖を感じる人は原因にかかわらず,恐いのは恐いんだ,ということに。
とはいえ,意外と面白い研究だな。領域としても。
*
あなたがこの研究をするなら,どこをどうするという実際的なところをちょっと一緒に考える。
脚立使うとか(手でつかまるところがない方がぞわぞわする)。
飛びこみプールでやりましょうとか(タイセンに協力依頼/共同研究でしょうか?)。
「国立大学法人運営費交付金」は仕分け対象とのことです。
そして 大「脳」洋航海記さんところのこのエントリ では研究/研究者のことを詳述されてますが
(それはその通りだと思いますが),
やっぱこれは,我が国の高等教育をどう考えるのか,ということにも
密接に関係があるでしょう。
ほんとに行われましたら,
われわれの(既にマイナス続きの)教育研究経費の最低ライン,を意味する費目である
「基盤教育研究費」(うちの大学はそういう名称;旧称「校費」)っちゅうのは,
限りなくゼロに近づいてしまうのでしょうか。
あまりにも謎深き検索フレーズなんで反応せずにはいられない。
公募する側なんでしょうか,(公募される=)応募する側なんでしょうか。
ドロドロと,解釈してみましょう。
【公募する側】の場合
お家事情みたいなのがあるんでしょうか。頭数そろえないといけないんですよね。
授業科目としては「認知心理学」を担当してもらいたいけど臨床心理士の方を,と。
→けっこうむちゃくちゃな要求なんじゃないでしょうか。
・「認知臨床心理」,じゃないですよね。まさか。だったら臨床とっちゃいかん。
・「認知療法→認知心理」とかいう妄想的観念というか魔術的思考というかじゃないですよね。
【応募する側】の場合
そんな希少価値の高い人ならば,公募の前に声がかかることもあるんじゃないでしょうか。
辛抱して今のご研究を続けたらよろしかろうと。険しい山道かもしれませんが。
そして,そういうダイレクトな「公募」はまずなかろうと拝察します。
第三号案件に引き続き,入れ替わり立ち替わりで第四号案件も。
実は以前に別件でお会いしたときに,既に少しお話ししている。
方法ありき!
多くの場合に,まずはコンテンツに意識が向かい,続いてそれをどうやって研究しましょうか,
という流れで話が進むわけだが,
本案件の提案者は,まず「実験がしたい。生理指標を使いたい。」が先で,
で中身どうしましょう,というご相談。
やったらよろしかろう。
(どの研究室に行かれようとも,装置を使う権利はある)
中身の方は,とりあえず
「○○しながら■■する」というのが自分はできないし,
■■の効率が下がるんじゃないのか,
主観はともかく。
ということに興味があるようで,
実験デザイン的にはdual task(とかmultitask)状況を作ればいいみたい。
こなすべきタスクの難易度を変えてみて。
attention/executive function系ってことですかね,
授業でセンセが教えた(はずの)知識でいえば。
タスクの出来具合が従属変数で,どのファクターが影響力が大きいかを示したいようで
(もう研究の道筋もそれでよいような気がする)
&
あの障害も傾向として捉えれば,
個人差要因も考慮できるかもしれません。
昨日に引き続き。夕方。
1) 「あることをすることが,その状態を改善する」
という巷にあふれる言説か,もしくは
2) 「その状態は,身体状態に影響を及ぼす」
というこれまた巷にあふれる研究をやってみようと。
前者に関しても後者に関しても,いくつか文献にあたってから来た様子。けっこう!
しかし,特に後者に関してはいっぱい研究があって,
「では自分が何をしようかというところで立ち止まり」←大変健全
基本的に前者について話し合ってみる。
「あることをすること」は実験的にやらざるを得ないけれど,その考慮すべきポイントが山のように
あって,いくらでもできるし,領域も複数考えられる。
「その状態」も,もう少し手垢にまみれたそのワードではなく,少しひねり必要。
最後の方で,他にはないのと尋ねてみたら,
3) 「ある精神疾患」に関心があるとのこと。ご本人的には介入に関心があるようだが,
ダイレクトには難しい。卒論ですし。
この路線で行くとすると,そのままの「ある精神疾患」では扱いづらいので,
まずは「症状中心アプローチ」に頭を切り換えていただき,
アナログスタディもあるんだわという情報をさし上げ,
さらに1) と組み合わせることも可能かも,と話は流れ,
仮説らしきもの,を書き出してみるところまで。
091110[bx1]-1 semantics; meta-analysis
Where Is the Semantic System?
A Critical Review and Meta-Analysis of 120 Functional Neuroimaging Studies
重要なテーマで,論文もそれこそ山のようにあるわけだが。
fMRIやPETによる,意味システム論文のメタアナリシス。
● <120本>が選ばれるまで
1980年から2007年に刊行された論文を,
PubMed/Medline/PsychINFOで検索して
2832本→790本→431本→(+72本)→(+α)→520本に絞り込み。
その後,それらを著者の4人が分担して読んで(★それがそら恐ろしい),
あらかじめ設定しておいた8つの基準に合致するものをピックアップ
→その結果,120本に。
● 1642人の実験参加者,1145のactivation foci
● 1145のfociのうち,10は小脳,771(68%)は左半球,362(32%)は右半球に
→左半球に多い(Figure 2.)
● 7つの主要な領域
1) 角回・縁上回
2) 外側側頭葉(中側頭回・下側頭回後方)
3) 側頭葉腹内側(紡錘状回中央とその近くの海馬傍回)
4) 背内側前頭前皮質(上前頭回・中前頭回)
5) 下前頭回(pars orbitalis)
6) 腹内側前頭前皮質・眼窩前頭前皮質
7) 後部帯状回・腹側楔前部
● あとは general semanticとか,"Artifact Semantics"とか"Action Semantics"とか,
"perceptual" vs. "verbal" Semanticsとか。
もりだくさん。
「ただいま実験中」の彼を除く2名と。
質問紙調査は行いまして,データを取りました。
さてこれからどうしましょう?セッション。
分析の指南。
これまでの指導がよろしい(笑)ゆえ,
あとはこうしてこうしてさらにこうして...という道筋をホワイトボードに書き出してもらい,
そのように分析を実行していただければ,結果から自ずと明らかになる(はず)
そういうイメトレ。
しかも!
21時になる直前あたりで58万アクセスに達しました。
今日は午後,少々時間的なゆとりがあった。
ほんとにちょびっとだけですが,
大学ってほんとはこういうところのはずだよねという気がした。
(第一号案件からけっこう日が経っているのですね)
夕方,ご相談を。1時間ほど。
今関心のあることを 9項目 列挙されてきた(これは初めての経験)
## 絞りこめ! ##
...絞りこむ共同作業を。
全項目お話を聞いて,
まず1項目,「実現可能性の観点から」(倫理的配慮の観点から)消去していただき,
ついで,本人に優先順位をつけてもらいつつ再検討。
ここでさらに1項目脱落。
どうやら中心的なコンセプトは「対人」らしく,
そうであるとすると,臨床領域か社会領域か,ってのがけっこう残った。
あとは私の独断と偏見による「卒業研究テーマとしてどうか評価」◎-○-△を
つけながら,考えたことを遠慮なくspeak outする。私が。
◎がついたのは2項目。
ひとつは「オールマイティ」で,実験しようと思えばいくらでもバリエーションがあろう。
絶対実験。実験でしか検討できません。
もうひとつは,私もちょっと関心がある,あちら向き矢印/こちら向き矢印の話。
実験しますか,質問紙調査ですか。どっちでもいけそうですね。
◎~○~△ → 「どうなるかわからないけどうまくいったらいいかも」が1項目。
「B」と「C」,という,高校時代から関心のある話題のようだが。
BもCも,もっと分解組み立てする気があるなら。質問紙調査なんでしょうね。
○が1項目。
それも現象をうま~く絞り込んでの実施が必要。それにかかっている。
テーマは面白いんだけど,適切な方法がどうなのか思いつかない。
○~△が1項目。
私とご本人の抱く結果の予想が異なる。どちらがより妥当か勝負する気がある?
勝つ自信たっぷりなんですが。やるなら質問紙調査。
△が2項目。
...いろいろ言わずにやめておきましょう。というよりも,少なくとも私は適任ではない。
ちなみに,本人の順位付けでは2項目が同点第一位だったのだが,
そのうちの一方は,私の評定では△だった。
ま,折衝ってそういうもんでしょ。
あなたの思うことと私の思うことが大きくずれることも,往々にしてある。
091109[mz3]-1 self-presentation; comparative optimism
Examining self-presentation as a motivational explanation for comparative optimism.
「私は,他の人よりもネガティブな出来事を経験することは少なく,
ポジティブな出来事をより多く経験するであろう」と考える傾向を
比較楽観主義(comparative optimism)☆,あるいは楽観性バイアス(optimistic bias)という。
この楽観性は,自己呈示(self-presentation)動機に基づいてなされるのかどうか。
→5つの実験でそれを支持するような結果が得られている。
*
つまり,人は,
好ましいアイデンティティイメージを他者に映じたいという自己呈示欲求によって
楽観的な態度を「演じて」おり,そのために比較楽観主義/楽観性バイアスにつながるのだ,
という話。
楽観性も「演じられている」そうなんだ。
8月下旬に提出していた「大学教員業績自己点検・評価票」,戻って参りました。
やっぱ「ふりかえりカード」ですな
(→2年前の自己評価/他者評価のようす)
娘の方のふりかえりカードは,親の捺印が必要ですがそれは求められていなかった(笑)
先週に引き続き,年に2回のおつとめのその2。2限に。
「脳科学リテラシー」を,心理以外の学生さんたちに。
本日は(というか,毎年のことですが)
「前頭前野(前頭葉)」について。
なんでそんなこと言っているかというと,
iPhoneアプリには,
Brain Tutor 3D
や
3D Brain
といった
優秀な無料アプリがあって,これらはきょーいく的に有効であると思われるからです。
グリグリと動かしてみたりして。
pptやpdfを,ということであるならば既に
「即プレゼン」というのがあることを知っているのだが。
091106[mz1]-6 bipolar disorder; mania; depression
Deductive Reasoning and Social Anxiety: Evidence for a Fear-confirming Belief Bias
(おーぷんあくせす)
「躁への傾向」「鬱への傾向」をあれこれの質問紙であぶりだそうと。
(※結果があれこれ有意な相関がありすぎて,ひとことでは書けませんなあ)
091106[mz1]-7 early maladaptive schemas; humor
Tendencies Toward Mania and Tendencies Toward Depression Have
Distinct Motivational, Affective, and Cognitive Correlates
"early maladaptive schema"と,コーピングとしての「ユーモア」の関係を質問紙で。
→親和的な/自己高揚的な適応的ユーモアが減り,
自滅的な不適応的ユーモアが増える。
また攻撃的ユーモア(不適応的)とは,自己コントロールの不十分さとの絡みで関連が。
抑うつ傾向とは,自己高揚的ユーモア・自滅的ユーモアと関連が見いだされる。
091106[mz1]-8 social anxiety; alcohol expectancies
Early Maladaptive Schemas and Adaptive/Maladaptive Styles of Humor
社交不安傾向の高さ → 危険飲酒減少,というダイレクトなルートがあるけれど,
飲酒による効果のうち,社交的な側面へのポジティブな結果を期待するときには,
社交不安傾向の高さ → 社交面への飲酒結果期待の強さ → 危険飲酒増大。
091106[mz1]-9 belief bias; social anxiety
Positive Social Alcohol Outcome Expectancies, Social Anxiety,
and Hazardous Drinking in College Students
社交不安(他者からの否定的評価に対する恐れ)と「信念バイアス」。
091106[mz1]-1 mental contamination; OCD; morality; compulsion; contamination; washing
Analyses of mental contamination:
Part I, experimental manipulations of morality
「心的汚染(感)」の実験的スタディ。女子大学生が被験者で,
合意性(合意の上での/無理強いの)×男性(道徳的な/不道徳な)
キスをされるところをイメージしてもらう→心的汚染感の評定や,「洗浄」の行動課題。
→結果?そりゃそうだろうという結果のようです。
091106[mz1]-2 mental contamination; OCD; washing compulsion
Analyses of mental contamination:
Part II, individual differences
上の研究の続き(別のパート)。個人差の側面はどうかという。
→それが生じたことへのpersonal responsibilityやviolation感のネガティブな評価,
キス後の,男性への不道徳性の知覚といったことと心的汚染感の強さに関係がみられたけど,
洗浄行動とは全然関連がみられなかったんだとか。
091106[mz1]-3 thought suppression; obsessions; intrusive thoughts
Effects of suppression and appraisals on thought frequency and distress
思考抑制の実験的研究。ターゲットとする思考の内容が,個人的に重要か
そうでもないかによって,異なる影響を及ぼすのかどうか。具体的には,
冒涜的思考をターゲットとして,信仰の厚い人々/そうでもない人々の間の差を検討。
091106[mz1]-4 animal fear; visual search; spider fear; snake fear
Some animal specific fears are more specific than others:
Evidence from attention and emotion measures
動物恐怖に関して,視覚探索実験パラダイムで。
もちろん恐怖刺激は素早く検出するのだが,
どうもクモ恐怖はかなり特異性が高く(ほんとにクモオンリー),他方で
ヘビ恐怖はネガティブ刺激へのもっと全般的な(恐怖)傾向の反映らしい,と解釈できる結果。
091106[mz1]-5 social anxiety; anger experience; anger expression; rumination
Predicting anger in social anxiety: The mediating role of rumination
社交不安と怒りの関係を質問紙調査によって。
間に反芻が入るらしい。
社交不安→反芻(brooding)→特性怒り
社交不安→反芻(brooding)→外向きの怒り表出(部分的に)。
その一方で,
社交不安→反芻(reflective pondering)→怒り抑制(部分的に)。
前回の京都出張と同様,
すでにだいぶ本務地での通常勤務をこなしておりまして時間差があるのですが,
先週の札幌出張,本日昼休みに出張報告書を作成し,
午後一番で提出して
ようやく完了。
1週あけて。
● 先週の「指導会」の様子。
出席しなかった指導会の様子についてあれこれうかがう。
...ああそうですか。口封じが必要ですね,ということに。
● メディア・リテラシーって何?テレビ親近感って何?
メディア・リテラシー尺度の作成に関する研究
テレビ親近感とテレビ視聴行動の関連性について
関連のありそうな尺度の検討。
...そして,あなたのご研究はどうしましょうか。
★
● 意思決定あれこれ。
研究がなされている文脈は,大きく2系統に分けられる,というまとめ。
・おまけの「現状維持バイアス"Status quo bias"」という話に興味そそられる。
・自動的行動と制御的行動?
...そして,あなたのご研究はどうしましょうか。
研究会らしい雰囲気は久しぶりだったかもしれない。
右半球脳卒中患者で
患側左手指への感覚刺激のdetection,および
どの指なのかのlocalizationが低下しているときに,
自分の健側右手指を使って左手指に刺激を与える状況にすると,
左手指のdetection/localization成績が向上する現象を
"self-touch enhancement"と呼ぶらしい。
(半側空間無視があると,この現象は生じにくくなるらしい)
※読んでみたらそんなことはないらしい(11.6追記)※
この現象についての実験的研究。
4例を対象としている。
患側左手指を左半空間/右半空間に置くかという点を実験1~実験5までの共通項として,
実験1) 患側左手指をタッチするのは他人(検査者)
実験2) 患側左手指をタッチするのは自分・健側右手指
実験3) 患側左手指をタッチするのは他人(検査者)
/ラバーハンドをタッチするのは自分・健側右手指 で 指の位置が対応させる
★患側とラバーハンドは同じ半空間に
実験4) 患側左手指をタッチするのは他人(検査者)
/ラバーハンドをタッチするのは自分・健側右手指 で 指の位置を対応させない
★患側とラバーハンドは同じ半空間に
実験5)患側左手指をタッチするのは他人(検査者)
/ラバーハンドをタッチするのは自分・健側右手指 で 指の位置が対応させる
★患側とラバーハンドは異なる半空間に
(もうひとつ,時間的にずらす実験6を1例に対して検討)
というような実験ですが(読むだけで複雑でしょ?),
実験状況の理解にまず時間がかかり...
ついで4例の結果を読み解くことも時間がかかり...
マニアックすぎて,すんなりとは咀嚼しがたいので
じっくり読んで考えまして,おいおい追記します。
*
発表者の黒板に描いた絵は
絵心あるわ(笑)
3回分が2回に圧縮されたため,150%のスピードでこなさなければならないところですが,
全然。いつも通りになってしまう。
てことは,次回は200%の速さでこなさないといけないな→ムリでしょうけど。
ストレス反応(心理的・生理的)とコーピングは扱わなければなりませんけども...
091104[bx1]-1 optic ataxia; action; perception
Optic ataxia and the function of the dorsal stream:
Contributions to perception and action
いつもはあまり紹介しないレビュー論文。
提示された視標に手を伸ばし,それをつかむことの障害を
視覚性運動失調(optic ataxia)という。
気に入っているところ。
1) 日本では,
中心視野に提示された対象へのリーチングの障害を Optiche Ataxie,
周辺視野に提示された対象へのリーチングの障害を ataxie otique
と使い分けている(※ドイツ語とフランス語で使い分けている点はやや難だが)
ことに言及しているところ!←先日札幌にいらした Rossetti による「輸出」?
2) "hand effect"と"field effect"という論じ分け。
3) dorsalな (not ventralな) perception という論点。
そして,
4) Milner & Goodale (1995) の,"dorsal=action / ventral=perception" は
oversimplification ☆ だと言っているところ。
(actionにおける) dorsal-ventralのinteractionも考えましょう,と。
2限「心理学2」の授業の日ですね。忘れそうだった。
この授業をしているおかげで「ストレスと健康と対処」を実践しているようなところがある。
(台風休講で)
3回分を2回に「圧縮」。さてどうしましょうか。
13時15分から場所の離れたところで,会議があったのですが,
そんな事情でもちろん遅れて駆けつけることに。
building D から building 2C へ移動。
そちらは到着後,20分ほどで終了(今日はいつもより会議時間が短かった?)。
お役目としての喋る機会(「報告事項」)は,一応与えていただいたので
ひとことだけ。
本日は朝9時から14時頃まで,
ヒューマン・ケア科学専攻修士論文・博士論文中間発表会が行われました。
今回より,2会場並行で進行するという(なんだか「学会モード」な)ことに。
全部で29題のご発表でしたが,14題ほどお説拝見拝聴しました。
様々な研究分野から構成されております専攻ですので,様々なご研究が。
ここには発達臨床心理学分野・臨床心理学分野のタイトルだけ列挙しておく。
時間順で。
1) 幼児期の子どもをもつ親の養育スキルに関する研究
2) ワーク・エンゲージメントにおける対人関係の特徴
3) 触覚イメージと感情の関連についての研究
4) 児童における母親・友達に対する愛着に関する検討
5) 高齢者のサクセスフル・エイジングとその関連要因の検討
~虚弱高齢者を含めて~
6) 首尾一貫感覚(Sense of Coherence)に関する心理学的研究
「教えてさしあげる」→教えていただくはずだった,
一週間前の2009年度修士論文第二次指導会
( こちら の続編;タイトルの変化などから推測できることもある)。
博士前期課程心理専攻。
資料はいただいているので,その資料の積まれ順に。
1) 小学生の担任教師に対する信頼感と学校ストレスとの関連
2) プログレスバーによる経過時間の表示が時間知覚に及ぼす影響
3) 中学生における学習動機の自律性を高める体験の検討
4) 高齢者ユーザーにおけるエラーメッセージ表示の感情面への影響
~より感情への負荷の少ないデザインを目指して~
5) 児童期におけるアタッチメントの内的作業モデルの構造
6) 抑うつ者の注意バイアスについての検討
―注意解放困難に注目して―
7) 不快情動に耐える力が情動制御方略に与える影響について
8) 妊婦及び出産後の母親の会話と精神的健康の関連
9) 被害的思い込み体験後の対処行動と適応との関連
10) 幼児の不安傾向の変化とその関連要因の検討
11) 青年期における「聴くスキル」についての発達的特徴と心理社会的適応との関連
―友人の話を聴くことを中心に―
12) 大学生の学生相談利用における援助拒否
―場面想定法を用いた関連要因の検討―
13) 学校ぎらい感情と学校生活感情体験との関連
14) 感情制御困難性がパフォーマンス場面における対処行動に与える影響
15) 養育環境における自己抑制と被害的認知傾向との関連
―内的他者意識特性と自尊感情を踏まえて―
16) 在宅高齢者を対象にした音読・計算活動の影響について
~ 主観的評価、日常生活および心理面への効果を中心に ~
091103[mz1]-1 rumination; trauma memories; PTSD
The effects of rumination on mood and intrusive memories
after exposure to traumatic material: An experimental study
トラウマティックなビデオを見せられた後に,
a) rumination,b) memory integration,c) distraction,の条件を割り当てるアナログ実験的スタディ。
→反芻は悲しい気分を持続させ,反芻のレベルは侵入記憶の回数増大を引き起こすが,
実験3条件間での侵入思考数の有意差は認めなかった。
091103[mz1]-2 perfectionism; self-oriented perfectionism; goal-setting
Do perfectionists raise their standards after success?
An experimental examination of the revaluation of standard setting in perfectionism
自己志向的完全主義の高い人は,一度成功すると次のゴールを高く設定することの実験的スタディ。
091103[mz1]-3 disgust sensitivity; OCD
Incremental specificity of disgust sensitivity in the prediction of
obsessive-compulsive disorder symptoms: Cross-sectional and prospective approaches
嫌悪感受性(DS)と強迫性障害の関連。
DSはOCD全体,そしてとりわけ洗浄強迫と関連があるが(研究1),
12週後の変動を予測するかというと,OCD全体も洗浄も予測せず,
hoarding(ため込み)を予測した(研究2)。←なんで?でも「新しい知見」と言っている。
091102[mz3]-1 attractiveness; imitation
The influence of facial attractiveness on imitation
カラフルなカメレオン(実験1)/ガネシャ(実験2)を見せられる
→顔写真☆が提示される
→実験参加者は(色のついていない同じ)カメレオン/ガネシャに「塗り絵する」,
という実験状況。
カメレオン/ガネシャはいくつかのセグメントによって構成されている。
提示される顔写真の人が魅力的であるときには,
そうでもない人のときに比べて,
提示されたもとの刺激の色にマッチするように描かれる有意差が見いだされた。
魅力的顔写真 vs. コントロール(顔写真提示せず)では,有意傾向。
実験1では女性顔写真/実験2では男性顔写真であったが,同様に。
また,いずれも実験参加者の性別には関係がなかった。
091102[mz2]-1 color; semantic; red effect; avoidance
The semantic red effect:
Processing the word red undermines intellectual performance
赤色知覚が知的パフォーマンスを低下させるという話があるが,
「赤」という単語文字(ドイツ語でROT)によっても
同様にパフォーマンス低下を引き起こすという4つの実験。
知覚的にではなく,意味的に「赤」であればパフォーマンスを低下させるとのこと。
色名単語 → 心配 → 成績低下,という間接的なパスがあるらしい。
091101[bx1]-1 behavioral variant frontotemporal dementia; cluster analysis; VBM
Distinct anatomical subtypes of the behavioural variant of frontotemporal dementia:
a cluster analysis study
人格・行動面に異常変化のみられるFTD(bvFTD)66例の灰白質萎縮の程度を
VBM→クラスター分析して,4タイプを見いだす。
1) temporal-dominant subtype
2) temporofrontoparietal subtype
3) frontotemporal sybtype
4) frontal-dominant subtype
もちろん,いずれのサブタイプであるかによって,
記憶や言語や遂行機能といった認知面の症状は異なってくるが,
NPIで測定される精神症状にはサブグループ間で有意差はないという。
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