09 神経心理学-15&16
「感情」と「社会的認知」。
90年代後半~00年代のトレンド,でしょ?
けっこうがんばったんだけどそういう素振りを見せないように授業する。
→ひどく心的資源を注いだのでぐったりしている。
*
というのは,このあたりの「教科書的記載」がまだあまりないのでして...
これまでも,
昨年度のこの科目,そして夏学期の非常勤科目,2回やっているのですが,
ちょっとこのままじゃいかんと一念発起して,
レビュー論文中心に,「ことの発端」論文を含め
かたっぱしから「使える絵」探しをしつつストーリーを再構築したのだった。
それをこのところ空き時間ずっと使ってやっていたので。
ま,なんとか授業には間に合ったわい。
そんなんで,いつもより「英文」分量が多かったかもしれない。
pptの方は大幅に変更(自分としては大幅な「改善」)。
文字バージョンはほどほど。
*
「感情」。
例の「辞典」で関連する項目はなんと,
・強制泣き・強制笑い
・感情失禁
・表情認知障害
・多幸症euphoria
・ふざけ症moria
くらいなものですから...
昔から知られているものとして,(全般的)表情認知の低下とアプロソディア→「右半球」
の話をしてから,
両側扁桃体損傷→恐怖表情の認知障害,から本格的に始まった感情情動研究を。
ひとつは,「他の感情カテゴリーは?」という方向。
もうひとつは,「他のモダリティでは?/他の呈示刺激では?」という方向。
続いて応用発展篇として,
自己意識的感情/社会的感情に関する研究の紹介と。
感情制御に関する研究の紹介。
ここで前半の時間終了。
*
昼休みをはさんで後半。
昨日に続き,この授業でも,「質問紙と封筒をお配りして,協力のお願い」をする。
「情動的意思決定」。
もちろんGageのエピソードと,3D再現された「赤い棒が刺さっている」やつをお見せして。
その後,IGTの実演←「5日」誕生日の人はおらず,15日・25日もいらっしゃらない(ホントかよ)
せっかく実験参加者になってもらおうとしたのに。お近くの方にやっていただく。
それで,「ソマティック・マーカー仮説」だの「あたかもループ」などについて
あたかもよく知っているかの如く説明してみる。
続いて
「社会的認知」へなだれ込む。
「心の理論」の話をして,賦活部位,4つのシステムということを。
それに関連づけて,視線(方向)検出,アイコンタクト,バイオロジカルモーション関連。
ミラーニューロンがメンタライジングに関係するのかしないのか,
自己/他者の共通性・相違性(自己関連は「内側」?」,
共感(なんだかほんわかといいことのような共感だけじゃなく,「痛みの共感」も)。
"moral brain"も。
今回は最後に,
「孤独感」のイメージングみたいなのも見ていただく;
横軸に尺度得点,縦軸に信号変化量をとって正とか負とかの相関をみる,そんなタイプの。
(因果関係はどうなんだろうねぇと言ってみる)
あとは足りないのは,リアルタイムのリアルな「相互作用」なんだよ。
そういうのは,近々やってくる2月14日あたりに,
男性諸君も女性諸君もがんばるようにお伝えして終了。
ほぼ時間通り。
(だいぶ,遂行機能を使った,そんな気がするきょう)
*
試験についての告知もする。
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Commentaires
「強制泣き・強制笑い forced crying/laughing」という現象は,
James-Lange Theory への反証になるのかならないのか。
Rédigé par: mochi | 08 févr. 2010 14:21