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14 févr. 2010

100214[bx2]パートナーの表情に対して反応がよいことの実生活上のメリット

を,神経科学的に説明する。

反応がよい=VLPFC賦活量大。

100214[bx2]-1 emotion regulation; facial affect; interpersonal relationship
Neural Activity to a Partner's Facial Expression Predicts Self-Regulation After Conflict

実験室ベースの情動制御の研究では,その制御に腹外側前頭前皮質(VLPFC)の
活動が関与することがいくつかの研究によって知られているのだが,
リアルライフでの情動制御にもちゃんと関与しているのかどうか。

その反応性が脆弱性vulnerability/素因diathesisとなり,
さらにそこにストレス(対人衝突)がかかることで,
気分や行動の問題が生じてくることが予測される→ストレス-脆弱性/素因-ストレス仮説。
((V)LPFCの機能異常は気分障害・BPD・物質依存などとの関連が先行研究で
 あれこれ示唆されている)

ecological validityの研究というか。なまなましい検討というか。


 *


実験参加者のパートナーの,ポジティブ表情/ネガティブ表情/ニュートラル表情と,
見知らぬ人のそれらを,passive viewing(見るだけ)しているときの脳活動を測定。

→ニュートラル表情に比べて,ポジティブ表情/ネガティブ表情でVLPFC↑,
 かつ
 見知らぬ人のポジティブ表情/ネガティブ表情よりもパートナー表情でVLPFC↑。


その後3週間,毎日,オンラインのダイアリーで
パートナーとなんらかの衝突があったかどうか,
ポジティブ気分/ネガティブ気分,
反すう,
物質(酒やドラッグ)使用,
について参加者は回答した。

→fMRI実験時の左側VLPFCの活動(ネガティブ表情-ニュートラル表情の差分)で,
 LOW/HIGHの2群に分割して比較。
・前日に衝突がなかった場合には,翌日のネガティブ気分に群間差はないが,
 衝突があった場合,LOW群ではネガティブ気分が高く,HIGH群では低いというinteraction。
・反すうも同様のinteraction。
・物質使用も同様のinteraction。

→→fMRI実験時の左側VLPFCの活動(ポジティブ表情-ニュートラル表情の差分)で,
 同様にLOW/HIGHの2群に分割して比較したところ,翌日のネガティブ気分に関して,
 上と同様の結果が得られた。


VLPFCの日常生活における情動制御の役割が
仮説通りに,なまなましく示された。

実験室でのVLPFCの活動が,
その後3週間の,対人衝突イベントがあった際の気分・行動状態を予測できたことになる。

 *


認知行動病理学的な心理学研究においてこのスタイルの研究はよく見かけるわけですが。
そこにfMRIとか脳活動を絡ませるとこんな風になるのかと思って。

こういうの,初めて見た気がする。
リアルライフとの絡ませかた。


 

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