100312[bx2][mz1]皮肉を理解する脳／統合失調型パーソナリティ傾向との関連

Brain and Language に掲載されているところに
ややひねりがあるのかも。

100312[bx2][mz1]-1 irony; sarcasm; schizotypy
Neural correlates of irony comprehension:
The role of schizotypal personality traits

皮肉を理解することや，その障害は，先行研究的には
他者の心的状態を理解する能力（theory of mind/mentalizing）と結びつけて考えられているが，
「言語理解能力（の異常）」と考えることも，もちろんできる。
（右半球言語機能とも，左半球言語機能とも）

で，15名の一般成人の統合失調型傾向を（SPQで）測定し，
皮肉で終わる／文字通りの意味で終わる文章を黙読した際の脳活動をfMRIで計測した。

→左内側前頭前野・左下頭頂を含む両側のネットワークが賦活。

　さらに，皮肉で終わる文章を読む際の，（両側）中側頭回の活動と
　SPQの値が負の相関関係☆。
　（左下前頭回の活動とSPQとは正の相関関係）

→→☆したがって，皮肉の理解には，ToM/mentalizingネットワークというよりも，
　　　　中側頭回の言語機能と関連★があり，
　　　　統合失調型パーソナリティ傾向と，その言語機能異常とにも関連がある。

　＊

★だからこの雑誌なのかと...

　しかしとうとう，
　Brain and Languageにも，こんな風にパーソナリティというか個人差傾向を含む論文が
　掲載されるようになりましたか。

　時代は変わりました。