100410[mz3] 嫉妬こそ盲目/Blind jealousy?
へんてこな実験状況で,
嫉妬による盲目が示された,
知覚心理学的実験。
100410[mz3]-1 emotion-induced blindness; attention; close relationships
Blind jealousy?
Romantic insecurity increases emotion-induced failures of visual perception.
実験1では25カップル,実験2では27カップルが参加。
中身はふたつの実験でほぼ同じ。
恋愛関係にあるカップルが実験室にやってきて,
男性・女性それぞれが隣に座って別々の課題をする。
女性のほうはRSVP課題を行う。視覚性の注意課題。
(ターゲット刺激が左に90度倒れていたか右に90度倒れていたかを判断する;
がそのターゲット刺激の5枚前にディストラクター刺激が提示される。
ディストラクター刺激がネガティブなものであった場合,
ターゲット刺激の傾きの判断の正確さが低下する="emotion-induced blindness")
男性の方は,提示される写真の魅力度評定を行う。
風景写真の魅力度評定条件と,
(そのパートナーじゃない別の)女性写真の魅力度評定条件。
で,何を検討しているかというと,
隣でパートナー男性が他の女性の魅力度評定を行っているときに
女性の方が感じるUneasiness(気が気じゃない感じ)の評定の高さと,
女性が行っている課題のemotion-induced blindnessの程度が
正の有意な相関を示しているということ
(実験1ではr=.45, p=.03,実験2ではr=.55, p=.004)。
要するに,
ジェラシーが(emotion-inducedな)ブラインドを高めるということ,
社会的な文脈によって生じる感情が知覚処理のレベルにも影響を与えるということ
が示された。
*
もちろんこの論文のタイトルの下敷きに,
"Love is blind."(恋は盲目)
ということわざ(?)があることが想起されるわけだが,
本文冒頭の引用には,
"It is not love that is blind, but jealousy."
-Lawrence Durrell, Justine, 1957
なんとそういうセンテンスも既にあるらしい。
「嫉妬こそ盲目」
とか訳せばいいのかな。
...またひとつ,教養という名の小ネタが身についた(笑)
*
しかしまあ,
隣にいる彼が自分以外の女性のことを目で追っかけるという状況は,
(実験室以外での)ふだんのデート場面などではままあることなのかもしれないなあと。
...他人ごとのように,感想みたいに,付記しておこう。
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