NPJC100428
午前中に。
ひじょーにめずらしい刺激を提示する実験。
Seeing direct and averted gaze activates
the approach–avoidance motivational brain systems
提示される顔・視線(vs物体)の向きが正面のときと逸れているときで,
接近・回避の動機づけ-情動的反応がどうかわるか。
測度はEEG,SCR,覚醒度と感情価の評定。
この論文の最も重要なところは,
提示刺激がナマな人物で (70cmの距離で提示される...)
写真提示条件のときとその反応を比較しているところですね。
ナマの無表情顔がこっちを5秒間正視したまま静止
(または視線を逸らして5秒間静止)。
※恐すぎる...
で,frontalEEGはナマ顔正視条件で左優位(「接近」を示唆)
ナマ顔逸視条件で右優位(「回避」を示唆)。
(写真じゃダメ,物品じゃダメ)
SCRも,ナマ顔の正視・逸視で反応が大きい。
(写真じゃダメ,物品じゃダメ)
覚醒度も ナマ顔 正視>逸視
感情価評定では (一見,意外だが) ナマ顔 正視<逸視...視線が逸れていた方がより快★
などという知見が得られた。
*
・じゃあうちの研究室の誰にナマ顔刺激をやってもらおうか。
・いまいち,仮説の「EEG左右非対称性」の原理が理解できない。
前提がよくわからないもので。
・この研究では,提示されるナマ顔・写真は女性だけれども,
実験参加者には男女含まれる。性別の影響は?
(しかしかといって男性顔女性顔を提示するとなると,統制が難しいだろう)
(そもそも,提示される刺激が魅力的かどうかだって,ね。とりわけ生理指標もとるわけで)
・もちろん,社交不安傾向の高さも関係するだろう。
・「接近-回避」という軸と,「快-不快」の軸は同一じゃない。
快ゆえに接近,もあれば,不快ゆえに接近(→闘争)もあろうとかディスカッション。
・この研究はそれはそれで面白いけど,
では提示刺激は「生態学的妥当性」を考えれば常にナマ顔が望ましいのか?
いや,そもそもこんな実験室でいきなり無表情な顔が提示され,
しかも無言でじーっとこっちを見たりあっちを見たりしている状況で,
そもそも生態学的妥当性うんぬんなんてあるのか,議論。
*
次回予定は 5月19日(水)13:30です。場所はDの私の部屋。
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