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28 mai 2010

神経心理学演習10-11

北島さん担当。

パーキンソン病。Flanker課題。

The effect of Parkinson's disease on interference control during action selection

(行為選択における interference control に関するパーキンソン病の効果)


Flanker Task☆における
反応時間や正答率を分析する研究はこれまでにも少なくとも6本公開されているが,
結果はまちまち
(参加者数の問題や,投薬状況,発症からの年数など)。

 ☆:こんな感じ。中央の矢印に対応した矢印キーを押す課題。
   中央に提示される刺激がターゲット。左右に存在するターゲット以外の刺激をフランカーと呼ぶ。
   ◇ ◇ → ◇ ◇ (中性条件)
   → → → → → (一致条件)
   ← ← → ← ← (不一致条件;
              フランカーが左向きなので,その影響を受けると反応時間遅延;正答率低下)

また反応時間の遅延/誤答の原因としては,
 flankersが過剰に活性化してそれを抑制できない場合(いわば入力のコントロール)と,
 反応選択時に競合する選択肢の一方を強め他方を弱める出力のコントロールの問題が
考えられる(activation-suppression hypothesis)。
であるならば,
 前者は,早い反応時間での誤答につながり,
 後者は,遅い反応時間での誤答につながると考えられる。

そのようなあれこれを解決すべく,50名のPD患者を対象としたデータを用いて分析。


結果。

Incongruent条件において,PD群ではとりわけ反応時間が長く,正答率も低下。★
条件×群の交互作用。

縦軸に正答率,横軸に反応時間(あれこれの反応時間を7区画にする;Fig.4)
"conditional accuracy functions"から,
早い反応時間区画における正答率の低下が顕著(だが,統制群との間に有意差はない)★

縦軸にdelta RT(不一致条件-一致条件),横軸に反応時間7区画をプロットすると(Fig.5)
統制群よりもPD群において,遅い反応時間区画が時間がかかっていて,
かつ統制群のslopeと形状が乖離する傾向がみられる。★

...などが基本的結果。

・投薬状況や発症からの年数の効果はまったく有意ではない。

・今回対象のPD群のなかにも,成績良好下位群と不良下位群が存在する;
 不良な下位群で上記★パターンが顕著。
  ~どうして成績の良い/不良が生じるのかの原因は不明なまま。

・動作緩慢(bradykinesia)の影響を除外するために,
 中性条件でのベースライン反応時間が遅くない
 (健常群と有意差のない)PD下位群を設定して分析しても,
 やはりそのPD下位群で★パターンが出現する。


いろいろ分析したけど,★のパターンはPD群(全員ではなくその一部だけれど)の
特徴的な症状といえる。

 *


ちょっと難しい論文を選んでしまいましたね。
課題が単純なぶん,分析は小難しい。の好例。

もとの論文を少していねいに読みながらやりました。


 *


恒例の,必殺「下の名前を呼んで出席をとる」パフォーマンスをする。

最初3人しかいなかったんだけどね... 

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Commentaires

で,考察部分のレジュメは次回の担当日までに作ってくれるのだそうです。

ご自分が宣言しちゃったのだから,

よろしく☆

Rédigé par: m0ch1 | 28 mai 2010 20:03

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